「初めて買うスポーツ自転車ならクロスバイク」と言われる理由

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私が初めて購入したスポーツ自転車はクロモリのロードバイクでした。

といっても大昔ではなく2013年頃の話で、各自転車メーカーのラインナップにはアルミやカーボン素材のバイクもありましたし、ミニベロやクロスバイクといった車種も普通にありました。

当時の私は博士課程の大学院生で京都の鴨川のすぐ側に住んでいました。

川沿いの道を下って行くと三条大橋があり、南座があり、伏見稲荷大社があり、やがて下鳥羽から桂川に沿って大阪まで続くサイクリングロードがありました。

この道を楽に走れて、なおかつ、そこそこの荷物(カメラや着替え)が運べて、長く使える自転車が欲しくなり、ランドナースポルティーフに興味を持ちました。

専門店に行ってランドナーが欲しいと相談したところ、ランドナーは重くて遅い上に、タイヤが26インチと特殊なので、クロスバイクにしておいた方が何かとストレスが少ないかもしれないと教えられました。

この当時は、クロスバイクが何なのかも良く分からず、「オフロードも走るならクロスバイクが良い」、「いずれロードバイクが欲しくなるので、最初からロードバイクが良い」という言説があるのを見聞きしていた程度でした。

またロードバイクのキャリパーブレーキやクロスバイクのVブレーキよりも、ディスクブレーキの方が雨天時の制動力が高いらしいので、取り回しを考えればシクロクロスグラベルロードという選択肢も有りなのではないかと混乱しました。

今だから言える事ですが、ロードバイクとシクロクロスは純粋に競技用の自転車で、日常使用では不便な事が多いです。

当たり前の事である為か、わざわざ言及している方も少ないのですが、自分が初心者だった頃には区別がよく分かりませんでした。




レースで勝つ為に耐久性を犠牲にして軽量化を行っていたり、担いで運びやすい特殊な形状をしていたり、大会の規定を守りつつ勝利する事のみを目的に設計されています。

グラベルロードはロードバイクやシクロクロスと似たような形状をしていますが、上述の規定に縛られない分、自由に設計ができるようです。

最近、登場した車種で、私もまだ良く分かっていないので今回は割愛します。

これらの3車種は10万円以上の値段が付いている事が一般的です。

対して一般的なクロスバイクの値段は5万円以上になります。

初期投資の金額を低く抑えられ、日常に使える程度の実用性を持ち、サイズ選びも他の車種ほど厳密に行わなくても支障はない。

クロスバイクを選んでおくと失敗する事が少ない、失敗しても通勤や買い物などの日常用途に使えなくはないと言うのが初心者にクロスバイクが勧められる一番の理由だと思われます。

クロスバイクの次にロードバイクが勧められる理由も、一般道を走る事が目的となっている場合にロードバイクである事のデメリットが殆どないからでしょう。

舗装状態の良い日本 (海外に行くと痛感します) に於いては、悪路走破性は殆ど必要ありませんので、楽に長距離を走れるロードバイクに人気が集まるのも理解できます。

ユーザーが多い為に部品が手に入りやすく、整備性が良いと言うのも大きな理由でしょう。

私がロードバイクを購入した理由も同じです。

ランドナーやスポルティーフを探しても大阪の大きな店舗に行かないと実物が拝めなかったり、自分の身長にあったサイズがなかったり、ロードバイクに対する利点が輪行時にハンドルを外せる事ぐらいしか思い当たらなかったりで、それならロードバイクで良いかという事でCRNを選択しました。

多数派のアルミにしなかった理由は、疲労限度の事を考えると、どうしても材質的に信用できなかったという研究者の悪い癖、CRFにしなかったのは色が気に入らなかったからと言う極めて個人的な理由です。

関連: ロードバイクを2台も買った理由と運用方法

ロードバイクの鍵について考える2

前回の続き
ロードバイクに鍵を掛けるのは、主に休憩時の盗難を予防する為です。

自転車はどこで盗まれるのか
以下のサイトを眺めると、ロードバイクが盗まれる場所に一定の傾向があることに気がつきます。

まず気がつくのが鉄道の駅周辺での盗難です。

盗難マップを参照する限り、路上であろうが、有料駐輪場であろうが、鍵を幾つ付けていようが、どれだけ郊外の駅であろうが、駅の周辺に駐輪している時が最も盗難される危険性が高いと覚えておいて間違いはなさそうです。

鉄道の駅から離れたところで発生した盗難事件を選択的にサンプリングして見ると、自宅大学等の施設の駐輪場での盗難が目立ちます。

おそらく前者の多くが一般に「目をつけられていた」と呼ばれるケースで、後者は条件的に鉄道の駅と同じと解釈できます。

もちろん、全ての盗難事例が報告されている訳ではありませんが、実際にどのような場所、条件下で自転車が盗まれるのかを知っておく事で、持ち主として被害を減らす対策は取れそうです。

郊外ならワイヤーロックで十分?

