OpenProホイール完全復活

西日本の某所に修理に出していた常用ホイールこと OpenProホイール ですが、修理が完了し遂に私の手元に返ってきました。修理前には真円を維持できなくなっていたリムですが、検証の結果、使用できないほど深刻に歪んでいる訳ではないので、現時点ではまだ交換の必要性は低いとの事。

スポークテンションが非常に高いまま横振れを取ろうとすると簡単に縦振れが出るので、テンションを維持したまま調整を行いたいのであれば一度分解してから再度スポークを張りなおす事が正解だという貴重なご意見を賜りました。

これはいよいよホイール組みについて習熟せねばと考えていたところ、近所で調整をお願いできるショップを作ってくださいという極めて妥当かつ真っ当な批判を頂きました。

自分で触るなとも (苦笑)

過去に何度か書いている事ですが、私が試行錯誤を繰り返しているのは馴染みのショップに通う事が不可能になった為であり、任せられるのであればそれに越した事はないだけに難しいところです。なお通う事が不可能になった理由は単純に京都から東京へと転居した為です。


メンテナンスを怠る方がかえって危険なので、あくまで自己責任と承知しつつ戻ってきたホイールの状態点検を行います。

タイヤを履かせる前に行わければならない点検作業は、各スポークのテンションとニップルの緩み、横振れ、縦振れ、そして傷んだスポークやリムのひび割れなどがない事の確認です。

実際に振れ取り台に乗せて見てみるとプロが組んだホイールや完組ファクトリーホイールであっても1mm以下の横振れがあったり、リムも完全な真円にはならない事が分かりますが、どの程度であればホイールとして許容され得るのか具体的に見て取れるので勉強になります。

縦振れはある程度まではタイヤが吸収してくれるので横振れほど神経質にならなくても良いという意見もありますが、縦振れによる上下の振動は直に乗り心地に影響を与えるので少ないに越した事はありません。

直感的に理解しやすい横振れの取り方とは異なり、ホイール全体の形状を意識しなければ解決できないのも縦の振れ取りの難しいところです。

こうしたホイール組みのコツに習熟するまでは自分で触るなという馴染みのショップ店長の意見に従い、実際に使用する全ホイールの調整はプロに任せて自らはホイール組み練習用の部品で修行を積む目論見です。

ロードに乗って花火を見に行く!夜の甲州街道ライド

ロードバイクに乗り慣れてくると、早朝に家を出て日が暮れないうちに100kmから200kmほどを走って帰路に就く事が一般的になります。

昼間の方が休憩地点を見つける事が容易という事情もあるでしょうが、より大きな理由としては自転車で走りやすい道路の多くが街灯の期待できない山間部や川沿いに立地している為、視界の悪い夜間の走行は 単純に危険だから だと考えられます。

平地でも簡単に時速30km/hに到達してしまうロードバイクに乗り細いタイヤで荒れた路面を走る事は、VOLT800のような高性能ライトと透明なアイウェアを準備して臨んでも恐怖を感じます。ましてやダウンヒルなど考えたくもありません。

そうした理由から乗り続けてスキルが上昇するほどに疎遠になっていたナイトライド。久し振りに挑戦したのは感覚を忘れない為です。

出発は午後18時。この時間になると余り遠くまでは行けないので新宿から多摩湖まで往復50kmぐらいを検討しましたが、都合よく調布で花火大会が開催されていたのでこれを目的地に定めます。

街路樹に囲まれて暗い青梅街道よりも街灯の多い甲州街道の方が安全という気がしたのも目的地の決定の一因です。ペース配分を決定するのに目的地やルートを定める事が重要なので、目的地自体は何処でもよかったりもします。

夜間の注意点は急停止に備える事と普段以上に前方に注意する事。

頭では分かっていても実際に走り始めると、高架の影に隠れて直前まで見えない路面の亀裂や左車線に強引に割り込んできて急停止する自動車の危険運転に度々遭遇し、都内を走るのは碌な事がないという事実を再確認します。

日曜の夜という事もあってか交通量は普段よりもずっと少ない点は良かったのですが、安全運転を心掛け細心の注意を払って走行していた結果、約300m置きに信号停止を繰り返す事になりました。そもそもホイールが重たいので、速度を上げようがないのですが。

心臓や脚よりも目と神経を疲労させながら甲州街道を抜け、旧甲州街道に入った辺りから花火を打ち上げる音が耳に入ってきます。

会場となる多摩川河川敷から見ると京王線の線路の反対側に位置するためか、花火大会の開催日にしては人も車も疎らな印象ですが、それなりに交通規制が行われています。

混雑を避ける為に市街地の中心にある調布駅や会場の多摩川には近づかず、少し手前 (新宿寄り) の小さな駅の入り口で自転車を降りて歩道に上がります。駅前広場まで歩いて行くと既に人集りができていました。

幸い自転車を押し歩きできないほどの混雑ではなかったので、路上の観客を避けながら空いている場所を探します。元より会場近くまで接近するつもりもなかったので、外出時なのに珍しく E 50mm F1.8 OSS という中望遠レンズを1本だけ携帯してきました。

