辛くもしまなみ海道を縦断し、今治のホテルで一泊した我々は縦走2日目は尾道への復路を走る予定です。
しかし、自走とフェリーで愛媛県まで来て膝を痛めたみかんさん、昨晩、失踪しかけて向かい風に心を折られたフンの2人組は、早朝から既にDNF気味。
昨日の遅れを取り戻すべく、朝一番にしまなみ縦走に参加する事もなく、ホテルでのんびり朝食をとります。
午後から雨の予報だし、新幹線の終電もあるから一刻も早く出発したいんだけど(´・ω・`)
電車で帰ると主張する2人に引きづられ、嫌々、今治駅前を経由した後、2人の気が変わり奇跡的に四国唯一のエイドステーションであるサンライズ糸山(今治市サイクリングターミナル)に辿り着くことになりました。
まともなロード仲間が欲しいと思ったのは言うまでもありません。
そのままの勢いで尾道を目指すことになり、昨晩、焦りと不安を覚えながら超えた来島海峡大橋を渡り終えたところで、今度はみかんさんが見当たらなくなりました。
あの人の性格上、問題が生じれば自身で勝手に判断して行動するので、逆走して帰路に着いたものと見なして、そのまま尾道を目指します。
四国の隣に位置する大島に入った時点で時刻は既に11時20分過ぎ。
ここから60kmの距離を走り、新幹線の終電に間に合わせるには、我々には一刻の猶予もないのです。
特に問題となるのはフン。半年前に新宿と八王子を往復した80km試走の際は、巡航速度は18km/hで完走後も平然としていたのに、今回は平地わずか10km/h、登りになると6km/hを下回ると言う具合。
もはや、彼が毎週末に行っているランニングと変わりません。
この何の変哲もない普通の坂を押して歩いてきたところで、フンに話しかけました。
このまま行くと、我々は午後7時から8時ぐらいに尾道に着く。
しかし、それでは東京行きの最終新幹線に乗り遅れることになるだろう。ここは一つ、この島からフェリーで行くのは如何だろう?(´・ω・`)
もとより完走に興味のなかったフンは快諾。
我々は大島の宮窪交差点で二手に分かれてから、フンはフェリーに乗れるという友浦港を、私は尾道を目指して別の方角に走り出しました。
そこからの一人旅は快適そのもの。
ペースを抑制し、坂の上で数分間も待ち続ける苦行から解放された私は悠々自適に20kmを走り、わずか50分弱で残りのスタンプを全て回収しました。
一人なら2時間もあれば、余裕で尾道まで辿り着けます。
スタンプも集めきって急ぐ必要もなくなったので、残りの時間は観光に費やすことにしました。
尾道ラーメンを堪能し、デコポンシャーベットを頬張り、お土産を眺めて、先に離脱したみかんさんと電話で談笑していると、恐ろしいメッセージが届きました。
「なんかフェリーに自転車を載せられなかったので、走ってそっちに向かいます。」
なんと、しまなみ縦走の期間中はフェリーが混雑しているので、自転車を一緒に乗船させることができないとの事。
完走後、サンセットビーチに移動して遊んでいた私は、急遽、来た道を引き返し、フンの回収に向かいます。