数百台規模のハードディスクを用いてデータベースRAIDを組んでいるとハードディスクが如何に壊れやすいものであるかを痛感するわけですが、常時稼働させていないディスクであっても予期せぬ故障は起こりえます。
ケーブルを接続するための Mini/Micro USB Port もそんな部位の一つで、脱着を繰り返すことにより物理的に破損してしまう事があります。
つまり外付けのポータブル・ハードディスクのケーブルを抜き差ししていたら端子が外れた訳です。
この場合、内部のディスクまで破損していないのであれば、ケーブルを差し替えることで内部のデータを救出できる可能性があります。
ポータブルHDDの外装はトルクスネジと呼ばれる特殊な星型のネジで留められている事が通常です。
しかし、特殊なネジを使っているからといって、特殊な構造をしている訳ではありません。
マイクロヘックスローブレンチセット の様な専用工具を用いれば、普通のネジを回すのと同じ要領で分解する事が可能です。
外装を外すと衝撃吸収用の緩衝材(ゴム)で固定されたハードディスクがそのまま出てきます。
初めて見る場合には、まるで豪華な外装のクォーツ時計を分解した時のように驚かれるかもしれません。
私も初めて分解した際には唖然としたものです。
ハードディスク本体を引き出す事に成功しましたら、本体表面に貼られたステッカー情報を注視して接続インターフェース規格や使用電圧、電流等の重要な情報をすべて確認します。
今回、私が壊した このモデルでは SERIAL ATA 規格の 5V 0.6A となっていたので Cyberplugs SATA-USB 3.0 変換アダプタ というケーブルを用意しました。
Mini/Micro USB Port に対応するための接続部品を外してハードディスク本体の接続インターフェースを剥き出しにするとケーブルを接続できます。
この接続端子に直にケーブルを差し込んでパソコンのUSBポートまで繋げてしまおうという趣旨を持つ部品がSATA-USB変換アダプタという訳です。
今回は特にハードディスク本体に異常はなかったので、破損したMini USB Portを取り外して変換アダプタに差し替える事で難なくデータを救出する事に成功しました。
ディスク内部まで破損してしまうと必ずしも復旧できる保証はありませんが、この程度であれば知識と工具さえあれば何とかなるものです。