真夏の北海道自転車旅 (8) さらば道東

ふとした切っ掛けから始まった真夏の北海道自転車旅も、ゆるやかに終わりを迎えつつあります。

「超大型」の台風の接近です。

あり余る資金と引き換えに時間の制約を受ける社会人として、そろそろ帰還の手段を考えなければなりません。

学生時代も毎日の研究室通いで、休暇があった記憶が微塵もありませんので、社会人になってからのほうが圧倒的に時間的に余裕ができて、身体的にも健康になっている気がしないでもありませんが。

聞いたところによると「帰りのフェリーもキャンセル待ちで、空室がなかったら函館まで移動」という綿密で一分の隙もない完璧な事前計画が用意されているため「帰りは自己責任で頑張らないと(原文ママ)」いけません。

よくよく考えてみると、行きのフェリーがキャンセル待ちだった時点で、行けるかも分からないのに、帰りのフェリーだけが確保されているわけがないですね。

そうしたわけで、ここで私ができることは大まかに3つです。




1つは滞在期間の許す限り、道東に滞在して「摩周湖ガチャ」や「知床峠ガチャ」に挑戦することです。

任意の月に連続で何日間ほど訪れれば、霧のない好天を引けるのかを概算して検証する遊びです。気象庁の過去の気象データを参照して良いものとします。

もう1つは稚内や帯広など自走で行けるところまで行くことです。

この場合、到着先からの帰還手段を考慮して、知床や根室方面は自然と目的地から外れます。

最後の1つは輪行やレンタカーで行きたいところまで移動してから、美味しいところだけを「つまみ食い」することです。

行けるところであれば、どこでも対象になりますが、時間的に半日から1日で回れる積丹半島ぐらいが調度いいです。

いろいろ、できることはあると思いますが、少しばかり思うところがあったので、摩周湖や知床峠は選択肢から外れました。

というのも、実は前日に屈斜路湖を再訪しているのです。オホーツク側の美幌は、この通りの晴天です。

ところが美幌峠で天候は一転し、屈斜路湖や太平洋側はご覧の通りの曇り空です。

ライド日和の高気圧の下でも、この曇り空なのであれば、今年の夏は台風一過を待つぐらいの日数を道東で過ごさなければ、好天は引けないのではないかと思えました。

ちなみに美幌峠は標高 493m とは思えないほど風が強く、気温も低く、樹木もエゾマツぐらいしか生育できないほど自然環境が厳しいところなので、ここだけ別世界感があります。

運良く好天時に訪れることができれば、絶景も間違いなしでしょう。

そのときは阿寒湖や知床峠も一緒に狙うことが可能なはずです。

しかし、今回はどう見ても時機ではないので、素直に道東を離脱して時機を得たところに向かいます。

さて行き先は、と。

つづく

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