米国は景気後退期に入るだろう

前回の記事で暴落時に慌てて株や債券を手放さなくても良いのではないかと書きましたが、個人的にはまもなく米国は景気後退期に入ると思っています。

各企業のEPSは下がることが予想できますので、月単位の推移としては株価は下落方向に向かうと思われます。

前記事でも述べましたが、株価はEPSの増減に影響を受けるので、EPSが大幅に減少すると思われるのであれば早めに売却してしまうことが最適ですし、横ばいまたは上昇が見込まれるのであれば放っておいて構いません。

おそらく兆候が見えてくるのは5月から6月あたりです。

というのも、米国の情報通信業界は今年の2月あたりから既に新規投資を控え始めているからです。

その影響が顕在化してくるのが3か月から4か月後と見込んでいます。原因はもちろん関税ではなくてAIバブルの終焉です。

現在の米国経済を牽引しているのは世界的に圧倒的な競争力を持っている情報サービス産業ですので、この分野の成長鈍化は米国経済そのものの停滞に繋がる可能性が高いと見ています。

統計データを見ると2020年以降の過去5年間、情報サービス産業のGAFAM5社の株価は S&P 500 の500社の時価総額全体の約20%を占めてきました。

直近の2024年にはNvidiaとGAFAMの6社だけで S&P 500 の時価総額の30%を占めるほど株価が急上昇しています。

それだけ米国の情報サービス産業の成長に期待を寄せる人々が多かったということです。

世界中からニューヨーク市場に資金が流れ込み、米国ドルと株の価値を押し上げてきました。米国の消費者に支えられる東証もドル高円安の恩恵を受けて高値を維持し続けてきました。

潮目が変わりつつあるのが現在です。

株価は乱高下を繰り返していますが米国ドルは急速に通貨安に向かっています。日本円、英国ポンド、カナダドル、ユーロ、スイスフランといった具合にオーストラリアドルを除いたほぼすべての主要通貨に対して米国ドルが弱くなっています。

言い換えると米国から資金が流出しています。

こうなってくると過去5年間のように米国企業が株価を上昇させ続けることは難しいと考えられますので、好むと好まざるとにかかわらず環境の変化に適応することを考えなければなりません。

ちなみに個人的には米国投資はしていません。

3年近く前に 1USD が 1EUR より高いなんて体感としてあり得ないと感じたからです。

私の肌感覚では妥当な価格は 1.00 EUR = 1.20 USD です。もしくは 1USD = 108JPY ぐらいです。

出張で米国に訪れた際に経験した物価高を考慮すると、米国内におけるの1ドルの価値は日本国内における100円かそれ未満としか思えませんでした。

どれだけ S&P 500 の成長率が素晴らしくても、こんなに割高な価格を上乗せされたら投資に対する見返りはどれだけあるのだろうかと試算してみて距離を置きました。

それが正解だったかどうかは分かりません。

適正価格になったら Cisco や Honeywell や 3M を買いたいんですけどね。

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