ロードバイクを3台も持つ理由 – 美しいから CANYON

ロードバイクの買い替えを決意した時から、乗りたいと思っていたバイクが2台ありました。

1つはダウンチューブからチェーンステーまでの造形の美しい TIME SKYLON AKTIV です。もう1つは無駄のないフォルムが道具的な美しさを感じさせる CANYON AEROAD CF SLX です。

どちらのバイクもシルエットだけで車種を判別できるほど特徴的な形状をしています。

そのバイクに乗りたい。

外出先で写真に収めたいと思ってしまったのが事の始まりです。

なぜ今なのか

SKYLON AKTIV はモデルチェンジにより廃盤になってしまいました。

CANYON のモデルチェンジは数年に一度なので、AEROAD CF SLX なら購入時期は来年以降でも問題なかったはずです。

直接的に購入を後押ししたのは、ディスクブレーキの普及です。

CANYON はディスクブレーキの採用に積極的なメーカーであり、新たにディスクブレーキを採用した2017年モデルも既にヨーロッパで人気を博しています。

ディスクブレーキ仕様の売れ行きと UCI の動向次第では、現行のキャリパーブレーキ仕様の存続が危うくなる可能性も無いとは言いきれません。

先のことは読めませんが、もしかしたらシンプルな形状のキャリパーブレーキ仕様の AEROAD を憂いなく楽しめる期間は、余り残されていないのかもしれません。

もちろん品質保証期間中は修理部品の心配は不要です。

しかし、将来的なことを見据えると、長く大事に乗ってあげることを考えるのも悪くはない時期に来ていると思えてきます。

そう考えると無性に新車を1台手元に置いておきたくなりました。




既にロードバイクを2台ほど所有している私にとって、3台目の新車は必要なものではありません。
必要ではありませんが、最も欲しかった1台ではあります。

2台目のロードバイクを購入する際、メーカーの混乱 ( 2015年あたりの受注システムエラーと納期遅れ ) 、フレームへの圧入BBとケーブル内装を嫌って購入候補から除外したことを後悔してきました。

2台目の教訓

私が実際に選んだ2台目のバイクは FELT F7 です。

フレームもフォークもカーボン製でありながら、JIS式のBBとケーブル外装により整備性は良好です。

ドイツ滞在時に半額以下で入手した不良在庫 ( 前年のモデル ) を持ち帰って日本で「バラ完」した為、ULTEGRA 6800 組みになっています。

整備性が良いだけでなく、走行時は1台目のクロモリバイクよりも体に優しく、加速も良いのでフレーム性能に対する不満はありません。

ただし私にとってはサイズが少し小さいのです。

だからこそ格安で入手できたので、最初から分かっていたことではあります。

普通に乗る分には問題なく乗れますし、ステムやシートポストで調整することも可能です。

そのように頭では分かっていてもダンシング時に窮屈さを感じたり、被写体として撮影している際にポジションを考えたりすると、どうしても気になって仕方がなくなってしまいます。

そうした小さな不満の積み重ねとカーボンホイールを上手く使いこなせていない現状が、3台目の購入という結果に結びついたのかもしれません。

言い換えれば、私にとっての Pressfit BB やケーブル内装のように多少の気に入らない点があっても、予算を上回るほど高価であったとしても、最初から本当に乗りたいと思っていたバイクを選べば、私のように何台も購入する必要はないのかもしれません。

もっともケーブル内装については SRAM RED eTAP ワイヤレス電動変速システム を選択すれば解決する問題です。

敢えて選択しなかった理由は、飛行機で輪行したいからです。

詳細はこちら:電動コンポの真価と機械式を積極的に選ぶ理由

結局、FELT F7 の最大の長所である整備性と乗り心地の良さとは異なる方向性になってしまった AEROAD CF SLX ですが、一つだけ共通している点があります。

意図せず選択した結果になったサテンレッド ( FELT F7 のフレームカラーはこの一色のみ ) の赤は自然界では珍しい色であり、空の青、林道の緑、雪山の白によく映えるのです。

無駄のない形状に良く似合う Stealth asphalt grey の黒ではなく、Cherrypeppar の赤を選択したのは2台目の FELT F7 があったからこそに他なりません。

今までの用途では1台目のクロモリバイク Raleigh Carlton CRN は普段の足と3本ローラーに、2台目のカーボンバイク FELT F7 は主にツーリングに使用してきました。

今後は Raleigh Carlton CRN は頑丈さとクリアランスを活かしてグラベル方面で、FELT F7 はトレーニングで激しく、CANYON AEROAD CF SLX はグループライドやイベントなどの特別な機会に使用していく予定です。

