ルネッサンスの街アウグスブルクへ

スイスでの用事を終えた私は金曜日の夕方に合わせてドイツのミュンヘンに飛んできました。

空港に到着すると同時に目と耳に飛び込んでくるドイツ語が心地よく、ユーロ表記に安心感を覚え、ああ、いいわ、落ち着くわと、しばらく一人で不審者のごとく感慨に耽ります。

結局、スイスではドイツ語が通じたり、通じなかったりと最後までよく分からないままでした。南部のイタリア語地域やアルプスには興味を惹かれますが、スイス・ドイツ語圏のZurichなら個人的にはドイツの方が好きという理由で現地の様子レポは割愛します。どっちにしろ、1日ではよく分かりませんし。

ミュンヘン空港の到着ロビーを出ると出迎えに来てくれていた友人夫婦の顔が見えます。

彼らと一緒に夕食をとって駅まで車で送ってもらった後は、REに乗ってアウグスブルク (Augsburg) を目指します。ドイツの列車は乗降時の段差と走行時の揺れが気になりますが、車体が大きく開放感があるのがとても良いですね。




乗り込んでから30分もしないうちにアウグスブルクへと到着しました。

ここに何があるのかと言えば、実は要件の一つすらありません。ただ友人がいるので合間の週末に会いに来たというだけです。

しかし、初めて訪れる街を見物しないのも勿体ないので、彼女と一緒に翌日は市内の中心部を散策します (いつものタイトル詐欺回収)。




西ドイツの街の幾つかはローマに起源を持ちます。アウグスブルクはその中でも特に規模の大きな拠点であった事、中世にはフッカーと共に反映した金/銀細工職人に溢れ、マルティン・ルターが活版印刷を行い、ベルトルト・ブレヒトが生まれた場所で、大規模な空爆で甚大な被害を受けた事など、長い歴史に由来する豊富な歴史遺産に溢れる街だという事が少しの散策からでもよく理解できました。

残念ながら、こうした解説はドイツ語でのみ記されているので、知らずにいると容易に見落としてしまいます。




街自体の歴史だけでも十分な情報量がありますが、アウグスブルクの面白いところは姉妹都市まで誇らしげに展示してしまう点です。

オーストリアやドイツだけでなく、デンマーク、ハンガリー、米国、インドネシア、ヴェトナムと様々な国のいろいろな街を巡りましたが、これだけ力を入れて姉妹都市のPRまでやっているのは今までに目にした事がありません。

新宿御苑の桜でPRされている高遠町 (伊那市) はともかく、ベルリンのTiergarten (Mitte) や北京の东城区は新宿区民ですら言われないと姉妹都市である事に気が付かないというのに、ここでは友好都市の紹介から交流の経緯、寄贈された記念品まで詳細に整理、展示されています。

寄贈品もなかなか凄いものが集まっていて、例えば日本の尼崎市/長浜市からは本物の着物や琴などが贈られています。



一通りの散策を終えたら買い物に出かけます。

最近はそうでもなくなって来たようですが、ドイツの休日は客商売の店舗にとっても定休日となるため、平日や土曜日のうちに買い物に出かける事が一般的です。

この日も翌日の朝食のほか、彼女の好きなアクセサリや書店を見て回ります。

私にとっては文句なしに最高に充実した時間です。

残念ながら楽しい時間は長くは続かず、まもなく食事をとって帰路に着く時間となります。

私は普段は全くビールは飲まないのですが、飲食店で見つけた Cola-Weizen の組み合わせが余りに面白かったので、勢いで注文してしまって呆れられたりしました。

歩きやすいウォーキングシューズを探して

6年ほど使用していたビジネスシューズを出張中に壊してしまったので、使わないと思っていたランニングシューズを履いて帰国しました。ランニングシューズは軽い上に通気性もよく、クッション性に富んでいて、飛行機の中でも快適そのものでした。

これぐらい歩きやすくフォーマルな格好にも似合う靴はないものかと、出張から戻ってきた私はまず最初に新宿の小田急百貨店に向かいました。




2年前にも小田急百貨店で靴を購入した気がしますが、因果関係としては百貨店に来ると靴を買いたくなるではなく、靴を買いたくなると百貨店に来るという方向が正解です。

正確な知識を持つスタッフと信用は安さよりも遥かに重要です。

最初はフォーマルな服装に合わせやすく快適という評判のランウォークという日本製のシューズを探していたのですが、残念ながら私の足に合うサイズの在庫がありませんでした。

同じメーカーのペダラシリーズも軽くて滑りにくいのは大変よかったのですが、靴底やソールが柔らかくて私には合わない気がしました。

いろいろと試し履きしてみた結果、最も装着感が合ったのが ROCKPORT のトータルモーションというモデルを購入するに至りました。


ROCKPORT ビジネスシューズ トータルモーション

このタイプのシューズでは共通する事ですが、素材に本革を使用していて一見すると革靴と区別がつきませんが靴底が運動靴のようになっています。

そして革靴よりも片足あたり 50g から 60g ほど軽量でクッション性も高いという特徴があります。

同じ靴を履きっぱなしで歩き回る出張の際には、もうこれ一足あれば良いという気分です。


履き心地が一般の革靴とは異なるので忘れがちですが、アッパーは本革製なので日帰りできる距離であるのならば、シューキーパーを入れて隔日使用する方が長持ちさせる事ができるのは間違いありません。


