防災と趣味のためにアルコールバーナーを購入

キャンプやアウトドアにおいて、湯沸かしや調理を行う際につかうものがバーナーです。

バーナーにはカセットコンロでお馴染みのカセットボンベを用いるものや、アウトドアショップなどで購入できる丸いガス缶を用いるものなどがありますが、ブタンなどを主成分とする液化石油ガスを燃料とするものが一般的です。


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アルコールバーナー、スピリットバーナー、もしくはアルコールストーブと呼ばれるバーナーは、こうした調理器具の一種であり、メチルアルコールなどを燃料にするところに特徴があります。

同じバーナーと言えども、ガスバーナーとアルコールバーナーでは燃料の保存容器などの違いなどから形状には大きな違いがあります。極言するとアルコールバーナーは「空き缶」です。

ただ、それゆえに信頼性や耐久性は折り紙付きでもあります。数週間は誰も通らないような海外の山奥に出かけるような場合でも、安心して持っていくことができます。

また液体燃料を用いるので燃料の携帯性も高いという利点があります。




このバーナー自体もカタログ上の大きさは、直径 75mm x 高さ 45mm とかなり小型です。質量もカタログスペックで 110g しかありません。

これだけ小型軽量なのに、タンク容積の 2/3 の燃料で 25 分間の燃焼時間があると説明書に書かれています(※おそらく理想的な環境において)。なお 2/3 までが適正容量ですので、燃料を継ぎ足さずに一度に使用できる時間は 25 分間までということになります。

ここで問題になるのが燃料タンク容積ですが、本体の大きさがそのまま燃料タンクの大きさに相当するわけではありません。

私も購入前は勘違いしていましたが実際には違います。

キャップを開けたときに目視できる部分の容積を V=πr^2h に当てはめてみると r=2cm かつ h=4.5cm x 2/3 として 37.7 cm3 ぐらいになるはずなのですが、これもカタログ値 (記載では約100cm3) と違いすぎますので、燃料タンクの大きさとは異なるようです。

そこで、ねじ込み式キャップの下側の部分全体の容積を外側からの実測値で大雑把に試算してみます。

直径 7cm x 高さ 3cm x 2/3 として V=πr^2h に当てはめると 76.97 cm3 という値が得られますが、これぐらいが 25 分間の燃焼に必要とされる容量の実際のところなのではないかと思われます。

バーナー本体も小型ですが、燃料も少量で済み、しかも液体なので気体のガスよりも扱いはいくらか容易です。燃料を小分けして必要分だけを持ち歩くこともできます。これが私がガスバーナーではなく、アルコールバーナーを選択した理由です。

お茶を淹れて、カップラーメンを作れるぐらいで私には十分です。ガス缶を持っていても使い切れずに持て余す未来が見えます。

燃料が液体なので好きな分量だけを持ち歩けることがアルコールバーナーの利点です。その反対にアルコールバーナーの欠点は、燃料がアルコールであることです。

アルコールバーナーを薦めている記事で、きちんと書かれているところを見たことがないのですが、燃料用アルコールは気化すると爆発する可能性があるので保管と取扱の両方を適切にできないと非常に危険です。誰も書いていないので敢えて書きます。

また安価なメチルアルコールは失明の可能性がある毒劇物でもあります。容器のラベルから誤飲される危険性もありますので、いろいろな意味で取扱に気を遣わなければなりません(念の為に追記しておきますが、プラスチック容器の多くはアルコールに溶けますので、燃料の持ち運び容器の素材にも気を遣う必要があります)。

必ずしもガスバーナーの方が安全とは言い切れませんが、ガスのほうが主流になっている現状にはそれだけの理由があります。引火の危険性も少ないですし、火力の調整も容易です。

それでもアルコールバーナーを使いたいのは燃料の調達が容易で、使用量も自分で決められ、持っていても荷物にならない携帯性の良さと信頼性に大きな魅力を感じるからです。


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サイクリングはしても良い? – 流行感染症にうつららない・うつさないために

趣味のこと以外は記述しないという方針に反し、中共のせいで何かと活動に影響を受ける今日この頃です。

ご存知の通り、China-Originated Virus こと新型コロナの感染拡大を受けての渡航規制により香港に帰れなくなったり、予定していた環島ができなくなったり、技術試験や結婚式の予定がなくなったり、そもそも取引先ごと会社もなくなりそうです \(^o^)/

私が香港を離れたのは今年の正月明けで、それから仕事でミュンヘンに滞在しつづける予定でしたが武漢や上海の様子を伝え聞いて「もう仕事にならんだろう」と2月半ばで切り上げて、強引にドイツから出国してきました。

当時は日本の感染者数が 700 人超で突出していて、シンガポールなどがそれに続き、ドイツは 16 人、フランスは 12 人、イタリアは 3 人しか感染者がいなかったため、知人、友人、同僚に本気で引き止められましたが、移民になる気もないのだから居ても仕方がないだろうと言い聞かせて出国しました。

