石見グランフォンド 2016 / 200kmコース に参加して

iwami001

期待を持って参加した石見グランフォンド2016 の石見山塊往還コース(200km)ですが、結論から述べると、何とも煮え切らない不本意な結果に終わりました。
イベントに対する感想は、なぜ「初心者・中級者に向けたサイクリングコース(※ 公式ホームページの記載を引用)」と「制限時間に間に合わなければ足切り」となる「ハードなコース」の参加者を混ぜて同時にスタートさせるのか、の一言に尽きます。
実際にコースを走ることで、運営の方々が参加者をどれだけ楽しませようと工夫しているか凄くよく分かりましたし、サポートも手厚く、地元のボランティアの方の支援も素晴らしかったです。


DSC_0423
サポートの手厚さは今まで参加したスポーツイベント中で間違いなく一番です


30°Cに迫る気温の中、帽子一つでコース誘導を行っていた係りの方や、頻繁に安全を確認して回るサポートカーのスタッフには本当に頭が下がる思いでした。
しかしながら、制限時間追い越し禁止の制約が存在する以上、走力も参加目的も異なる2つの参加者グループが最初の約50kmのみとは言え、同時にスタートして同じコースを走るのは問題があると指摘せざるを得ません。
石見グランフォンド2016には、70km、140km、200kmの3つのコースがあるのですが、スタート地点からしばらくは全く同じコースを走ります。
このうち、140kmと200kmはスタート時刻も同一です。
140kmは「さほど厳しいコースではない(※ 開催要項の記載を引用)」ため、入門者も多数います。
一方で、200kmコースではおよそ2,000mの獲得標高のある153kmを約8時間で走りきらなければなりません。



8時間以内に所定のエイドステーション(チェックポイント)に辿り着けない場合、大会の目玉となる三瓶山ヒルクライムに挑戦する事ができなくなるためです。
しかし、スタート時の列の後方に並ばざるを得なかった為、出遅れた200kmコースの参加者は、イベント終了まで遅れを取り戻す事ができません
何故ならば、スタートからほぼ50kmの並走区間には、大会ルールで指定された追い越し禁止区間工事区間車線狭小区間が連続するためです。


iwami003

iwami004

iwami008


しかも、スタート時の並び順はコースによる区分や平均時速の自己申告等によるものではなく、当日、会場に到着した順番です。
このため参加者の多くが、およそ150km先にあるエイドステーションを目指し、制限時間に間に合うよう集団を形成して先へ先へと進む間、後方に並んだ参加者は追い越し禁止区間に阻まれて、ただ待つ他にありません
ようやく自分のペースで走れるようになった頃には、完全に取り残されて、前にも後ろにも誰もいない状態になります
ゴールまでたった独りで走り続けなければなりません。
これを回避するには、最初からチームで参加する事ですが、誰もが県内や近県から集団で参加しているわけではありません。
加えて、スタートでの出遅れにより、日中で一番暑い時間帯(10:30 – 15:00)にヒルクライム区間が重なる事が、追い打ちを掛けます。




