海外でパスポートを盗まれた時は戸籍謄本が必要

人生で最も楽しい時間を過ごしていた先週末から一転して、今週は月曜日から大忙しです。このブログでは趣味と私生活の範疇しか扱いませんので忘れがちになりますが、そもそも出張として遥々ヨーロッパにまで来ているので、忙しくない訳がないのです。

そうした理由からただでさえ更新が滞っている最中に、日本から視察に訪れた取引先の一人がスーツケースの盗難に会うという事件が発生しました。




担当者が電話で話を聞いたところ、どうやらスーツケースが無くなったようなのですが、言葉が不自由なために最新の状況が掴めず、埒が明かないのでドイツ語も英語も日本語もできる私が指名されたとだけ伝えられて対応を代わります。

自分は同時通訳ではなくエンジニアなのに…と不本意な思いを抱きながら現場に向かったところで初めて盗難だと判明します。曰く、少し目を離した隙に誰かが引っ張っていってしまったとの事。こうした場合は盗難なので、待っていてもまず解決しません。

最寄りの警察官滞在書の場所を私が調べて、少し強引にでも被害者を連れて行きます。警察官の前で事情を話させると、警察官も「確かにそれは盗難に違いない」と書類の作成に取り掛かります。

この書類の項目には盗難品のリストが含まれていたので、被害者にスーツケースの中身を列挙させると財布やパソコン、携帯電話に加えて、パスポートも含まれていることが判明します。これは非常に不味いので、まず最初に警察官にパスポートが盗難にあったので携帯できていない旨を伝えます。

次にクレジットカード会社と電話会社の海外紛失・盗難サポート (国内向けのフリーダイヤルは大抵つながりません) に私の携帯電話を使ってサービスを停止してもらうように指示をしてから、直ぐに日本大使館に連絡するように促しました。日本大使館は日本国の組織なので、もちろん日本語が通じます。



日本大使館に電話した結果、2つの事が明らかになりました。1つは大使館は担当国の全領域を担当している訳ではなく地域によっては最寄りの総領事館に対応してもらう必要がある事。もう1つは新たなパスポートの発行には戸籍謄本の原本が必要となり、それがないとパスポートの再発行が行えないとの事。

他人事ながら恐ろしい事を聞いて、思わず今後は戸籍謄本も携帯しようかという気分になりました。

結局、数時間後に盗難品とよく似たスーツケースが発見され、その中からパスポートが発見されたので事なきを得ましたが、財布の中身すべてとパソコン、携帯電話等の貴重品のほとんどが抜き出されていました。

オーストリアに住んでいた私の常識からすると盗まれるのも理解できません (大学のキャンパス内にも物乞いが入ってくるのに目を離して盗まれない訳がない気が…) が、貴重品を一箇所に集中させるのも、現金を大量に持ち歩く気持ちも分かりません。香港でも書いた事ですが、基本的にクレジットカードで全て済ませて、カード払いのできない少額の場合のみ現金を使います。

それを改めて言わなければならない状況が悲しくて溜息が出ます。



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