広角とは異なり景色を広く写すには全く向いていませんが、光量が少ない夜間には重宝する明るいレンズです。

ブログ用に何枚か撮影を終えたら、他の人の邪魔にならないうちに退散します。復路は往路よりも路面が荒れていない事が救いでしたが、世田谷区に入ると路上駐車が目立ちます。突然ドアが開いたり、車を降りたドライバーが車道を歩いていたりして辟易する度に都内を走るのは…という思いがより一層強くなりました。

帰ってきてみると往復で約31km。出発から1時間30分ほどが経過していました。

日中のように環八交差点付近の渋滞に遭遇しなかった点は良かったのですが、夜間だからというよりも都内だから危険だという思いを強くするナイトライドとなりました。

走っていて楽しいのは、やっぱり早朝の山岳地帯や海岸などの人も車もいないところですね。

※ ライトは電池切れする事があるので、Volt 1200などの前照灯とFemto Driveなどの車幅灯を各2つ以上用意する事をお勧めします。私は走行中に実際に電池切れを経験した事も壊した事もあります。

荒川は遥か遠く

ランニングと3本ローラーに明け暮れている昨今ですが、休日ともなれば一人で街を抜け出して自然の中で開放感を味わいたいものです。

しかし、常用ホイールを失い、帰宅時間にも制限がある中では、思うように羽を伸ばすことも難しく、行き先の選択も保守的に皇居や晴海などの近場に限定されてしまいます。

これらの目的地は距離的に近いというだけで、そこに至るまでの道程は車も信号も多く、危険でストレスフルである事は、東京のロードバイク乗りの皆様のよく知るところと思われます。

そんな中、都内にありながら車も信号もない目的地として、思い至ったのが荒川サイクリングロードです。

東京特別区東部のどこかを流れている最も川幅の広い河川沿いにあると言われている自転車天国。

話に聞くところ、多摩川サイクリングロードよりも道幅が広い上、歩行者自転車ともに絶対数が少ないために、同じサイクリングロードでも遥かに快適という噂です (淀川と比較しても多摩川の環境が劣悪すぎるという事情もありますが)。

私は今迄に一度も荒川に行ったことがありません。

その理由はそこに至るまでの道路がとにかく信号ストップだらけで、まともに走れたものではないからです。

千代田区、台東区、江東区を結んだ三角地帯、東京に詳しい方には神田・日本橋・浅草・錦糸町と書いた方がイメージしやすいと思われますが、都心部の下町は通り抜けるだけでも辟易する程の交差点と信号があるのです。

碁盤の目のように整備された細い路地が方々に張り巡らされ、それらが交わるところにはほぼ確実に信号が待ち構えています。

しかも、この信号が頻繁に変わるので、200m置きどころか50m置きに信号に止められる区間も実在します。その拘束時間の長さと言えば、車で来ても自転車で来ても、ここを通り抜ける時間はほとんど変わらないというほどです。

はっきり言うと移動してるよりも信号に止められてる時間の方が長いです。

アクセスの悪さから今まで敬遠していた荒川サイクリングロードに、敢えて行ってみようという気分になったのは、使い易いクリンチャーホイールが全滅していたからかも知れません。

レース用のチューブラータイヤを持って奥多摩まで自走する気分にもなれませんし、貴重な晴れの休日に家に閉じこもってローラーを回しているのは余りにも惜しい。

どうせなら出かけてみよう。

そう思い立ってから70分が経過した頃、ようやく四つ木橋の袂の荒川河川敷に辿り着きました。

持ち出して来たのは、3本ローラートレーニング仕様のRaleigh Carlton Nです。

前輪は FELT 完成車に付属してくる RSL3リム & R3ハブ (レビュー未記載) という手組ホイール。後輪は ARAYA 謹製の AR-713 です。普通の完成車付属ホイールと異なるのは、スポークテンションを限界値まで張り上げてる事。

これに無印の RUBINO Slick タイヤを履かせています。

こんなローラー台用の適当な装備で、荒川峠と名高いサイクリングロードに挑んでも良いものか。

擦れ違うロードバイクの多さに若干の緊張を抱きながら、サイクリングロードに突入してみると意外にも走りやすい事に気がつきます。

多摩川と比較して舗装が綺麗で、凹凸が少なく、道幅も広い事が素性の良さを感じさせます。

ロードバイクこそ頻繁に通るものの、歩行者も自転車も圧倒的に少なく、伸び伸びと走れるのは大きな違いです。

気掛かりなのは、多摩川と比較してフットサルコートや野球場が道のすぐ真横にある事と、その近くでは関係者がしばしば道を横切る事です。

滅多にない事でしょうが、走行中にボールが飛んできた場合は避けようがありません。

またサイクリングロード一般に共通する事ですが、どこが本線なのか分かりづらく、進入路や行き止まりに迷い込む事があります。

それ以外は快適そのもので、バイク避けの障害物を越える時以外は一度も止まる事なく、時速30km/hを容易に維持し続ける事が可能でした。

非日常の開放感を堪能した後、家路につきます。

遥か遠くに見える池袋のサンシャインを目指して走りますが、一度、サイクリングロードを抜けると車の多さに爽快感が胡散霧消します。

このアクセスの悪ささえなければ。

そう思わせる荒川サイクリングロードには、また時間を変えて早朝に出かけてみたいと思います。