CO2依存脱却の試み

自家用車を処分する云々といった内容ではありません。

スポーツ用の自転車のパンク修理に用いられるCO2インフレータへの依存を止めて、携帯エアポンプを携行する事を検討しています。

CO2インフレータの長所は (1) 携行時の体積が小さい事 と (2) 労力を掛けずに瞬時にタイヤに空気を送り込める事の2つです。



airbone(エアボーン) airbone CO2ボンベネジ有り16g3本セット ZT-101


スポーツ用自転車のタイヤは概して高い空気圧が必要となるため、携帯式のエアポンプで空気を送り込むために必要な労力は無視できるものではありません。

自転車用途で使用される携帯式エアポンプは、持ち運びが便利な小型で軽量なものほどタイヤやチューブに空気を送り込むのに必要な労力が大きくなる傾向があり、携行性と利便性の両方を追求する事が難しいため、どちらか一方に割り切ったポンプを愛用するサイクリストも少なからず存在します。

CO2インフレータの場合、最も小さな携帯式エアポンプとほぼ同じ大きさでありながら、必要な量の空気を瞬時に送り込む事ができますので、携行性と利便性のどちらも犠牲にする事はありません。

反対にCO2インフレータの短所は、CO2ボンベを使用する事です。




CO2ボンベを使用する事によるデメリットは無数に存在します。

そのうちの最大のものは、(1) 一度きりの使い捨てとなり再利用ができない事です。

失敗も許されませんので、現実的には2本以上のボンベを携行する事が推奨されます。

軽量のエアポンプよりもインフレータ一式の質量の方が上回る事も当然あり得ます。

体積または労力の削減はできても、(2) 持ち運ぶ質量の削減の点においては余り意味がないのです。

また (3) 注入できる気体が二酸化炭素である事から、エアポンプを使用した場合よりもタイヤの空気が抜けやすい事も懸念事項となります。

その事を身をもって実感したのは、つい先日のできごとです。

東京から山梨県と長野県の境界上にある大弛峠を目指して走行していた際、後方から迫ってきた自家用車から幅寄せと急ブレーキによる進路妨害を受け、異物の散乱する路肩に無理やり押し出された挙句、1cm長の金属片を踏んで後輪がパンクしました。

そこは山梨県の大月市というところで、目的地までは40kmほど離れていましたが、東京の出発地点からも90kmは離れた場所でした。


手持ちのCO2インフレータと予備のタイヤチューブを消費する事で自転車を走行できる状態にする事はできましたが、早朝3時台に家を出てきた事もあり、ここまで来ておいて引き返すのは嫌だなと思いました。

私が携行するパンク修理用品は、Vittoria ツールケースに収まる2本のCO2ボンベと予備のチューブのみで、携帯式エアポンプを持ってライドに出掛ける事は基本的にはありません。

例外として島根県まで輪行した際、出雲空港からホテルまでの移動 (自走) 中に使用した Road Morph です。

これはパンク修理を意識したものではなく、否応なしにタイヤの空気を抜かなければならない飛行機輪行には必須であった為に持ち合わせていたに過ぎません。

CO2インフレータは無事に帰宅する為の助けにはなりますが、タイヤをパンク以前の状態まで復元してくれるものではありません。

予備のボンベとチューブは残り1本づつ。

路面の荒れた道の多い山梨県の初めて訪れる場所。

引き返すべきとは思いながらも先に進まざるを得なかったのは、消費した修理用品やタイヤの空気圧を補充できそうな場所が見たらなかったからです。

そこから山道と峠を越えて45km離れた八王子まで戻らなければ。


今までは無事に帰る事を優先していたのでCO2インフレータは必要十分でした。しかし、トラブルに遭遇した後、なおも先に進みたい場合にそれだけでは心許ないと痛感します。

幸いにして、しばし進んで到着した猿橋というところで、訪れていた方にエアポンプを貸して頂ける事になりました。

私が笹子峠と大弛峠を越えて長野県の入り口まで辿り着けたのは、偏にこの方の親切によるものだと考えると感謝しても感謝しきれない思いです。

帰宅後、翌日は真っ先に最寄りのショップを訪れて Mini Morph G を購入しました。

ツールケールに収まらない携行品が増えてしまうのは、紛失防止の観点からは避けたいものですので、もちろん思うところはあります。



一方で便利なCO2インフレータは、私の使用用途には不向きなのではないかとも考え直す事になりました。

パンク修理に1秒を争うタイムトライアル等では必須になりますが、私の場合はライドに厳しい制限時間が伴う事は極めて稀です。修理目的もパンク地点から最寄り駅やエイドステーションまでの到達よりは、山越えを伴った自走での帰宅となる可能性が高いです。

加えて、特徴的なのは飛行機輪行の頻度です。

CO2インフレータの場合、飛行機輪行ではボンベの持ち込みそのものが法令による本数制限を受けます。手荷物検査の担当者が輪行に不慣れな場合、その外見から面倒になる可能性もあります。

スポーツ用の自転車用品であり、ボンベの中の気体は二酸化炭素である事を明かした上で「パンク修理用の二酸化炭素ボンベ」あるいは “puncture repair kit(s)”、”patch kit(s)”と説明する事が無難ですが、最善の手段は消耗品のボンベは持ち込まずに到着後に現地調達する事です。
こうした事情もあり、CO2依存からの脱却を試みています。

エアポンプ1本のみでは冗長性がありませんので、CO2インフレータの携行自体を直ぐに止める事はありません。

ジャージのポケットとツールケースで持ち運べる荷物が限定されている中での最適な持ち物の組み合わせを模索しています。

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