電子工作に取り組んでいると避けては通れないものが二つあります。
一つはデータシートであり、もう一つは電気回路です。言い換えるとデータシートと電気回路図さえ読めれば、電子工作を用いて解決できる問題の数も作成できるもの種類も飛躍的に増加します。
『電気のための基礎数学』は電気回路において用いられる計算法を網羅した入門レベルの問題集です。具体的な範囲は一次方程式、二次方程式、行列式、三角関数、指数関数、対数関数、複素数、微分、積分と中学生でも理解できる内容になっています。
本書の特徴は、大学出版局の出版物とは思えないほど計算過程がていねいに示されており、また問題文に付随して与えられるヒントが豊富であるです。
電気回路について基礎知識がなくても読み進めることができるように配慮されています。
例えば、環状ソレノイドの磁束密度を求める問題の場合、本書では円周上の磁束密度の式をヒントで与えられますし、トランジスタ増幅回路の電力利得を求める問題では電力増幅度と電力利得が示されます。