ポケットに収まる三脚 Manfrotto MP3-BK がとても良い

写真を少し勉強してシャッタースピードや絞りを意識するようになると三脚が欲しくなります。

カメラを手で持つとブレるような夜景、雨や流水のような動きのある被写体、あるいはシャッターリモコンを用いた集合写真など、三脚が一つあると撮影表現の幅が大きく拡がります。

ところが高機能で安定した三脚ほど携帯性が悪く、携帯性を重視した三脚は耐荷重の点に不安があるものが多い事から、ミラーレス機で運用できて日常的に持ち歩ける丁度良いものを探すのはそれなりに大変です。

鞄を持っていないときにはポケットに入るぐらいの大きさが望ましいので、折り畳み式の小型三脚でも大き過ぎると感じることも少なくありません。

そんな私が携帯性と耐荷重のバランスを考慮して使用しているのが Manfrotto MP3-BK です。



Manfrotto ミニ三脚 POCKET L ブラック MP3-BK

薄いのでポケットにも収納できます

重さは80gに満たない程度

付けっ放しでも機動性が損なわれる事はありません

この三脚の良さは薄く、軽く、カメラに装着したまま運用できる事に加えて、重たいレンズを装着したミラーレス機にも問題なく使用できる事です。

その肝心の最大荷重は何故かパッケージには書かれていないのですが、米国の Amazon.com には Supports up to 1. 7lbs (771g) という表記があります (1lbはおよそ450g) 。

日本の Amazon.co.jp を見ると 耐荷重: 1.5 kg と書いてありますので、いきなりカメラ1台分ぐらい数値が乖離しているのですが…

どうやら メーカーによると カメラ本体でおよそ770g、レンズと合わせて1500gぐらいまで使用できるようです (どちらの表記も間違いではない様子)。

”Perfect for entry level DSLRs”と謳っているように入門用の軽量な一眼レフでの使用を想定しているのでしょう。

一眼レフと比較したら、レンズも本体も小さなミラーレスなら何の問題もなさそうです。

軽い単焦点レンズとミラーレスの組み合わせなら800gもありません

雲台というか台座の部分は金属製、脚の部分は樹脂製で耐久性はそれなりにありそうですが、こればかりは年単位で使用してみないと分かりません。




使用していて不便に感じるのは、カメラ本体に装着したままストラップでぶら下げていると、体とぶつかって三脚の向きがずれる場合がある事です。

他の三脚同様に適当なコインを使ってネジを緩めてから、向きを修正してあげないと製品寿命が短くなりそうに見えます。


どうでも良い事ですが2つのダイアルはそれぞれ製造年と月を指します

これ一つで何でもできる訳ではありませんが、ミラーレス機で運用することを考えると私の知識の及ぶ限り現状では唯一の選択肢ですので、とても重宝しています。

液晶画面のチルトやバリアングル機能と合わせると本当に使いやすいです。

川越はサイクリングロード至近の観光地

自転車で気持ちよく走ることを意識していると、自然と車や人通りの多いところを避けて、ダムや峠のあるところを目指すようになります。

危険な追い越しや急停止の回数をなるべく減らして、快適に走り続ける事がそもそもの目的ですが、山間部の綺麗な水や空気、非日常的な緑と青の景色、ヒルクライムの達成感を知ってしまうと、次第に山の中を走り抜ける事が病みつきになってしまいます。

反対に最も目的地として縁がなくなっていくのが (山間部の避暑地や温泉街を除いた) 観光地です。

唯でさえ人が多く集まる上に、(地形的な理由や旧い街並みを保全しているために) 一般的に道が狭小で、駐車場から溢れ出た自家用車の渋滞が常態化しているところも少なくありません。