私がロングライド(ファンライド)イベントに参加するのは、自分と実力の拮抗している見知らぬサイクリストと協調し、助け合いながら共にゴールを目指したいからであり、普段は行けないような有名な(ヒルクライム)スポットを実際に走ってみたいからです。
後者は一人でも不可能ではないですが、前者は恵まれた環境になければ普通は実現できません。だからこそ、安くもない交通費や参加費用を支払ってでも、多くの参加者の集まるイベントに積極的に参加する訳です。
今回の石見グランフォンドでは、そのどちらも実現できていないのが(190kmとは言え)完走しきっても何の充足感も得られなかった理由です。
2016の200kmコース自体は特に厳しいということもなく、奥多摩で峠を2つ、3つ超えられる人であれば、難なくクリアできます。
過去には石見高原林道などの厳しい区間がありましたが、今回2016のコースは部分的に勾配15%があるぐらいでセグメント全体が激坂として認定されているような難所はありません。
事実、140km/200kmコースの分岐点となる第2エイドステーション到着時点で、200km参加者の後ろから10%以内に入っていた私の周辺の参加者でさえ、誰一人として足着きや押し歩きなどしていませんでした。
熱射病による頭痛と悪心により120km地点で完走を捨て、そこから先は安全に帰還する事しか考えずにノロノロと走っていた私でさえ、終わってみれば平均時速21.8km/hで走りきれていたぐらいの普通のコースです。
来年はどうかスタート時間や並び順を改善して頂きたいです。
それでも、どうしようもない場合は、参加者様の方で集合時間の1時間以上前に来るなどの対策を行ってください
私とみかんさんは、6時の会場集合時間よりも10分以上は前に来たにも関わらず、既に手遅れで最前列から遥か後方に並びました。
GPSによると実際にスタートしたのは、スタート時間の7時15分より遅れること14分の7時29分でした。
追い越し禁止区間で道が空くのを待ち続け第1エイドステーションに着いた時には既に長蛇の列ができていました
私たちは第1エイドステーションと第2エイドステーションでは、補給食の受け取りを諦めて素通りしました。
列に並ぶ時間が惜しかった以上に、早く自分のペースで自由に走りたかったからです。



山岳区間を抜けて、200kmコースのみの最初のエイドステーションに入る手前で、私は向い風を物ともせずに突き進んでいく参加者の大集団とすれ違いました。
あと10分早く到着していれば、あの集団の中に入れたのに…
近年、あれほど悔しい思いをした事は他にありません。
エイドステーションに到着した私は、そこで自分が参加者全体の後方から10%以内に入っていることを知ります。
あれだけ抜いてきて、ほとんど抜かれた覚えもないのに…
もう、その時点で私の中でこのイベントは終わっていました
それからの残り100kmはずっと独りです。
前を見ても、後ろを見ても、他の参加者は誰もいません。


iwami006


吹き付ける強い南風に抗って独りで漕ぎ続けるうちに、熱さで頭が痛くなってきたので、走行を放棄して木陰に逃げたり、道の駅で飲み物を口にしながら現実逃避を始めました。
頭痛や悪心がしてくるぐらいなので、せっかく準備したサプリメントも何の効果もありません。
開始前と走行中に6錠も飲んだのに、遅れを取り戻すために必死で踏み続けているうちに何度も攣りました。
完走も既に興味がなく、リタイアするには余りにも遠くに来過ぎてしまったという理由で、ただ帰ることだけを考えて力を入れずにゴールまでノロノロとペダルを回し続けました。
私の石見グランフォンドはこうして終了しましたが、200km、140kmコースともに来年はもっと参加者が増えて欲しいと願っています。
その方がスタート時間を分ける事がより現実的になるというのも理由の一つですが、サイクリングイベントに参加する事は楽しく、一人きりで走るよりもずっと学べる事が多いからです。
集団走行の作法からハンドサインの出し方、ブレーキのタイミングまで教えてくれるのもイベントです。
石見グランフォンドは特にスタッフのサポートが手厚く、コースも山あり、川あり、海ありと変化に富んでいて、参加者を楽しませるように細部まで考え込まれています。
追い越し禁止などで急かされることもないので、見方を変えれば、初めてのロングライドに最適なイベントに成り得るポテンシャルがあると断言できます。


DSC_0426


来年、参加される皆様は、ぜひ大会の規定や注意点を知った上で、精一杯楽しんでください。
スタッフの皆さん、手厚いサポートをありがとうございました。

飛行機輪行とパンク修理・出雲空港から久手海水浴場まで


羽田から出雲までの続き

石見グランフォンド2016の受付会場は久手海水浴場です。

出雲空港から久手海水浴場に行くには、国道9号線を真っ直ぐ 46km ほど直進すれば良く、初めて島根県を訪れる人でも特に迷うことはありません。

出発直後に Garmin デバイスの電池が尽きてパニックになりかけましたが、幸いにして出雲市斐川町に出店していた EDION で Mini USB ケーブルを購入できたので事なきを得ます。

