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手組みホイールが寿命を迎える

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昨年4月に購入した手組みホイールの前輪のニップルが割れました。

最近、1mm 程度の横振れが生じていることに気付いてはいたのですが、その他に特に異常も見られなかったので、そのまま約 300km ほど使用していたところ、バチッという小さな音を鳴らしてニップルが破断してしまいました。

破断時にはサイクリングロードを時速 24km/h 程度でゆったりと流しながら、速度調整のために軽くブレーキを引いていました。

段差に乗り上げたり、何かに衝突する訳でもなく、突然、走行中に異音を発して前輪が急制動を起こしました。

スポークが破断してホイールの形が歪むと、リムがブレーキキャリパーに干渉して回転が止まります。

私は既に何度かこれを経験しているので、後続の自転車や歩行者がいないことを確認して、落ち着いて路肩に自転車を停車 (横転) させてしまいます。


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無事に停止したところで改めて状況を確認してみると、破断したのはスポークではなくニップルの方であることが分かりました。

同一ホイールの後輪も購入後1年を経過する頃にスポーク折れを経験しており、今回も平坦な路面で前兆なく破断していることから継続使用による減耗などが原因と考えられます。

調度、リムテープも寿命を迎える時期なので、この期にスポークやベアリングなどの消耗品をまとめて交換してしまうのも悪くありません。




取り敢えずの応急処置としては、割れたニップルを取り除いて新品に交換します。

幸いにしてスポークは無傷だったので、予備のスポークの出番はありません。


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手組みホイールが完組ホイールに勝る数少ない利点がこれです。

私の場合、飛行機輪行で遠方まで出掛けて高山に登ることもあるので、故障しやすいホイールは汎用品で修理できる手組み、または補修部品の入手が容易で整備性の良い DT SWISS 製 (のハブやスポークを使用した) 完組ホイールで統一しています。

もっとも今回だけに限って言えば、故障地点のすぐ近くにサイクルベースあさひさんの店舗があったので、実は全て自分で修理する必要性はありませんでした。

それでも下記の工具さえあれば、ゆっくり自走して帰れるぐらいには応急処置ができたので、持ち合わせていると何かの役にたつかもしれません (自転車工具セットはリムテープを剥がす際に使います) 。

Reynolds STRIKE は AERO とは異なる… しかしとても優秀かもしれない

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Reynolds のロード用カーボンホイールには RZR と AERO と ALLROADS の3種類の商品構成があります。

1つ目の RZR は英語圏で「究極の回転体」と比較されているフラッグシップモデルです。ハブとスポークまでカーボン繊維 (と Boron fiber) 製で形成されており、前後輪あわせての質量は 1.0kg を切るそうです。

対抗ホイールの Meilenstein と Gipfelsturm は何度も見たことがありますが、RZR に関しては自分自身で実物を見たことがないので詳しくは語れません。

2つ目の AERO は RZR に使われている技術を採用したミドルレンジモデルです。

約一年前に私が購入した AERO 46 もその一つで、現在は他にリム高の異なる AERO 65 と AERO 80 があります (過去には 72 と 90 がありました)。

こちらはカーボンリムに DT 240S ハブとスチールスポークを組み合わせた一般的なカーボンホイールです。

詳細は該当記事にありますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

3つ目の ALLROADS もカーボンリムに合金ハブとスチールスポークを組み合わせたホイールです。

荒れた道に使える ATR の他に、リム高が異なる ATTACK (29mm) ASSAULT (41mm) STRIKE (62mm) の3つのモデルがあります。

カタログでも分かる ALLROADS と AERO との相違点はリムの形状とリム幅、そしてスポークの本数 (ただし STRIKE だけは AERO と同じ本数) ですが、実物を細かく見ていくと様々な点が異なります。

CANYON の完成車に付属してきた STRIKE (62mm) を使って、その違いを見ていこうと思います。




まず AERO と STRIKE とではハブが異なります。

AERO の後輪は左右ともに2クロスですが、STRIKE はノンドライブサイドがラジアル組みです。


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STRIKE Tubeless

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AERO 46 Tubular


目立たないところではスポークも異なっており、AERO が DT Aerolite なのに対して STRIKE は DT Aero comp を使用しています。

スポークが DT ということは、ハブも DT 製なのでしょうけれども、今回は完成車外しのため確証がありません。

製品番号らしきフォントを見て「ポーランド工場製かな」と推測できるぐらい DT に魂を売り渡している私が見ても DT っぽいので、高確率で DT 製だとは思われますが。


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ハブが異なるならスキュワも異なります。

私のことを良く知っている方は、私がアルミやチタンのような軽量な金属が嫌い (特にフレームやスポークやボルトの素材としては大嫌い) なことをご存知かと思われます。

話は脱線しますが一応は説明しておくと、アルミ素材が嫌いなのは板厚を稼げるので剛性を高める目的に適していても、疲労限度がなく耐久性に乏しいこと。

チタンについては摩擦係数が不安定なことに加えて、加工が難しく、室温でもクリープ性があるためです。

豊富な知識と卓越した技能を持つ整備士が点検した上でレースで使用するなら問題ないでしょうが、公道上で常用するなら鉄の方が安全だと思ってるわけです。

そんなアンチ軽量スキュワな私からしても STRIKE の方はちょっと… 市販品に交換したくなります。

AEROのスキュワはデザイン、質量、素材の全てについて言うことなし。最高です。


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上が AERO 下が STRIKE


ハブもリムもスポークも、更に言えば (私の AERO 46 は Tubular なので) 使用するタイヤも異なるので、同じ Reynolds でも両者の性格は大きく異なります。

しかしリム高に対して非常に軽量な点は変わりません。

62mm のリム高に 25c のクリンチャータイヤとチューブ、リムテープが着いている割に前輪 1,033g 後輪 1,449g と質量は大変に優秀です。

(※ カーボンクリンチャーホイール用のタイヤレバーを所持していないので、やむなく完成車外しそのままの状態で計測しています)

特に後輪は DURA-ACE とは言え、11-28T の歯車が11枚とスポークのプロテクターが着いての数値です。


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前後セットでカタログ値 1,635g という STRIKE の質量は伊達ではないかもしれません。

AERO 46 の方は Tubular なこともあって前後輪をあわせての質量 1,230g という恐ろしい数値が出ていますが、実際に履いて走ってみるととんでもなく速いです。

常用したくなるほどに気持ち良く速いのですが、私の住んでいる東京の中心部では性能を活かせる場所がないので、イベント参加に遠出する際にしか出番のない不憫なホイールでもあります。

私が活かせていないだけで Reynolds のホイールはとにかく軽くてよく回るので、加速が必要とされるあらゆる場面でも役立つ上、Lifetime Crash Replacement という保証体制が優秀なので本来はとても使いやすいものです。

販売価格が安いだけのカーボンホイールよりも、品質的にも維持費的にも安心して使い倒せます (詳細は AERO 46 の記事を見てください)。

STRIKE も構造を見るだけで AERO とは根本的に異なる性格をしていることが分かりますが、これはこれで速いんだろうなと使う場面を考えるのが楽しくなってきます。