東京都内の市街地と同様に、真っ先に走行経路から除外したくなるところがほとんどです。

そんな観光地、しかも道の入り組んだ城下町でありながら、例外的に自転車でも行きやすい場所が小江戸の愛称で知られる川越です。

行きやすいどころか、サイクリングロードを走っている間に自然に到着してしまうのですから驚きです。



荒川サイクリングロードを北上し、大宮付近の河岸工事を避けて左岸から右岸に渡ると、いつの間にか入間川サイクリングロードに迷い込んでしまうものです。

その入間川サイクリングロードの入り口に立って、周辺の案内図を確認すると2つの事に気がつきます。

1つは知らないうちに川越市に既に到達している事、そして、もう1つは川越の伝統的建造物群保存地区の近くまでサ
イクリングロードを経由して辿り着ける事です。

荒川と入間川の分岐点辺りは歩行者も自転車も通行人は疎らなので、上述のような危険と混雑を避ける目的で通行を忌避する必要性もありません。

せっかく辿り着いたのであれば、機会を利用して川越の街を訪れて見るのも一興です。


サイクリングロードで市街地の端まで近づいたら、自転車を降りて押し歩きで街中へと入ります。

街中に入って直ぐに気がつくのは、伝統的な木造と近代 (≠現代) 建築の入り混じる独特の景観です。

京都よりも会津若松を彷彿とさせますが、その面積も密度も立派です。

歯抜けのように駐車場に変わる事ない様から、街自体を保全しようと努めている川越市民の不断の努力が伝わってくるようです。

有名な観光地でも、寺社の門前町を除いて普通の市街地となってしまっているところも多いので、市街地そのものが往時のままに保全されている事に新鮮な驚きを感じます。




メインストリートと思わしき通り (大正浪漫夢通り) を南から北に抜けると仲町観光案内所が見えてきます。

どうやら保存地区、ヨーロッパで言うところの旧市街の中心地は、さらにその先にあるようです。


北に進んで到着した木造建築の密集する商店街で河越抹茶のジェラートを頂きます。

伊藤園のペットボトル『狭山茶』から得た知識なのですが、狭山茶の栽培が盛んになったのは川越藩に由来するらしく、茶も立派な川越の特産品であるようです。

この人通りの多い商店街ですが、残念ながら歩行者と同様に車の通りが多く、保存地区であるためか歩道もほとんどありません。

こういうところこそ、月に数回、週末の昼間だけでも良いので、車両進入禁止の歩行者天国とした方が良いと思われるのですが、実現していないところを見ると、それによる不都合の方が大きいのかもしれません。

初めて訪れた川越ですが、質も量も想像以上で散歩するのに楽しいところでした。

クロスバイクでも都内から十分に往復できる距離なので、自転車で訪れて駐輪場を利用し、博物館や商店街をじっくりと見物してまわるのも良いかもしれません。

新緑の奥多摩は美しい。30度超の真夏日は秋川の清流で涼をとろう。

東京では今年初めての真夏日となった5月3週目の日曜日ですが、暦の上ではまだまだ初夏は終わっていません。

初夏と言えば山の木々が生命力に溢れ、空の青とコントラストを成す、ヒルクライムが最も楽しい時期です。

一年のうちでも最高の時期に最高の天気が重なる日曜日。たとえ予想最高気温が30度を超えていようが、これで山に登らなければ自転車に乗っている意味がありません。

東京の副都心に位置する私の家から奥多摩の山までの移動距離は約80kmほど。移動時間に直すと片道4時間弱なので、午前中の隙間時間に自走で行き帰りするには午前4時以前に出発する必要があります。

そうした理由から早朝3時台に家を出て、朝焼けの中を五日市まで進みます。

こんな時間にも関わらず、23区内では高速バスに工事車両にタクシーにと交通量が多過ぎて極めて不快な気分になりますが、調布まで我慢を続けて一般道を抜ければ、僅かばかりのランナーを除いて他に何も目に入らなくなります。

更に進んで八王子の市街地を過ぎてしまえば、その後は快適そのものです。


目的地に早く到着するのは良い事ですが、今日の目的地は夜間通行禁止です。

早く到着しすぎると通行できないという問題が生じますので、奥多摩周遊道路が開門する午前8時に到着できるよう、秋川の河畔で写真でも撮りながら時間を合わせます。




予報では真夏日ですが、午前7時を回ったばかりの檜原村の気温は14度。ひんやりとした空気が心地よいです。

しかし、ここまで来ても車の往来が多く、改造車の威圧的な排気音が雰囲気を台無しにする事に気がつきます。

元より多かった自動二輪車はともかく、これほどまでに多くの車が行き来する道であっただろうかと記憶との齟齬に悩みます。

都民の森は良いところですし、従来は有料道路だっただけあって走りやすいのですが、四輪の自家用車が大挙して押し寄せるようになったら、まともに走る事すらできなくなってしまうのは他の山道と何ら変わりはありません。

もしそうなってしまったとしたら、残念ながら今後は走行ルートから除外する事も検討しなければなりません。


程なくして都民の森に到着しましたので、売店で軽い朝食をとって、風張峠へと登ります。

ここに以前に来た時には、苦しくてフロントインナーで軽いギアを必死に回す事しかできませんでしたが、アウターのままダンシングで登る練習をしたり、バイクがブレないように意識して修正する余裕がある事に自身の成長を感じます。

次は速く登れるように更なる練習を重ねなければと決意を新たにします。

気分的には更に奥へと進みたいところなのですが、自宅から80km超も離れた奥多摩 (風張峠までなら90km超) でそれを行うと、容易く1日消費コースとなってしまいます。

通行できる経路の限定されている山間部では、制限時間を正確に把握して、退き際を弁える事が肝要です。

現在時刻は午前9時。道幅が狭く、信号停止だらけの劣悪な東京の道では、このまま引き返しても帰宅できるのは正午を過ぎてしまいます。

とは言え、ここまで訪れる苦労に対して圧倒的に登りが足りてませんので、道なりに位置する適当な峠を組み入れます。



山越えを含めて100km超となる帰路に対して簡易な朝食だけでは心許ないので、檜原村役場前のたちばな屋さんで美味しいラーメンを頂きます。

陽が昇るに連れて気温も大幅に上昇して来ますが、生い茂った新緑の葉の木陰や秋川の清流が涼を与えてくれます。

檜原や奥多摩の道は大部分が秋川の渓流と並走していますので、少し道を外れると滝や湧水が現れます。

観光案内図に載っているような知名度の高いものから、名前があるのか不明なものまで多々ありますが、共通しているのは水が透き通っていて美しい事です。

こんな真夏日にはこの清流があるだけでも価値があると思えてくるものです。

気温はその後も上昇を続けますが、何とかそれをやり過ごしながら山を降り、向かい風に抗って川を下り、午後一の車の通行の少ない時間を狙って帰還しました。

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