川を越え、市街地を超え、左手に湖(神西湖)が見えた頃から徐々に登り基調になっていきます。

出雲市内の道は、舗装状態こそ非常に良かったのですが、そこかしこに小石が転がっているのが危険でした。

特に市街地の交差点付近は酷く、グラベル並みにスリップが危惧される箇所も幾つか散見されたほどです。

不思議なことに、山道の雰囲気に近づいてくると、道路上の落石も気にならない程度に落ち着きます。




市街地が途切れ、道の両側に緑が増えて、いよいよ峠越えの始まりかというところに来ると、不意に視界が開けて海が見えました。

どうやら、道の駅キララ多伎という施設に到着したようです。

空港でドリンクを補充できなかったのと、そばだけではカロリー不足だったので、ここで一時休止しして、出雲たこ焼きを試食してみることにしました。

遠くに見える島根半島の山影が独特の風景をつくります

たこ焼きなのに、タコだけではなく、エビやホタテが入っています。

道の駅を出て、海伝いにしばらく西進していくと徐々にアップダウンが始まり、やがて大田市に入ります。

出雲市街地から徐々に舗装状態も良くなくなっていくのも印象的です。

大田市と出雲市の境界あたりで追い抜きざまに幅寄せしてきたトラックを避けたところ、段差に乗り上げてリム打ちしました。


リム打ちなど恥ずべき事ですが、今回は飛行機輪行でタイヤの空気を抜かねばならず、まともに空気圧管理をできなかった事が仇となりました。

いつもはレンタカーなどでホテルまで直行してしまいますので、何気に屋外でRoad Morphを使う初めての経験になりました。

幸いにしてトレッド面やサイドウォールに損傷はありませんでしたが、イベント開始前から貴重なチューブを一本失ってしまいました。

しまなみ街道や筑波りんりんロードの様なサイクリングスポットであれば問題ありませんが、それ以外のイベント会場ではフレンチバルブ仕様のインナーチューブを現地調達できない事が殆どです。


パンク修理を終え、東側から登りきった坂を西側へと下っていくと、そこがもう久手海水浴場への入り口でした。

ホテルにチェックインするには早過ぎる時間だったので、会場受付の入り口辺りを彷徨っていたところ、新山口方面から来ていたみかんさんに声を掛けられました。

全くよく見つけたものです。

続き 石見グランフォンド 2016 / 200kmコース に参加して

飛行機輪行とパンク修理・羽田から出雲まで

石見グランフォンド2016に参加するため、早朝7時に羽田空港から出雲へと飛び立ちました。

15日は西日本各地でサイクリングイベントがあったのか、14日の羽田空港は朝から飛行機輪行用のハードケースの輪行袋を抱えた人が大勢いました。

その中で、私だけは、いつも通りのソフトケースの輪行袋で手荷物として自転車を預けます。

飛行機輪行だからと言って、やり方は鉄道輪行と変わりません。

繊細なアルミやカーボン素材のフレームではこうはいきませんが、耐久性重視でクロモリフレームと手組みホイールを選択しているので、気にせずに預けてしまいます。

日本航空でスポーツ機材の取扱規程に変更があったのか、空港到着後の手荷物の受け渡しは、スーツケース同様にベルトコンベアの上を流れてくるようになっていました。

少なくとも去年までは職員からの手渡しだったのですが、今回は行きの出雲空港でも、帰りの羽田空港でも、ベルトコンベアの上を流れてくる輪行袋を自分の手で回収しました。




その後、空港で朝食を摂ります。

7時10分発の飛行機に乗るために5時に家を出たきり何も口にしていないので、ここで何かカロリーを摂取しておきたいところ。

空港内の飲食店はモーニングトーストと割子そばのみ注文可能だったので、味見を兼ねて後者を選択します。


しじみの味噌汁と冷水が非常に美味しかったのですが、肝心のそばの方は、関東で見られるそばとは異なる独特の麺類といった印象。

何故か2段重ねになっており、食べ方がよく分からずに困惑しました。

そばではなく「割子そば」という独自の食べ物という認識を持って、一度は食べてみる価値があるかもしれません。
食事が済ませたら、自転車を組み立ててイベント会場まで出発します。

続き 飛行機輪行とパンク修理・出雲空港から久手海水浴場まで

Contact Us