スマホ一つで荒川散策 100kmライド

荒川サイクリングロード沿いの名所として名高いのは榎本牧場ですが、実は私は未だに一度も訪れた事がありませんでした。

そもそもの荒川自体、私の家から東京都心を挟んで反対側に位置している為、サイクリングロードに至るまでの一般道が混雑していて危険である事が容易に予想され、実際の距離以上に心理的に距離感を感じます。

あくまでも心理的なものなので、例え往復の距離が160km超で獲得標高が2000mを超えるような奥多摩でも、道中の信号が片手で数えるほどしか存在しなければ何の苦痛もありません。

しかし、路上駐車と信号停止に溢れた狭い車道では、僅か10kmの距離でも苦痛でしかありません。

そうして敬遠し続けてきた荒川ですが、いざ走行してみると、これがどうして非日常的な光景に満ち溢れた素晴らしい道でした。




東京都内の区間は道幅の広いだけの多摩川といった趣で面白いものは何一つありませんが、埼玉県に入り朝霞水門を越えると展望が良くなり、徐々に開放感が感じられるようになります。

そのまま進み続けて右岸のサイクリングロードが途切れる地点、秋ヶ瀬橋から左岸に渡った先には、これまた自転車乗りに有名な彩湖があり、自販機や公衆トイレなどの貴重な休憩施設があります。

サイクリングロードとしては一度ここで途切れてしまうように見えますが、左岸の秋ヶ瀬公園内の通路を経て川上の方角まで続いています。

ここから北側の景色は住宅地の合間を抜けて走るような都内の道や多摩川サイクリングロードとは全くの別物です。

遮る物の何もない平地に果てしなく広がる空が待っています。

新宿三丁目交差点から僅か38kmで、この光景に出会える事に感動すら覚えます。

自転車に乗っていて楽しいのは、こういうところですね。

そこから更に10kmほど進むと、目的地の榎本牧場への案内看板が見えてきます。



訪れた人の話を聞いている限りでは東京から気軽に訪問できるような気分になりますが、Garmin計測で新宿三丁目交差点から約50km、戸田橋 (板橋区舟渡3丁目・国道17号線) から約33kmの走行距離がありましたので、それなりに遠いです。

秋ヶ瀬公園より先では自販機が散見されますが、河川敷には補給ポイントもほとんど存在しませんので準備はしっかりとされてから目指された方が無難です。

4月末にしては高めの24度の外気温の中、こだわりのヨーグルトジェラートを美味しく頂きます。

用事もなければ、この後に秩父山系の峠を訪れたいところなのですが、東京を訪れている台湾人の友人との夕食の約束を控えているので、早めに折り返して日没までに帰宅します。

来ようと思えば隙間時間に自走で来て、帰れてしまう、そんなところが荒川の魅力なのかと思い直しました。

三浦半島では東京湾の水も透き通る


三浦半島は東京から南の方角に60kmから70kmほど離れた位置にあります。

神奈川県の横須賀市、三浦市、葉山町、逗子市などに相当しますが、過密で単調な景色の続く関東平野の南端にありながら、ここだけ別世界のように非日常感あふれる光景が広がっています。

海峡に断崖絶壁、無人島に白い砂浜に透き通った青い海に米軍基地と何でもありです。

四国や瀬戸内海の島の光景と偽っても誰も疑わないような漁村の風景と美しい海岸が東京のすぐ近くにあると言うだけでも感激ですが、都市部の人口密集地帯でありながらバイクラックの設置が多く、サイクリストの受け入れ態勢が整っている事には驚愕するばかりです。

横須賀市・うみかぜ公園

横須賀市・観音崎灯台

横須賀市・観音崎公園

三浦市・城ヶ島大橋

鎌倉市・由比ヶ浜


私は東京から自走で訪れましたが、三浦半島は鉄道網が発達しているので輪行でのアクセスも容易です。

横浜という大都市の近隣で居住人口が多い事に加えて、東京湾の防衛上の観点から重点的に交通網が整備されてきた経緯によるものでしょう。

三浦市の南端を除いては好きな地点から出発できると同時に、天候の悪化や機材トラブルの際には最寄駅から即座に撤収できると言う利点にもなります。

名物は三崎のマグロやシラス、横須賀では基地や米軍に因んだカレーやハンバーガー、逗子や葉山、鎌倉などの著名な観光地に出れば、有名店には事欠きません。




注意点としては、とにかく自動車が多過ぎるの一言に尽きます。

半島の急峻な地形ゆえにトンネルが多かったり、時折、斜度10%に迫る坂が現れるなどアップダウンがそれなりに (一周のみなら獲得標高1,000mぐらい) ある等の気をつけるべき点は多々ありますが、最大の問題の前には些細な事に過ぎません。

