再び都民の森へ

ホームグラウンドと言いながら、3ヶ月ほどご無沙汰していた檜原村の都民の森へ再訪しました。

ヒルクライムレースを前に事故や故障を予防する目的で、外出を避けて専ら3本ローラーを用いた練習を行っていた事から、自ずと奥多摩とも疎遠になっていました。

レースも無事に終了したところで、再び気軽に奥多摩ライドに出かけられるように新しい経路を開拓するのが今回の目的です。




しかし、長らく実走を怠っていた為、ローラー台を回すばかりの練習で無自覚に身についた悪癖が、図らずもこのソロライドで露呈する事になります。

渋谷から246号線、多摩川サイクリングロード、睦橋通りを経由して檜原街道に入るのが今回のルートです。

夏の早朝とは打って変わって、日の出も遅くなっている事が長距離走行には辛い季節です。快晴でも気温も低く、あきる野市から檜原村に入った際には、気温計は14℃を示していました。

自走で村役場まで辿り着くと、そのまま都民の森へ向けてのヒルクライムルートに入ります。

走り慣れた道ではありますが、3ヶ月ぶりに来てみると意外と傾斜のきつい坂も多く、コースの長さと過酷さに改めて驚かされます。

それに加えての今回の寒さです。夏の間は暑さと水分不足が最大の問題でしたが、登りの途中から悴んで、力の入らない指先がブレーキコントロールを難しくします。指先を頬に当て、温めながらクランクを回して坂を登ります。

都民の森では奥多摩周遊道路に近づく後半の方に斜度10%、9%の注意を促す看板が連続して現れるので、後半になればなるほど厳しくなる印象がありましたが、久し振りに実走してみると中盤あたりの急勾配の方が厳しいと感じます。

特に上川乗交差点の先、人里の手前、数馬ヘリポート付近の登り坂では、悴む手を押さえ付けてダンシングしたくなる程に傾斜が激しいと感じられます。

もしかすると後半部分でのみ勾配を示す道路標識が建てられているのは、そこが経路中で最も傾斜が激しい場所だからではなく、自動車が通る事を想定して後天的に整備された事の名残に過ぎないのかもしれません。

厳しい檜原街道を抜けて旧料金所を跨ぐと、いよいよ奥多摩周遊道路に入ります。

ここまで来てしまえば、残りは9%の坂が延々と3km近く続いているだけなので気が楽になるところです。

いつもであれば、そう感じているところなのですが、今日ばかりは無事に帰れるかどうかが不安で仕方がありません。

長らくローラー台ばかり回していた事と、手が悴む程の寒さにより80kmほど走ってもドリンクが全く減らなかった事から、今日も一度も補給や休憩を入れずにここまで来てしまいました。

東京は郊外でも交通量が多過ぎるので、朝4時、5時から長々と信号を待って道を横断してコンビニによってなんてしたくはありません。しかし、いざ、補給が欲しいと感じたときには最寄りの店舗から 40km も離れてしまっています。

元よりソロライドでは休憩頻度が極端に低くなる傾向がありましたが、練習を止めた途端にいつでも補給できるローラー台に慣れ過ぎていて、補給のタイミングをすっかり失念していました。それも朝食もろくに摂らずに。

今から補給を行うには手遅れですが、レストランや売店のある都民の森に到着するにはエネルギー不足の状態で標高1000mまで登らなければなりません。

しかし、ここまで来てしまったからには、最寄りの売店まで無事に辿り着くのが最も現実的です。ハンガーノックの恐怖と戦いながら、省エネルギーを心掛けてペースを落とし、安全に辿り着く事だけを考えて淡々と登ります。こうしてみると、とても長い坂に感じられます。

ようやくゲートに辿り着いた際には、達成感よりも安心感を覚えます。


疲労困憊した体にコーラを流し込み、都民の森・とちの実売店さんでカレーライスを頂きます。
名物のカレーパンにあやかっての選択です。カレーうどんも美味しかった思い出がありますが、ここでカレーライスが頂けるのも贅沢ですね。

休憩の後は風張峠を越えたいところですが、出発が遅い事と午後から用事があるので名残惜しいですが引き返してライドを終えます。

本州最西の海へ

サザンセト・ロングライド2016に参加した序でに下関市の角島を訪れます。

ロングライド自体にも言える事ですが、台風接近に伴う事前の雨予報を吹き飛ばしての快晴が続きます。飛行機での移動に伴って生じる細切れの時間に最高の状況で絶景を堪能できる幸運は、自身の事ながら「晴れ属性」と揶揄したくなる気持ちも理解できなくもありません。