関連記事:ロードバイクを2台も買った理由と運用方法

笠間の道祖神峠ヒルクライム

日本最大の関東平野を実感できる茨城県。東京から常磐道を北上して利根川を超えると視界を遮るもののない広大な平地に圧倒されます。

見渡す限りの平地の向こうに薄っすらと見える筑波山。その筑波山の更に向こう側に位置する愛宕・難台・吾国連山の峠が道祖神峠です。

筑波山の風返し峠から県道42号線 (その名も笠間つくば線) を笠間方面に道なりに進むと到達します。

その道祖神峠を今回は筑波・石岡側からではなく、反対の笠間側から登ってみました。

実際に走ってみて実感した笠間側の魅力は練習コース、または入門者の力試しとして適当な長さと斜度になっていることです。

距離はおよそ 3.5 km にして平均斜度は 7% 程度です。

周囲の山頂の標高は 500m を超えますが、鞍点である峠の標高は約 300m 程度なのでヒルクライムコースとして長すぎるということはありません。

最大斜度は GARMIN 計測で 13.6 % あるものの、前半は 2% から 5% までの緩めの勾配が続きます。

峠に近づくに連れて斜度が増していくタイプのコースなので後半は急勾配が連続します。

交通標識にも 9.5% や 11% の注意表記が見られるように決して甘くはありません。

この峠を超えられる実力を身につければ、他の大多数の坂は乗り越えられると言い切って良い程度の激坂が短い区間に詰まっています。

しかし、急勾配区間は長くは続かないので、グッと我慢してペダルを回し続ければ峠が見えてきます。

このバランスと緩急のついた斜度の展開が絶妙なのです。

もう少し短ければ達成感が薄く、もう少し長ければ本気の山登りになってしまいます。




短所として山と山の合間を進むので展望は望めません。

また日中は車の通りもあります。

登り切っても林道の入り口が見えるだけで自動販売機などは見当たりません。



幸いにして舗装状態は悪くはなく、携帯電話の電波圏内ですので (奥多摩や山梨のヒルクライムスポットの多くと比較して) 万が一の際の対処はしやすい方です。

補給地点は約 10km 離れた笠間の市街地を最後にほとんど存在しませんので、飲料と補給食の用意を整えられてから来られた方が無難です。

北麓の笠間は笠間稲荷神社の門前町にして、陶磁器の産地にして、日本一の石切山脈を誇る御影石の産出地らしく、市街地の方に行くと見慣れないものがたくさんあります。

国道50号線などの一部の道を除いて、基本的に道幅が広くて走りやすいところが多いので、そうした名所をライドに組み合わせてみるのも面白いかもしれません。

自転車で行く横浜 – 走り込んだからこそ分かる京浜間の良さ

ふと行きたくなって東京から横浜まで自転車で行ってきました。

自転車が趣味の人にとって東京や川崎、横浜といった大都市の市街地はあまり通りたくない場所かと思います。

確かに車の通行が多くて危険な面もありますし、信号停止が多過ぎるので、走り出した直後に無理やり急ブレーキを引かされる回数も10回や20回では済みません。

渋滞に巻き込まれれば数十分は身動きができなくなる可能性もあります。

それでも走り終えて帰ってきて見ると「ああ楽しかった」と思わず口から溢れる魅力が京浜間にはあります。

そんな横浜の魅力は何だろうと、走りながら少しばかり考えて見ました。

— 横浜は美しい —

第一に横浜という目的地そのものが絵になります。

東京30km圏内においてカメラを持ち歩くことが、これほど楽しい場所は他に東京都心ぐらいしか思いつきません。

もちろん東京近郊には他にも深大寺や谷津干潟などの魅力的な土地が多々ありますし、市街地を離れて秩父や房総半島、霞ヶ浦まで足を伸ばせば雄大な光景も楽しめます。

横浜が凄いのは都心から気軽に訪れられる距離にありながら、撮影したくなるような光景に溢れていて、その種類も多岐にわたるところです。

少し考えただけでも歴史的建築物に港湾、船舶、動植物と次々に思い浮かびます。



横浜に訪れて、この景色に出会えて良かったという感じられることは、ライドの目的地として重要な要素です。

— 横浜は全国規模の都市 —

目的地に魅力があることと同様にライドに充実感を感じさせる要素が「ここまで行った・登った」という達成感です。

東京と横浜は距離にすると僅か 30km ですが、その間には品川や川崎といった東海道の拠点があります。

これらの拠点は日本全国や東海道を表した地図にも高確率で記載されているため、移動時にはただの近所の散策とは異なる日本地図スケールでの移動を意識させ、気分を高揚させてくれます。

私も初めて自転車で訪れた際には「えらく遠いところまで来てしまった」と感じたことを覚えています。




心理的な充実感と異なる面においても大都市であることの利点は多々あります。

街灯が整備されているため、サイクリングロードや山間部と比較して夜道は明るく安全ですし、コンビニエンスストアや自動販売機を探すことにも苦労しません。

国道上を進めば迷うこともありませんし、その経路上には自転車専門店もあります。本当にどうしようも無くなっても、駐輪場に自転車を停めて、鉄道とバスを使って後日回収しに来ることも不可能ではありません。

ついでに述べておくと、道路の舗装状態も全体的に良いのでカットパンクの心配が少ないこと、また首都圏にしては道幅の広い道路が多いことも利点です。

車の通行量や信号が多いので毛嫌いする人の気持ちも理解できますが、始めたばかりで高輝度LEDライトやナビ、輪行袋などの持ち物が揃っておらず、パンク修理にも慣れていない段階で目的地に設定することも、あながち間違いとも言い切れない面があります。

— 京浜間の移動は変化に富む —

単調で平坦な道は走りやすいことは間違いありません。

しかし、ローラー台のごとく、走り続けるうちに慣れや飽きが生じます。

京浜間は関東平野の中心に位置しているように見えて、国道1号線 (第二京浜) 経由で片道150m以上の獲得標高があります。

その間には多摩川をはじめとする橋梁があり、五反田の相生坂や東寺尾の響橋に代表される坂があり、浅草線やJRといった鉄道との併走区間があり、中心業務地区から繁華街、住宅地、河川敷と景色が目紛しく移り変わります。

少し道を外れれば海浜公園に国際空港、工業地帯に港湾と見慣れたオフィス街とは異なる非日常的な光景が待っています。

信号や渋滞が嫌になることはあっても、その土地に飽きるということはありません。

いろいろと書き連ねて来ましたが、都心から遠く離れた土地まで走りに行けない時間的な制約がある中でも、充実したライドを楽しませてくれる横浜の懐の深さも良いなと感じた一日でした。