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渋峠は東京から日帰りできるのか – 思いつきで高速バス輪行

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ロードバイクに乗っていると一度は名前を耳にする憧れの場所というものが存在します。

国内であれば『しまなみ海道』や『乗鞍岳』などが有名ですが、国道日本最高地点として名高い『渋峠』もその一つに数えられます。

しかし遠く憧れる存在というだけに多くの人が住む都市部からのアクセスには若干の難があります。

最寄りの大都市である東京から訪れる場合、Google Mapのルート検索では新宿駅から渋峠ホテルまで距離にして209km、移動時間は関越自動車道を利用しても3時間45分ほどと表示されます。

自家用車で早朝に出発して日没後に帰宅する事を考えれば日帰りできない事もありませんが、始発時刻のある公共交通を利用して輪行する場合には時間的な制約はやや厳しくなります。


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鉄道でアクセスする際の最寄駅は渋峠ホテルから約33km離れた『長野原草津口駅』となりますが、土曜休日運転の特急草津号を除いては東京 (上野) からの直行便はなく、しかも、その草津号が人気で混雑するらしいので輪行に向いているとは思えません。

特急を利用しない場合はJR吾妻線を利用することになりますが、吾妻線は単線で列車の運行本数が限られている上に高崎または渋川駅にて乗り換えが必要となる事から、こちらも輪行に適しているとは言い切れません。

そこで遠距離輪行の強い味方である新幹線の利用を考えます。北陸新幹線を利用する場合の渋峠の最寄駅は約50km離れた『長野駅』、または約60km離れた『軽井沢駅』です。

東京からの乗車時間は約2時間と短く、輪行時に面倒な乗り換えもありません。

山道を無理なく60km走れる走力のある方なら新幹線輪行が最もストレスなく「日帰りで渋峠」を実現できる方法かもしれません。




とは言え新幹線は乗車料金も高いですし、駅から目的地までの距離が長いので現地の土地勘がなければ利用を躊躇してしまいます。

長い移動距離の途中でのトラブルや機材の故障、天候の悪化などを考えると気軽にという訳にはいきません。

そこで私は高速バスを利用して渋峠の麓の草津温泉に直接、乗り付けてしまう方法を試験的に採用してみました。

ジェイアールバス関東が運行している『上州ゆめぐり号』は東京の新宿駅から群馬の草津温泉に向かう高速バスですが、2017年4月現在、有料手荷物として500円の追加料金を支払う事で折りたたみ自転車を持ち込むことが可能です。


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『上州ゆめぐり号』であれば新宿駅を 8:05 に出発して草津温泉バスターミナルに 12:12 に到着できます。

始発電車や新幹線と比べると時間的な余裕は少ないですが、その分、到着地点から目的地までの移動距離が圧倒的に短い、出発時間も遅くする事ができる、運賃も新幹線に比べて割安 (通常期の事前運賃 3,450 + 有料手荷物 500 円)という長所があります。

短所としては、どうしても飛行機輪行のように荷物を預けなければならない事です。検証のため、私はカーボンフレームの FELT F7 をいつもの輪行袋 ロード220 に包んで預けましたが、破損や盗難に対する補償はありません。


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私が利用した際には空いていた事から他の乗客のスーツケースとは別のトランクに入れて頂いた事もあり、特に問題はありませんでしたが、坂道などでは少しだけ不安になる事もありました。

利用してみて嬉しかったことは高速バス中にUSB充電器が設置されていた事と終点の草津温泉バスターミナルにコインロッカーが用意されていた事でした。



これで常時携帯している CP-R10S を温存できますし、登山時に輪行袋を持たずに済みます。

帰りの終バスは輪行できる新宿路線が 17:30 が最終便となりますので、新幹線を利用しないで日帰りする際には5時間弱で渋峠に登って草津温泉に戻ってくる必要があります。


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それがどれ位の難度かですが、距離20kmにして獲得標高1,000mぐらいの長い峠道を90分ぐらいで登れる実力があれば、国道最高地点や渋峠ホテルまでは時間内に行って帰ってくる事は (機材トラブル等が一切なければ) おそらく可能です。

