日本最大の関東平野を実感できる茨城県。東京から常磐道を北上して利根川を超えると視界を遮るもののない広大な平地に圧倒されます。
見渡す限りの平地の向こうに薄っすらと見える筑波山。その筑波山の更に向こう側に位置する愛宕・難台・吾国連山の峠が道祖神峠です。
筑波山の風返し峠から県道42号線 (その名も笠間つくば線) を笠間方面に道なりに進むと到達します。
その道祖神峠を今回は筑波・石岡側からではなく、反対の笠間側から登ってみました。
実際に走ってみて実感した笠間側の魅力は練習コース、または入門者の力試しとして適当な長さと斜度になっていることです。
距離はおよそ 3.5 km にして平均斜度は 7% 程度です。
周囲の山頂の標高は 500m を超えますが、鞍点である峠の標高は約 300m 程度なのでヒルクライムコースとして長すぎるということはありません。
最大斜度は GARMIN 計測で 13.6 % あるものの、前半は 2% から 5% までの緩めの勾配が続きます。
峠に近づくに連れて斜度が増していくタイプのコースなので後半は急勾配が連続します。
交通標識にも 9.5% や 11% の注意表記が見られるように決して甘くはありません。
この峠を超えられる実力を身につければ、他の大多数の坂は乗り越えられると言い切って良い程度の激坂が短い区間に詰まっています。
しかし、急勾配区間は長くは続かないので、グッと我慢してペダルを回し続ければ峠が見えてきます。
このバランスと緩急のついた斜度の展開が絶妙なのです。
もう少し短ければ達成感が薄く、もう少し長ければ本気の山登りになってしまいます。
短所として山と山の合間を進むので展望は望めません。
また日中は車の通りもあります。
登り切っても林道の入り口が見えるだけで自動販売機などは見当たりません。
幸いにして舗装状態は悪くはなく、携帯電話の電波圏内ですので (奥多摩や山梨のヒルクライムスポットの多くと比較して) 万が一の際の対処はしやすい方です。
補給地点は約 10km 離れた笠間の市街地を最後にほとんど存在しませんので、飲料と補給食の用意を整えられてから来られた方が無難です。
北麓の笠間は笠間稲荷神社の門前町にして、陶磁器の産地にして、日本一の石切山脈を誇る御影石の産出地らしく、市街地の方に行くと見慣れないものがたくさんあります。
国道50号線などの一部の道を除いて、基本的に道幅が広くて走りやすいところが多いので、そうした名所をライドに組み合わせてみるのも面白いかもしれません。