限られた狭い道路に居住者と観光客の自家用車が集中しますので、道中では終始バイクや車の真後ろを気を遣いながら走行する事に徹する事になります。




私が訪れた日は風速が11m/sに迫り、強風波浪注意報が出されるくらい南風が強かったのですが、それでも海岸線以外では排ガスの臭いが衣類に纏わり付くほど車が多く空気が悪いものでした。

その臭いたるや、東京の副都心、それも国道沿いに住んでいる私からしても気分が悪くなる程の強さです (そして海岸線に逃げれば、強風に乗った砂つぶがアイウェアの隙間を縫って吹き付けてきます)。

ただし改善策もない訳ではなく、観光客の自家用車やバスが動き出す時間帯を避けて、輪行で早朝から乗り入れてしまったり、冬の閑散期を狙って訪れれば不快感や危険性を大幅に低下させる事ができます。

上述の通り、三浦半島は東京近郊とは思えない程の非日常感と絶景に溢れていますが、その多くが駐車困難な海岸沿いに突如として現れますので、自転車で訪れる価値は大いにあります。

車では気づかずに通り過ぎてしまう地点にこそ、本当に美しい絶景が広がっていると言う土地柄と考えて間違いありません。

練習用ホイールを自分で組む・非対称リム編

私が練習用に使っているのは手組ホイールですが、スポークテンションを限界近くまで上げて石見グランフォンド太魯閣ヒルクライムといった本格的なヒルクライムで何度も酷使し続けていたらスポークが切れました

切れてしまったものは仕方がないので、自分でスポークを張り替えて再利用します。

自分で組むのは面倒なのですが、転居によってホイールを組んでくださった馴染みのショップから500kmも離れてしまったので止むを得ません。

せっかく組み替えるからには、この機会に後輪専用のオフセットリムを採用します。公称 (カタログスペック) 450g のDT SWISS RR440 シンメトリック 700Cというリムです。

実測値はこの通り。たいへん精度が良いですね。

先日まで利用していた MavicのOPenProリム と比較して 15g ほど重くなってしまいますが仕方ありません。

この新しいリムと先日まで利用していた Dura-Ace ハブで後輪を組みます。

先に述べたようにホイールを組むには正しいスポークの長さを知っていなければならないのですが、DT Swiss Spoke calculator を使うとほぼ正確な長さを自動で推定してくれます。

DURA-ACE FH-9000とRR440の組み合わせで、スポーク本数28本、編み方は2クロスを選択すると左が 287.3mm、同じく右が 285.2mm と算出されますので、ショップでこの長さにスポークを切って頂きます。

スポークの種類は星工業のHOSHI #15 ストレートと悩みましたが、もともとDTというメーカーが好きなのとリムにもDT製品を採用しているので、今回は DT Swiss Champion 1.8mm を選択します。


重量は左右ともに 84g でした。長さが微妙に違う割に重さが同じというのも妙な気がしますが、計測器の方が精度が出ていない可能性もあるので参考程度に見ておきます。

ニップルには特に拘りがないので、整備性を考えて付属品の真鍮製を使います。

こちらは1つ1gという具合で、重さから数を推定する場合に便利ですね。

部品が揃いましたら、えいやっと組み上げてしまいます。

何度かホイールを組んでコツを掴んでしまえば難しい事はありませんが、振れ取りは何度やっても大変で時間が掛かります。

この段階からオフセットリムの効果は出ているようで、上下左右の振れをとってホイールのセンターを出してやると、ドライブサイドのスポークテンションが 95kgf 、ノンドライブサイドが 85kgf あたりに落ち着きます。



例によって精度が出ているか不明ですが、PARKTOOL スポークテンションメーター TM-1で計測して、Wheel Tension App に測定値を入れてやると簡単にスポークテンションを求められます。

軽さを犠牲にしても非対称にした甲斐がありますね。

ところでこの非対称リムですが、ノンドライブサイドと呼ばれる左側にリムを寄せます。

下の画像のような他の完組ホイールがあれば、それを参考にすれば良いのですが、リム本体には向きが記載されていないので注意してください。

ここまで組んで見て、リムテームとタイヤを装着し、3本ローラーに乗せてクランクを回してみます。

どこかしらに問題があるかと思いきや、普通にホイールとして使えてしまいました。

意外なほど、あっさりと組み上げられてしまいましたが、ちゃんとホイールとして機能していることに自分自身が驚きます。

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