ARAYA – Raleigh 完成車付属ホイール AR-713を検証する

ARAYA / Raleigh の完成車に付属するホイールについての情報がないので自分で調査してみる事にしました。

名称について AR-713 と仮称していますが、これは正確にはリムの名前です。厳密には AR-713リム と Tiagra-4600ハブ を用いて組まれた名称のない手組みホイールです。

CRN付属品では AR-713 のリムに Tiagra ハブと台湾の CN SPOKE 製のスポークを採用して前後輪ともに32本の3クロスで組まれています。

この立派な部品構成と構造により、私が粗雑に扱っても全く壊れる気配のない、恐ろしいぐらいの頑健性と耐久性を持ち合わせています。




しかし、述べ 10,000km 以上も走行 (ほぼ3本ローラーでの使用) したことにより良い感じに消耗してきたので、この機に分解して各部品の質量を測定してみました。

ホイール全体としての質量はタイヤ、チューブ、リムテープを全て外した状態で前輪が 918g 後輪が 1,105g ほどありました。

前輪 918g

後輪 1,105g

リムテープは前後ともに 19g でした

質量の計測を終えたら、マイナスドライバーとニップル回しを用いてニップルとスポークを外していきます。

目視で分かるぐらいに横振れが出ていたので、テンションは計測しません。

スポークプレップらしきものは見当たらないこともあってかニップルは緩みやすいようなので、テンションも計測するなら購入直後に行わなければなりません。

ニップル自体は重さから推定しておそらく真鍮製です。

スポークは非磁性のスチールで太さ 2.0mm の丸型。長さは29.0cm。後輪はまた左右で変わってきそうです。

このスポークなのですが、その太さもあってか恐ろしいぐらいに丈夫です。

私が何度も分解して組み直したり、自分で使いやすい硬さまでテンションを上げてローラー台の上でスプリントに使っても切れる気配すらありません。



それを受け止める ARAYA のリムも頑丈です。

そう言えば、購入当時のCRNは路面からの突き上げや振動が凄くて、グローブ無しでは乗れたものではなかった事を思い出します。

乗っているうちに気にならなくなりましたが、あれは今から振り返ると身体が慣れたのではなく、硬く組まれたホイールのニップルが緩んでスポークテンションが下がったことが原因なのかもしれません。

そんな頑丈なリムなので質量はそれなりにあります。公称 495g に対して実測では 507g もありました。

私は日帰りのヒルクライムがライドの主体なので少し重たすぎると感じます。

反対にテントや着替えなどの荷物を積載してのライドでは、このぐらいの重さがあると頼もしいだろうということは分かります。

Raleigh CRN は完成車付属ホイールのハブまで SHIMANO 製です。

ブレーキやクランクまで非 SHIMANO 製品でコストダウンする完成車が多い中、約11万円の CRN のホイールハブにまで SHIMANO 製を使用する ARAYA / Raleigh の拘りが感じられます。

リムと合わせて相当に長く使えるようにという配慮されているのでしょう。

万年筆の選び方と魅力


筆記用具にこだわっていると稀に万年筆を購入したいと言われる事があります。

それも年配の方ではなく、20代後半の同年代に言われるのだから驚きます。

私が万年筆を使うのは学生の時分にオーストリアに住んでいた時の名残で、他の物で書くと「何となく落ち着かない」という極めて個人的な理由からです。

むしろ常用するに当たっては、圧倒的に不便な事の方が多いので、聞かれない限りは他人には勧めていません。

本当に欲しがっている人には、使う場所と用途を尋ねて、現行モデルの中から気に入ったものを選んでもらう事にしています。

万年筆は軸の太さとインクにより、使う場所や用途が異なる為です。

一般的に軸が太いほうが持ち手が疲れにくくて良いとされていますが、これらは室内(あるいは書斎)のみで用いられるものです。

外出時に持ち出さない事が、暗黙の共通認識となっています。

インクも軸内に吸入する形式のものが多いのですが、装飾性を重視したモデルではインクカートリッジを利用する事もあります。




一方、軸の細いものは、携帯性を重視している事が多く、場所を問わずに何処でも使えるものが大多数です。

コストダウンで 軸が割れてしまっても中のインクが滲み出てこないよう、吸入式を排して敢えてカートリッジインクを採用しているモデルが多い事が特徴です。

私はカートリッジインクが 割高 空き容器が多く出るので好みではないのですが、多くのモデルではカートリッジの代わりにコンバーターを装着する事で吸入式と、ほぼ同じ様にインク瓶からインクを吸入して使う事ができるようになります。

吸入式でカートリッジは使えませんが逆は可能な事が多いので、カートリッジ式でデザインが気に入った物が見つかったのであれば、即決してしまっても余り大きな問題にはなりません。

購入に注意が必要となるのは、過去のモデルを探している場合です。

ボールペンに取って代わられる以前のモデルはペン先が柔らかく、職人が手作業で仕上げた高品質なものが数多く存在するため、現行モデルよりも人気が高いものも存在します。

例によって、(ヨーロッパではよくある)フリーマーケットなどで捨て値で売られている過去のモデルを掘り出してきて、修理して使うので、私の手持ちの万年筆もほとんどが ジャンク ビンテージ物でした。