ロードバイクの鍵の選択が難しいのは、山間部に位置する飲食店や郊外のホームセンターでの一時的な休憩でも盗難被害の報告がある為です。

状況報告から見て、どの事例もおそらく自転車から離れて30分以内に鍵を切断されて持ち去られているようです。

前回の記事の最後に一種の割り切りと書きましたが、盗難被害の事例がある以上、ヒルクライムスポットのような山間部であろうとも、ワイヤーロックさえあれば絶対に安全という訳ではないことが分かります。

複数人で出かける際も、一つの鍵で複数台のロードバイクを連結するよりも、交代で見張りを勤めるつもりで私は参加します。

一人で出かける際のロードバイクの鍵

あくまで私個人の意見ですが、本気で盗難対策を行うのであれば、SAIKO LMX-6ABUS 410程度のU字ロックは必要不可欠であると考えます。

丹沢や筑波山などヒルクライムに赴く場合やイベントに参加する場合には小型軽量のU字ロックを2つ持参するぐらいが妥当でしょうか。

重量があると登坂や自走での帰還に支障を来しますので。

 

既に中古市場での転売価値が毀損されているエントリーモデルであれば、衝動的な犯行のみを予防できれば良いと考えますが、組織的な犯罪者集団への対策を考えると究極的には一人では何処にも出かけられなくなります。

その日毎に盗難リスクと装備品のバランスを見て判断できるようになりたいものです。


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和田峠にて


ロードバイクの鍵について考える1

走る事だけを考えた場合、ロードバイクに鍵は必要ありません。

実際に私は皇居の周りを周回する時には、走行記録用の携帯電話だけを持ち、サイクルジャージとヘルメットに身を包んで手ぶらで出掛けます。私の家のある四谷から半蔵門までは直線距離で2kmもないので、何かあったとしても歩いて帰って来れば良い訳です。

もう少し遠出するとなると、どうしても休憩が必要となりますので、そこで初めて鍵の事を考えなければなりません。

Raleigh CRNでは、長らく斉工舎のシャックルロックLMX-6のみを着けていました。


斉工舎(SAIKO) シャックルロック SAIKO LMX-6 241175001

ブレーキ等の一部のパーツこそ自身で105に換装してますが、基本的にはTiagraグレードのエントリーロードです。ホイールも完成車に付いてきた鉄下駄をそのまま数千kmほど乗り潰してきたものですので、今更、積極的に狙われる事もないだろうという判断で、二重ロック等はしていません。

運が良いのか、U字ロックが効いていたのか、今まで盗難被害にあったことはないのですが、この鍵単体だけでも1kg弱の重さがあります。さすがに大きくて重たいので、走行距離が20km、30kmと増えて行くと徐々に腰にダメージが蓄積していくと同時に、何でこんな物を持ってきたんだろう?という疑念が常に頭に浮かんできます。

緊急時に駐輪しなければならない時だけは持っていて良かったと思うのですが、そもそも駐輪すること自体が滅多になく、それ以外の時間はただのデッドウェイトにしかならない訳です。

持ち運ぶにしてもリュックか、S2サドルバッグが必要になり、機動性の良さが失われます。

このS2サドルバッグもシャックルロックと一緒に購入しましたが、走り込んでいるうちに持ち物が減り続け、U字ロックと一緒に使わなくなりました。

走行距離にして3,000kmを超えた辺りから、U字ロックを止め、Mighty Guardを取り入れました。


クロップス CP-D3SHW 4×1800mm マイティガード コイルワイヤー シルバー

フロントディレイラとチェーンを固定して、自転車を転がせなくしてしまうというユニークな鍵です。付属で付いてくるワイヤーロックの方は芯が入ってないので処分して、自前のチェーンロックと組み合わせています。


ABUS(アブス) 1500/110 RED

これは結局のところU字ロックは必要なかったと言うことではなく、走行場所やスタイルが変わったので、それに合わせて鍵を見直した結果です。

以前はそれこそ河原町御池といった京都市の中心街や東京都内の有料駐輪場、休日となれば横浜や八王子といった市街地に一時的に駐輪することが多かったのですが、昨今は走る事を目的として走る事が多く、場所も都市部や観光地よりも郊外に赴く事が多くなりました。

こうなると優先されるのは、堅牢性よりも携帯性に傾きます。

しかし、これはあくまで、既に数千kmを走ったエントリーロードだから可能な一種の割り切りであって、より高価なモデルについては、それほど単純にはいきません。

続く

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