アルミバイクに対する所感

アルミニウム合金製の自転車フレームはカーボン (CFRP) やクロモリやマンモリと言ったモリブデン鋼製のフレームよりも寿命が短いとはよく言われることです。

それに対して FRP は想定外の方向からの衝撃に弱い、鉄製フレームは自然環境で酸化して強度を低下させるので、適切なメンテナンスなしではアルミよりも寿命が短い場合もあるという意見もあり、厳密な調査データは存在しないようです。

そもそも事故や落車以外では自転車フレームはほとんど壊れることはありません。

それでも私はアルミバイクが好きではありません。

原因の一つには幼少の頃に目にした材料工学系の雑誌が適切な用途外に濫用されているアルミニウム合金に軒並み批判的だった影響を無意識に受けている可能性もないとは言い切れません。

しかし、それを差し置いても、自分の自転車を乗車中に破断させた経験が理由としては大きいです。




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白銀の長野

緊急事態宣言解除後の4月初旬。連日つづいた陽気から一転して気温が急低下したある日のこと。無性に山に登りたくなった私は長野にいました。

駅前の電光掲示板が示す外気温は4℃。天気予報では市内は -1℃ 白馬は -3℃ 軽井沢に至っては -6℃ という季節が逆戻りしたような数字が表示され、連日の雪崩注意報は撤回されて路面凍結注意報がにわかに聞こえ出します。

低温のほうが空気が澄むので悪いことばかりではないものの、さすがにこの気温と標高では路面凍結が心配です。行くかどうか少しばかり逡巡した結果、保守的に国道沿いを選べば大丈夫であろうという見込みで出立することを決めました。

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SPDペダルはロードバイクに最適なペダルなのか


ロードバイクに装着するペダルと言えば、SHIMANO の SPD-SL をはじめ Speedplay ZERO、TIME XPRO、Look KEO といったロードバイク向けの専用品が定番です。

一方で日本国内では MTB 向けの SPD ペダルの愛好者も少なからず存在するようです。総人口の3分の1が関東地方に集中し、世界でも他に例を見ないほど無秩序にスプロール現象が進行し、道路環境は途上国にも劣る日本におけるサイクリング事情はかなり特殊です。

10倍以上も人口が多い国の大都市に1千万以上の圧倒的な人口差をつけて、世界最大の都市に東京が君臨し続けていることこそが、その特殊性を物語っています。

そこで自転車を楽しむために重要となるのは、とくに道路環境の悪い市街地を避けて交通量の少ない山間地や河川道路へと赴くことです。こうした事情から自転車の車載や公共交通を利用した輪行など「自転車に乗っていないときのシューズの快適性」が日本では非常に重要になってきます。
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