それが難しい場合には長野側に降りて終電の遅い新幹線で戻ってきたり、自家用車やレンタカーでより早い時間に現地入りした方が無難なことは間違いありません。

私の場合、実は現地でスマートフォンが故障するトラブルがあった影響で、(地図や交通機関の検索ができず、最悪、自走で山越えして帰宅するつもりで脚を温存しながら) ゆっくり登ってきましたが渋峠ホテルまでは余裕を持って到着する事ができました。


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実際に実行して見たところ、東京から日帰りで渋峠をヒルクライムして、その日のうちに輪行で帰ってくる事は不可能ではありませんでした。

不可能ではありませんでしたが、草津温泉や榛名山などの名所を全て無視して急いで帰ってくることになった為、本音を言えば1泊2日以上の日程で周辺を巡りたい気持ちになりました。

おすすめできるかと尋ねられれば、「正直、おすすめはしません」と答えますが、憧れの渋峠に輪行でも日帰りで行ける事が分かったのは収穫です。

渋峠の詳細はこちら

スマホ一つで荒川散策 100kmライド

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荒川サイクリングロード沿いの名所として名高いのは榎本牧場ですが、実は私は未だに一度も訪れた事がありませんでした。

そもそもの荒川自体、私の家から東京都心を挟んで反対側に位置している為、サイクリングロードに至るまでの一般道が混雑していて危険である事が容易に予想され、実際の距離以上に心理的に距離感を感じます。

あくまでも心理的なものなので、例え往復の距離が160km超で獲得標高が2000mを超えるような奥多摩でも、道中の信号が片手で数えるほどしか存在しなければ何の苦痛もありません。しかし、路上駐車と信号停止に溢れた狭い車道では、僅か10kmの距離でも苦痛でしかありません。

そうして敬遠し続けてきた荒川ですが、いざ走行してみると、これがどうして非日常的な光景に満ち溢れた素晴らしい道でした。




東京都内の区間は道幅の広いだけの多摩川といった趣で面白いものは何一つありませんが、埼玉県に入り朝霞水門を越えると展望が良くなり、徐々に開放感が感じられるようになります。


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そのまま進み続けて右岸のサイクリングロードが途切れる地点、秋ヶ瀬橋から左岸に渡った先には、これまた自転車乗りに有名な彩湖があり、自販機や公衆トイレなどの貴重な休憩施設があります。

サイクリングロードとしては一度ここで途切れてしまうように見えますが、左岸の秋ヶ瀬公園内の通路を経て川上の方角まで続いています。

ここから北側の景色は住宅地の合間を抜けて走るような都内の道や多摩川サイクリングロードとは全くの別物です。


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遮る物の何もない平地に果てしなく広がる空が待っています。

新宿三丁目交差点から僅か38kmで、この光景に出会える事に感動すら覚えます。

自転車に乗っていて楽しいのは、こういうところですね。

そこから更に10kmほど進むと、目的地の榎本牧場への案内看板が見えてきます。


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訪れた人の話を聞いている限りでは東京から気軽に訪問できるような気分になりますが、Garmin計測で新宿三丁目交差点から約50km、戸田橋 (板橋区舟渡3丁目・国道17号線) から約33kmの走行距離がありましたので、それなりに遠いです。

秋ヶ瀬公園より先では自販機が散見されますが、河川敷には補給ポイントもほとんど存在しませんので準備はしっかりとされてから目指された方が無難です。

4月末にしては高めの24度の外気温の中、こだわりのヨーグルトジェラートを美味しく頂きます。


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用事もなければ、この後に秩父山系の峠を訪れたいところなのですが、東京を訪れている台湾人の友人との夕食の約束を控えているので、早めに折り返して日没までに帰宅します。

来ようと思えば隙間時間に自走で来て、帰れてしまう、そんなところが荒川の魅力なのかと思い直しました。