セルロイドやエボナイトなど、現在では使われなくなった素材を用いた万年筆を累積で30本は購入しました。

扱いが面倒なので、結局、その殆どを某オクで売却してしまいましたが、確かに現行モデルと比較するとグニャグニャと言えるほど、ペン先が大きく、柔らかいものが多かったのを覚えています。

この書き味に魅了される人がいるのは理解できなくもないですが、耐久性や修理の事などを考えると、現行モデルの方が遥かに気楽に使用できます。

手元に残っているのも、手放せなくなってしまったもの以外は、全て新品で購入した現行モデルです。

手放せなくなってしまうのは、使っているうちにペン先に持ち主の癖が着き、徐々に使い心地が良くなっていく為です。

私の場合、10代の頃から10年も同じペンを使用しているので、同じものを作ろうとしても作れないぐらいに手に馴染んでいます。

こうなると手放したくても、手放せなくなってしまいます。

それほど気に入っていなくても手元に残っているものは、時間が積み重なったものでもあります。

これが魅力と言えば、魅力です。

自分に適した一本を見つけて、時間を掛けて成熟させていく過程では「育てる」行為自体が楽しみでもあります。

だからこそ、最初の選択に慎重になるものですが、気に入った現行モデルを選んでおけば、大きく外れる事はありません。

反対に「有名なブランドだから」といった理由で決めてしまうと、後になって苦労する事が多いです。

カメラのレンズなどとは異なり、筆記具は中古市場が活発ではありませんので、よっぽど状態が良く、人気モデルでもない限り、オークションに流してもなかなか買い手が着きません。

好きなものを選んで、趣味らしく緩く使っていく事が、持て余さずに上手に長く付き合っていく秘訣です。

10年前ならともかく、スイスやフランスの学童でもない限り、昨今では日常的に使わなければならない場面など、まず、あり得ません。

やらなくなって実感した3本ローラーを続けるコツ

3本ローラーを購入して1年ほどが経過しました。

一時期は毎日30kmから40kmほどローラー台を回していましたが、最近では回す距離も時間もめっきり少なくなりました。

考えられる要因は幾つか存在します。

それらを明らかにする事で、ローラー練習を続けるコツが朧げながら浮かび上がってきました。

ローラー台を使わなくなった時期における最大の環境の変化は、ローラー台専用の自転車がなくなった事です。

かつてローラー台に「固定」していた Raleigh CRN を軽量化して実走練習に用いる事にした為、ローラー練習用の自転車というものがなくなりました。

実走練習とローラー練習では、必要な装備が異なります

前者では予備チューブやミッシングリンクと、それに付随する工具が不可欠になります。

後者では練習の強度や時間を測定する為の計測機器が必要です。

ローラー練習に工具は不要ですし、実走練習に計測機器は使いませんので練習の度に装飾品を入れ替える手間が生じます。

実走練習でも計測機器を用いられる方も当然おられるでしょう。

私の場合、Garminを導入するより先に Bluetooth Low Energy (BLE) 規格でケイデンス・スピードセンサーを揃えてしまったので、計測機器と言っても実走ではデッドウェイトにしかなりません。

GarminのGPS(少なくとも現行のEdgeシリーズやOregon 600)は、ANT+という通信規格に対応した各種センサーと接続できますが、BLEには対応していません。

とは言え、今更、ANT+規格で新たにセンサーを揃え直す気も起きません。

スポーツ用のセンサーにおいては、BLEの方が新参であり、より将来性(今後、新デバイスに採用される可能性)が期待される為です。

駆動部位であるホイールやクランクにマグネットを付加して重量を増やす事も生理的に受け付けません。




しかし、3本ローラーに自転車を乗せて跨ってみると、練習状況が可視化される事がどれだけ重要であったのかを嫌でも実感します。

計測器を付けないローラー練習は続きません

景色や太陽の位置で大まかな走行距離を推定できる実走とは異なり、練習量を客観視できる指標が存在しない為でしょう。

計測器があれば、時速40km/hを切らずに1時間は回し続ける、ケイデンスは90rpmを下回らないという具体的な負荷調整が可能です。

こうした具体的な達成目標を設定する事により、毎日、継続してほぼ同質の練習量を設定できる訳です。

私はさらに日々の練習をRuntasticを通じて、Twitterに自動投稿する事により、練習から逃げられない環境を作りました。

ローラー練習は向い風も、上り坂も無いもありませんが、言い訳もできません。

足を止めれば、即座に平均速度が落ちていきます。

ペダリングが乱れれば、きっちりとグラフに反映されます。

手を抜いた事実は、見る人が見れば一目瞭然です。

そこに言い訳の余地はありません。

計測機器がなくなった事で、こうした具体的な達成目標練習に対する緊張感がなくなった結果、3本ローラーの出番も徐々に減りました。

最近ではメンテナンス後の実走前テストに用いられるぐらいで、とても練習と言える量は回していません。

そこで改善策として検討しているのが、心拍計MIO Alpha 2とRuntastic Proを用いたローラー練習の導入です。

BLE規格でスマートフォンと接続する心拍計を用いて、心拍数と時間を目安にしたトレーニングを行います。

これなら実走とローラーで装備品を大きく取り替える必要がなくなります。

欠点としては距離や時速が計測できないので、具体的な練習量がイメージしにくくなる事です。

それでもセンサーやマグネットを取り付けるよりは良いので、これで試して上手くいかなかったら違う方法を模索します。