今回に至っては「帰りの飛行機は飛ばないかもしれない」と言われていただけに感動の度合いも一入です。



海岸線沿いを155kmも自転車で走ってきた後でも魅入ってしまうほどに、響灘の透き通った水と角島の地形は見ている者を飽きさせません。

この日は気温が29℃もあり、さながら夏場の浜辺のようでした。






2年連続!サザンセト・ロングライド 2016 に東京から参加 (3)

大会概要とスタートから第2エイドステーションまでの詳細はこちら、オレンジロードから伊保庄マリンパークまでの詳細はこちらをご覧ください。


道の駅 上関海峡・128.4kmまで

午前11時前後に到着した第4エイドステーション・伊保庄マリンパークですが、みかんさん達がゆったりと過ごしているうちに正午を回りました。

毎回の事ながら東京での週末ライドでの休憩時間の短さ (または休憩自体が存在しない事) との余りの違いに、心が急かされて落ち着きません。

走り出して道路が空いている事を確認できると平常心を取り戻す事ができるのですが。午後12時を過ぎて、ようやく出発できるようになると嬉しさに思わずギアが上がります。




ここまで来るとサザンセト・ロングライドも後半に突入します。昨2015年大会にあった田布施のゴール直前のアップダウンが経路から外された本2016年大会では、この区間が後半の山場と言い切っても過言ではありません。

皇座山の麓をかすめて熊毛半島(室津半島)を横断する経路には、昨年の大会でも1番と思われた急斜面の登り坂が待ち構えています。その勾配のきつさから、昨年は参加者の多くがロードバイクを降りて押し歩きする光景を目撃する事となった場所です。そうした光景が見られたのは160kmのロングライドの中でも唯一ここだけです。

今大会ではトラブルを見越してか、急勾配の手前に予め多くのスタッフが待機して参加者を見守っています。ここを乗り越えれば次のエイドステーションまでは長い下り坂。伊保庄の砂浜から海岸線沿いとトンネルを経て、目紛しく移り変わってきた風景が山道のそれに変わると問題の峠へと至ります。

この峠は名前こそありませんが登り始めと頂上の手前が特にきつく、瞬間的にGarminの斜度計が10%を超えるので全く侮れません。登りきった先では6%の下り坂が約2km続きます。

アウター50-インナー34のコンパクトクランクを装備していたこともあり、昨年は力づくでフロント34-リア25のギア比で回して脚を攣りそうになりましたが、峠までの経路を知っている今年は最初からダンシングで勢いをつけて乗り切ります。


峠を越えた先には第5エイドステーション・道の駅 上関があります。

ここにはレストランと物産販売店、町立図書館があるだけあって、全ロングライドのエイドステーション中でも御手洗が圧倒的に清潔です。去年も今年もここで顔と腕を洗って日焼け止めクリームを塗り直しています。

物産販売店では土産物が購入できるほか名物の甘夏アイスクリームも頂けますので、ここに立ち寄るために小銭を用意しておくのも良いかもしれません。

もちろんエイドステーションに設けられている飲料水などは無料で頂けます。2015年は河豚の唐揚げがあったような気がしますが、今年は補給食コーナーには立ち寄っていないので詳細は分かりません。

時刻は午後12時45分前後。暑いのでアイスクリームが美味しいですが、先の峠でも減らなかったボトルの緑茶が余っているので食料や水分の補給は見送ります。

柳井ウェルネスパーク・ゴールまで

第5エイドステーションを過ぎると以降は補給地点はありません。

熊毛半島の西海岸を北上し、上関、平生、田布施の熊毛3町を通り抜けてスタート地点の柳井ウェルネスパークへと帰還します。

海岸線沿いを走る上関と平生は走りやすいのですが、田布施に入ると信号や踏切を通過するので走り方を変える必要があります。昨大会ではラストスパートのアップダウンがありましたが、今年は平坦な経路でまっすぐウェルネスパークを目指します。

完走の敷居は下がりましたが、そのせいか信号ストップが増加した印象があります。

人気が出て参加者が増えている事を考えると経路変更も適切かと思われますが、継続して参加していると少しばかり寂しく感じるのはここでも変わりません。

最後まで一貫して同じペースを維持する事を心掛けながらフィニッシュラインを通過し、午後2時前後に今年のロングライドを完走しました。

今年も周防大島の絶景とエイドステーションの新鮮な果物を堪能できたのは本当に幸運でした。

これがあるから仕事も練習も頑張れると思わせてくれるサザンセト・ロングライドは、何度も参加してみても特別なイベントです。