ZONDAで十分?普段使い用のホイールについて考える 1

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※ 本記事で言及している対象は 2015年モデル です。C17以降のモデルは考慮しておりません。


FELT F7 を導入して以来、私が練習用(或いは普段から履きっぱなしの日用)ホイールとして一貫して使用しているのが、Campagnolo Zonda です。
普及価格帯におけるベストバイ、間違いのない選択として大人気のホイールであり、アマチュアからプロまで多くのユーザーに支持されています。ロードバイクの性能向上を実感できるホイール交換において交換対象の筆頭候補に挙げられている事も少なくありません。
この様に多くのユーザーに支持されている Zonda ですが、ひとたびホイールとして冷静に眺めてみると極めて特殊な構造をしている事に気がつきます。
街中でもよく目にする為に一般的と錯覚しがちですが、実際には独自路線を貫く強い個性を持ったホイールです。
Zondaの特殊性を端的に示しているのは左右非対称な後輪のG3組ですが、他にも

  1. リムテープ不要
  2. カップ&コーン式のハブベアリング
  3. ステンレススチール素材のスポーク

と言った珍しい特徴を兼ね備えています。
1.と 2. についてはカンパニョーロの他のホイールとも共通する特徴でG3スポーキングやハブの回転性能を実現する為に不可欠だという考察を耳にする事があります。
Zondaを唯一無二のユニークな存在にしているのは特徴 3. で Shamal UltraEurus といったアルミリムの兄弟ホイール達との性格 (役割) の違いは主にここから生じます。


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よく知られている事ですがZondaのスポークがスチール素材なのに対して前2者のスポークにはアルミニウム合金が採用されています。
アルミニウム素材と比較したスチール素材の特徴は両者の質量を一定にした条件では (質量を増やさずに板厚を稼げないので) 剛性で劣り、(疲労限度があるので) 疲労に対する強度で勝るという特徴があります。
剛性を意図的に落として乗り心地を良くしているとも言われるG3スポーキングとも相まって Zonda の乗り心地は相当にマイルドです。
この乗り心地が良いという人もいる反面、私のように乗り心地は厭わずに反応性が良いホイールを求める乗り手には物足りなく感じられる事があります。
本記事の主旨でもありますが、乗り手や場面を選ばずにどんな状況にもお勧めできる万能のホイールは、残念ながら存在しません。
肝要なのは機材の性質を見極めて適切な場面で長所を引き出したり、用途に適した機材を選択することだと私は考えます。




Zonda は左右のスポークテンションのバランス、ハブの回転、見た目が良く乗り手に優しいホイールです。
一方で円周に対してスポークを均等の間隔で張れるホイールと比較してリムがやや重いという特徴があります (自身で分解して計測した訳ではありませんが 450 から 470g と言われています) 。
後述のようにリムの重量増はホイールの回転性能を下げるので良い事ばかりではありませんが、それなりに重いリムとカップ&コーン式のハブそしてステンレス製スポークを採用している事から耐久性は高いと考えて良いでしょう。
ホイールにおける消耗品は主にリム、ベアリング、スポークの3点ですがこれらの供給体制がしっかりとしているのが Campagnolo の最大の魅力です。
唯一の泣き所はポールスプリング破損によるハブの故障ですので、長期使用を前提とするなら定期的な部品 Campagnolo 5-FH-RE114 交換による予防をお勧めします。
続く

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