空港では東京行きの飛行機はいつもと違うゲートに移動されたり、中国・澳門・香港・台湾との航空便が運休されているために東京便に中国人やイタリア旅行者の団体が押し寄せて、オフシーズンとは思えないほどの満席状態でした。

それにも関わらず、日本に到着してみると対策らしい対策もなしに入国できるわ、中国人が大手を振って空港内を闊歩しているわ、緊張感の欠片もなくオリンピック開催を喧伝しているわで頭が痛くなってきました。

幸いにも、私は咳も発熱も最後に経験したのは数年前のことですが、症状は無くとも感染している・他人に伝染させる可能性はありますので羽田空港を離れてから 3 週間は引きこもって毎日ピザばかり食べてました。

そうして私が自主隔離している間にも東京マラソンを開催したり、下船させたクルーズ船客を隔離もせずに自宅に帰らせたり、水際対策も何もせずに外国人渡航者を入国させて、せっせと感染者数増加に尽力しておきながら、今頃になって緊急事態を言い出している政府の方針は理解不能ですが、感染して良いことは一つもありませんので要請の有無に関わらず、他人との接触を避けることは重要です。

とくに、このサイトを閲覧されているようなランニング、サイクリング、スイミング、登山などを生き甲斐にする人にとって、重症化して肺機能の低下を伴う後遺症が残ることは死活問題に関わることですので、普通の人以上に感染に気をつける必要があると考えていただいても結構です。

不要不急の外出自粛を要請されている最中にあっても自転車を用いた運動は推奨されているようですが、電車に乗って輪行せず、コンビニにも立ち寄らず、ソロライドで日帰すれば十分というわけではなく

  1. 補給食は自宅から持っていく
  2. 自販機も素手で触らない
  3. 1回の走行距離は 60km までにおさえる
  4. 出発も帰宅も明るい時間帯のうちに済ませる
  5. よく見知った場所のみを走行する
  6. 急斜面や舗装状態が悪い場所には行かない
  7. 路面凍結している可能性がある場所には行かない

などの制限を設けて、とにかく他人との接触と予期せぬ事故(による怪我や病院利用)の2点を予防できるように細心の注意を払うぐらいで調度いいと思います。

走行距離を 60km までとしているのも、自宅を出てから一度も自転車を降りずに、安全運転で行って戻ってこられる距離がそれぐらいだからです。

これぐらいの走行時間なら集中力も途切れませんし、明るい時間のうちに出かけて、暗くなる前に帰ってくることができるという意味もあります。

暗くて視界が悪い時間帯の事故を予防し、ついでに日照前や日没後の気温変化による体調不良も避けられます。

行き先を何度も訪れたことがある場所に限定するのは、事故予防だけではなく、人がたくさんいる曜日や時間帯を避けるために必要なことだからです。

自分が感染しないためにも、もし仮に自覚なく感染していたとしても、他人に伝染させないために予防できる接触は避けるべきです。

もちろん外出せずに自宅でローラー台を用いてトレーニングを行うことが、もっとも感染リスクを抑えられることは言うまでもありません。

夏になって気温と湿度が上がれば収束に向かうと楽観視する考えもありますが、シンガポールの現地の話を聞いていると、とても季節が変われば自然と収束するようには私には思えませんので個人的には「注意しすぎるぐらいでいい」と思います。

ディスクブレーキ搭載ロードバイクへの移行時期を考える


今からおよそ1ヶ月前のこと、ロードバイク愛好家の一部の界隈に衝撃が走りました。Tour de France を走る CANYON のフラッグシップモデルが満を持して発表されたかと思いきや、昨年と代わり映えしないスペック、同一のカラーリングで発表されたからです。

軽量な万能モデルの ULTIMATE 、長距離走行に特化した ENDURACE 、オフロードも視野に入れた GRAIL と他のロードバイクが次々と更新されていくなか、唯一、数年前からマイナーチェンジに留まっていた AEROAD にも遂に NEW 表記が付いたと思いきや、中身は昨年モデルと大きく変わらなかったわけです。

期待されていた噂の新モデルは影も形もありませんでした。

もし、ここでフレーム形状が大きく変わり、ディスクブレーキを前提として設計された新モデルに代替わりしていたら、私は即決で購入していたと思います。

最新のディスクロードの性能に強い興味と関心があるからです。

キャリパーブレーキに嫌気がさしたという訳ではありませんが、まったく思うところが無いと言えば嘘になります。

ところが実際には AEROAD のニューモデルは発売されなかったので、いろいろと余計なことを考えてしまう時間ができました。

本当に今はディスクブレーキ搭載のロードバイクの購入に適した時期なのか、と。




たしかにエンド幅の規格はフロント 12mm × 100mm、リア 12mm × 142mm のスルーアスクルに統一されつつあり、さまざまな規格が乱立していて「どの規格が生き残るか」の見通しが全く立たなかった時期に比べると、現行販売されているどのモデルを選んでも大きく失敗することはなくなりつつあります。

