ZONDAで十分?普段使い用のホイールについて考える 2

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※ 本記事で言及している対象は 2015年モデル です。C17以降のモデルは考慮しておりません。


前記事で述べた通り、Zondaは多くのユーザーの支持を受けており目にする機会も多いホイールでありながら特殊な構造を持ったホイールです。

繰り返しになりますが、その特徴を理解した上で自身の使用用途や状況に適した選択をする事が、機材と良い関係を築く上では重要になると私は考えます。と申しますのは、私自身が購入前にZondaの特徴をよく理解していなかった為です。

バイクもホイールも乗り手や環境に対して向き不向きがあります。どんな状況にもお勧めできる万能のホイールは残念ながら存在しません。

評判を根拠にするよりも、ご自身の乗り方や用途を明確にしてから機材を検討する方が満足度が高く、結果的に選択した機材にも愛着が湧くという考えが本記事の執筆の動機です。

Zondaは確かに良いホイールです。しかし他人が良いと言うからではなく、自分の乗り方や使用用途に合致しているから良いと自信を持って言って頂きたいのです。




Zondaの特徴を2点挙げるとG3スポーキングとステンレス製スポークによる柔らかい乗り心地、そして同クラスのホイール群と比較してやや重たいリムと言えそうです。

それに対する私の乗り方は、コストパフォーマンスを叫びながら距離も獲得標高もガッツリ盛るというもの。東京の信号や車を避けて毎週のように奥多摩の山岳地帯を目指すヒルクライムがライドの主体となります。

そうなると物足りなく感じられるのが加速性です。反対にフレームの性質や年齢のせいもあってか乗り心地の良さが重要だと思われた事はそれほど多くはありません。

加速性はホイールの剛性と重量配分により変化します。Zondaは乗り心地が良く耐久性が高い反面、剛性はそれほど高くなくリムが重たいという特徴がここでは短所になり得ます。

リムの重さがどれほど加速に影響してくるかについてですが、仮にホイールの設計が同じならば リムで50gの重量増 は平地での発進から時速20kphに到達するまでに要する時間で5倍、ハブで50gの重量増 は4倍の差の違いになって現れると、以下の記事ではMavicのMaxime Brunandの言葉を借りて報告しています。

上の記事に出てくる唯一の数式が、α(回転加速度)= t (トルク) / i (慣性モーメント)というものですが、同じ回転加速度を得るなら慣性モーメントが大きくなる程、より大きな力が必要となる事を表現しています。

重力に逆らいながら走るヒルクライムでは、無論それ以上に重量が大切になってきます。

言い換えますと私の用途では距離を走るために耐久性の高いステンレス製スポークを選択する意味は大いにあっても、G3スポーキングという特殊な構造を持ったホイールを選択する事による恩恵は余り受けられないのかもしれません。


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むしろ回転体の外周部に位置するリムが軽量であり、Zondaよりもスポーク本数がずっと多いホイールの方が適している可能性があります。

ヒルクライムではスポークの空気抵抗が問題になるほど速度は上がらない状況が多く、それよりも剛性が高くホイールの変形量が少ない事が重要となるからです。

こうした性能だけを追求するのであれば、当然ながらカーボン素材を用いたディープリムにチューブラータイヤを組み合わせるのが合理的です。リムデプスを深くして慣性モーメントを小さくしながら同時に剛性を高める事が可能だからです。

しかし、練習用(或いは普段から履きっぱなしの日用)ホイールとしてはパンクや盗難、悪天候などへの対策面で難があり、日常では使い勝手が良くありません。

気軽に常用する為にはタイヤの入手性が良く、耐久性の高いアルミクリンチャーリムとステンレススポークの組み合わせを満たしている事が現時点では欠かせません (将来的なチューブレスタイヤの普及次第ではクリンチャーである必要性は下がります)。

この条件を満たしながら、なるべくリムが軽量で剛性が高く、なおかつ低価格なものが私にとって理想の普段使い用ホイールです。その結果、候補の一つとして手組ホイールという選択に辿り着きました。

もちろん、レースなどの本番環境では Bora Ultra を使用するので普段からG3パターンに慣れておきたいという方やZondaの乗り味や見た目が好きな方にとっては、最高の普段使い用ホイールである事に間違いはありません。

定期的にスポークを張り替えるので、通勤からレースまでアルミスポークのホイール一本で行くという考え方も否定しません。

Zondaという強烈な個性を持ったホイールから教えられたのは、機材の選択において重要なのはどのような特徴を持っているのかを知り、それをどのような場面で活かすのかを明らかにするという自明ながら忘れがちな事でした。

続く

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