CEDAR GREEN シューキーパー レッドシダー 木製 メンズ 天然木

私の場合は、こちらを使用して保管しています。

香港の切手は自販機で買おう!カルチャーショックいろいろ

香港観光に一切の興味がなく基本的に湾仔を離れることのない私ですが、自ら率先して訪れる場所は幾つか存在します。

現地の図書館と書店、スーパーマーケット、服飾専門店、自転車屋、そして郵便局です (時間があれば大学のキャンパスも)。

これは香港に限らず世界中どこを訪れても変わる事はありません。

訪れる理由は現地の生活や流行が垣間見えるのが単純に面白いからであり、後半に行くに従って自身の趣味が強く反映されています。




一言で要約すると私は知らない土地を訪れたら、その土地の書店やブティックや自転車ショップを訪れたり、現地からポストカードを送るのが好きなのです。

特にポストカードについては10代の頃から互いに送り合っている相手が20人近くおり、一番付き合いが長い友人とは12年も続けていたりします(幼い時から転勤族で1年毎に居住地が変わっていたため)。

そうした理由から自由時間ができると習慣的に郵便局へと足が向きます。

今回も例外ではなく、湾仔の域内に位置する Gloucester Road Post Office にやってきました。Revenue Tower という高層オフィスビルの2階にあります。

香港では初めて訪れる郵便局ですが、初見では窓口が3つに分かれている事に驚きました。そこに東京の新宿郵便局はおろか、待ち行列の長かったニューヨークシティの Canal Street post office よりも多くの利用者が列を成して待機しています。

幸い最も行列の長かった支払窓口と比較して、切手や郵便物の専用窓口の行列はその時点での利用者の3分の1程度でしたが、香港の郵便局は一人当たりの対応時間がとにかく長く、待てども待てども一向に行列は短くなりません。

窓口の約10m手前には「ここからの待ち時間25分」と言った内容の立て看板がありますが、たかだか10mぐらいの人数にそんなに掛かる訳がないでしょうと高を括っていたら、実際には窓口に到着するまでに40分以上もの時間を要しました。



待ち草臥れてようやく到達した窓口では Octopus Card での支払が可能でした。

日本への郵便料金はアメリカ、カナダ、ドイツまでと同一。ロシアがそれよりも10セントばかり高かったのですが、郵送距離としてはカナダやドイツよりも短くなるはずなので理由はよく分かりません。逆に台湾は他の宛先よりも低料金でした。

日本の郵便局では窓口で預かってもらえますが、香港では切手だけを渡されるので自分で貼り付けてポストに投函しないといけません。この辺りは台北と変わりません。

台北の場合と違うのは、香港の郵便局ではポストの横に自動販売機があって切手が売られている事です。

1時間近くも並ぶ必要性なかったのか… 比較的珍しい切手の自動販売機に驚くよりも、互いにメリットがあるにも関わらず、訪ねても教えてくれなかった香港人に失望して撮影する気持ちになれませんでした。

自分で訪れた後だから言える事ですが、ポストに入らない大きな荷物でないのであれば Postage Calculator で予め料金を計算してから、郵便局の外にある自動販売機で切手を買って自分で貼って出した方が懸命です。

場所は変わって地下鉄の駅構内でも、現地の生活が垣間見える面白いものが見つかります。

1月中旬の夜でも当然のように気温が20℃もある香港では、猛烈に寒い日は気温が14℃まで下がります (という注意を促す広告が地下鉄の駅構内に張り出されています)。

この時期の東京においては一番暖かい日になれそうですが、私の短い滞在期間中にも日中に26℃なんて表示がでる香港では考えられないほど寒いという評価になります。

この他にはイギリスを始め、アメリカ、カナダ、オーストラリアと英語圏の国々への留学を促す広告が至るところに貼られているのが、香港らしくて興味深いです。

それも語学学校や旅行会社の広告ではなく、よく眺めてみると広告主はなんと British Council でした。日本ではほとんど見かけませんが、香港ではそれだけ海外留学が当たり前なのかもしれません。



日本から来るとさらに不思議に思うのは、普及価格帯のショッピングモールが見当たらない事です。

ハノイやジャカルタなどの東南アジアの諸都市には海外旅行者を対象とした高級ショッピングモールがあったりしますが、香港にあるのはそうしたモールをより一層高級化させたようなショッピングセンターです。

展示された商品を眺めてみると、当たり前のように千ドルを超えるプライスタグが付いています。

そうした高級ショッピングセンターや Central (中環) のブティックには本物のブランド品がある一方で、街中の個人商店では本物とは思えない、しかし、堂々とブランドマークが付けられた靴などが平然と売られています。

そのどちらもが観光客の方を向いているようで、現地の住人が何処で何を買っているのかが未だに不明瞭なままです。

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