従来のキャリパーブレーキを廃し、ディスクブレーキに特化して研究開発を進めるメーカーもあり、今後の発展や盛り上がりも大いに期待されます。

ロードバイクに興味がある人で、これから最初の一台を購入することを考えている人は、安心してディスクブレーキ搭載車の購入に踏み切れると考えても良いと思います。

問題は既に同種のスポーツバイクを一台以上もっている人です。言い換えると、急いで買い換える必要性が低い人ですね。

状況を注視していると「今すぐに乗り換えるべき」とも断言しきない根拠が幾つか見つかります。

一例を挙げると、SHIMANO が自転車安全整備士、自転車技士を対象として公開しているディーラーマニュアル (DM-RADBR01-07)です。

マニュアル中の「ミネラルオイルの交換」の項目には「リザーバータンク内の油の変色が著しい場合は、油の交換をお勧めします」と書かれているだけで図解も設けられておらず、具体的にどうやって消耗品を交換するのかさえ、資料を読むだけでは不明瞭な状態です。

こういう資料を継続的に見ていると、メーカー側も未だに試行錯誤している段階なのではないかという印象を受けるわけです。

ディスクブレーキが普及して長い年月が経っている MTB ならともかく、リザーバータンクを内蔵したロードバイク用のブレーキレバーなんて、数年前まで誰も見たことがなかったわけで、現在あるものが最適な形をしているのかさえ分からないのです。

一方で SRAM が公開しているサービスマニュアル (gen.0000000005254_rev_d_etap_hrd_service_manual) には具体的な整備方法が図解されています。

好き嫌いで言えば、個人的には SRAM は凄く好きですけど、信頼性や価格や何よりも流通量を考えると敢えて SHIMANO 以外を選択しようとは、今のところ、私は思いません。

それぐらい SHIMANO はフランスでも、台湾でも、インドネシアでも圧倒的なシェアがあり、消耗品や修理部品を現地調達することを考えると SHIMANO 以外を選択する積極的な理由が私にはありません。

SRAM は eTap をトップグレードではなく、エントリーグレードに搭載して安価にバラ撒けばおもしろいのになとは思います。

無線電動変速機に使われている部品には、サーボや 2.4GHz 帯の無線通信モジュールなどがありますが、こいつらは汎用品であれば、それぞれ $10 もしない値段から購入できるものもありますからね (下にあるのは同じ 2.4GHz 帯のBLE通信モジュールです) 。

専用通信プロトコルの AIREA を含めて、研究開発に少なくない費用が掛かっているからこその販売価格なのでしょうけれども、これを電気機械器具と捉えれば、機械式の腕時計を過去のものにしてしまったクオーツ時計のように、価格競争力や性能的な理由からロードバイクのギアシフタは無線電動が当たり前になる未来も有りうるのかな、と。

そうなったら、私は喜んで SRAM に乗り換えるかも知れません。

もっとも、そんな未来は10年単位で見ていたときに出てくる話ですが。将来の技術進歩よりも、いま欲しいときに購入できるものに焦点を定めたほうが人生は豊かになります。楽しめる時間も有限です。

ディスクブレーキ車に話を戻しますと、今すぐ購入するモデルに関してはディスクブレーキ搭載モデルならではの機能、すなわち 28C 以上のワイドリムタイヤへのクリアランス、キャリパーブレーキでは実現できなかったエアロ性能、専用設計のフロントフォークなんかを求めたいです。

VENGE などの一部のモデルを除いて、現状のディスクブレーキ車がキャリパーブレーキ車に対して明確に優位性があるのはクイックレリーズを排除できた点だけで、それはそれで素晴らしいことですが、それだけでは軽量性などの利点を捨ててまでキャリパーブレーキ車から乗り換える動機としてはあまり強くはありません。

クイックレリーズ自体は、ロードレース中の機材故障に対応するための方法が他になかった時代には画期的であったのでしょうが、その構造上、固定力は貧弱ですし、その割に固定時には腕力が必要とされますし、さらにはホイールの固定位置が一定位置に定まらないという明らかな問題があります。

そうでありながらも、あまりに普及しすぎていたために業界も消費者も当たり前のように受けいれて、運用面で対応していました。さながら電荷素量や電流の向きのように。

そのクイックレリーズをディスクブレーキの採用と同時に撤廃できたことは、ロードバイクにとっては大きな進歩であると思いますが、それだけでは訴求力が少し弱いのです。

RFC4291 において、とくに合理的な理由もなく IPv4 に採用されていた10進数が撤廃されましたが、普通にインターネットに接続している人には「だから何なのだ」という話ですね。

ディスクブレーキ前提で設計された新型 AEROAD がされれば、私は購入するつもりでいますけれども、よく言われる「雨の日の制動力」といった後ろ向きな理由ではなく、新技術を活かした差別化がなされることを望みます。

それから、コンポーネント側の整備性やモデルの継続性への不安は、何とかしてほしいですね。