飛行機輪行とパンク修理・羽田から出雲まで

石見グランフォンド2016に参加するため、早朝7時に羽田空港から出雲へと飛び立ちました。

15日は西日本各地でサイクリングイベントがあったのか、14日の羽田空港は朝から飛行機輪行用のハードケースの輪行袋を抱えた人が大勢いました。

その中で、私だけは、いつも通りのソフトケースの輪行袋で手荷物として自転車を預けます。

飛行機輪行だからと言って、やり方は鉄道輪行と変わりません。

繊細なアルミやカーボン素材のフレームではこうはいきませんが、耐久性重視でクロモリフレームと手組みホイールを選択しているので、気にせずに預けてしまいます。

日本航空でスポーツ機材の取扱規程に変更があったのか、空港到着後の手荷物の受け渡しは、スーツケース同様にベルトコンベアの上を流れてくるようになっていました。

少なくとも去年までは職員からの手渡しだったのですが、今回は行きの出雲空港でも、帰りの羽田空港でも、ベルトコンベアの上を流れてくる輪行袋を自分の手で回収しました。




その後、空港で朝食を摂ります。

7時10分発の飛行機に乗るために5時に家を出たきり何も口にしていないので、ここで何かカロリーを摂取しておきたいところ。

空港内の飲食店はモーニングトーストと割子そばのみ注文可能だったので、味見を兼ねて後者を選択します。


しじみの味噌汁と冷水が非常に美味しかったのですが、肝心のそばの方は、関東で見られるそばとは異なる独特の麺類といった印象。

何故か2段重ねになっており、食べ方がよく分からずに困惑しました。

そばではなく「割子そば」という独自の食べ物という認識を持って、一度は食べてみる価値があるかもしれません。
食事が済ませたら、自転車を組み立ててイベント会場まで出発します。

続き 飛行機輪行とパンク修理・出雲空港から久手海水浴場まで

雲取山の麓まで・石灰の町 日原街道ライド

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JR青梅線の 奥多摩駅 は、多摩川渓谷と日原川の合流する地点にある氷川町というところにあります。
この氷川町から青梅街道を西進すると奥多摩湖や甲府、東進すると青梅駅や新宿の靖国通りへと至りますが、ここで青梅街道を逸れて日原川沿いに北上していくと東京都の最高峰・雲取山 (標高2,017m)への登山道へと続いています。

上の地図の 都道204号線 がそれで、日原街道 という通称があります。
今日は檜原側から風張峠を越えてきたので、青梅街道の西側から氷川町に入り、交差点を左折して日原街道へと入ります。


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日原街道に入ると直ぐに集落が途切れて登り基調になり、2車線と1車線の区間を交互に繰り返します。
急勾配的な辛さは余りありませんが、明るくなったり、薄暗くなったりを繰り返すので、目や脳が疲れを感じます。



奥多摩湖では立ちはだかる無数のトンネルに視界を奪われましたが、こちらは南側に位置する山の陰と森林に展望を阻まれる印象です。
檜原に比べて街道沿いに家屋が少ない事に加えて、この薄暗さが物寂びさを覚えさせます。


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道中では観光客や登山客を満載させたバスや自家用車と幾度も擦れ違います。
自家用車のナンバーも庄内、野田、足立、川越と、どう見ても地元のものではありません。



もしかしたら多摩や八王子ナンバーは地元の方かもしれませんが、ほとんどは観光客のものでしょう。
というのも、この日原街道は途中で行き止まりとなる一本道で、最奥部には観光地として有名な 日原鍾乳洞 が控えています。
それにしては公道というより、林道、あるいは舗装された登山道のような景色が延々と続きます。


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さらに進んでいくと見慣れぬ青い道路標識「警笛鳴らせ」が出現しました(嬉)。
ロードバイクを購入して以来、初めて見ましたよ、この標識。
道路交通法で指定されているので仕方なく装備している 不要、無意味な 自転車用ベル を初めて使用する時が遂にやってきました。
チン!
はい、おしまい。
やっぱり、こんなもの必要ないんじゃ。



世にも珍しい標識を超えて進んでいくと、これもまた珍しい1km超の歩道付きトンネルが現れます。
このトンネルは奥多摩町の他のトンネルほど路面は荒れていませんが、長すぎて反対側の出口が見えません。


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長い暗闇に目が慣れた頃にトンネルを抜け、更に登り続けると、急に視界が開けて明るい山岳集落が出現します。
ここが山岳信仰と石灰の地・日原です。
同じ奥多摩町なのに氷川(奥多摩駅前)や川野(奥多摩湖畔)などの青梅街道沿いとの地理的な断絶が凄まじく、自販機どころか民家すらない山道を通ってくるだけに雰囲気は抜群です。


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下を見ると谷底まで転げ落ちそうな斜面にある建物や畑、旧式の丸型ポストを備えた郵便局、使用できるのか分からない古い自動販売機に、伝統的な日本家屋。
観光地らしく人が多いので、シーズン中は明るく賑わった雰囲気が楽しめます。
道路の傍らを見ると、座り込んで眼下の急斜面と谷底を眺めながら話し込んでいる若い女性の集団も。

この日原から見る渓谷の清流は格段に美しいらしいのですが、残念ながら遥か下の谷底にあって良く見えません。
道中もずっと下の方を流れていたのに、道が登り基調で少しづつ標高が上がっていく為に、川からどんどん遠ざかっていきます。
一応の目的は達したので、連休で渋滞中の日原鍾乳洞と日原林道 (雲取山の入り口) の手前で折り返し、渋滞中の青梅街道を避けて吉野街道を経由して帰路につきます。
鳩ノ巣渓谷の方は、青梅街道のトンネル地獄と連休の渋滞による疲労で、もはやどうでも良くなりました。



日原街道は峠越えほどの強度はありませんが、アウター縛りで行くには、そこそこキツい山道でした。
分かりやすい絶景もありませんでしたが、鍾乳洞や無人トロッコも含めて、ここでしか見れない景色がたくさんあります。
その意味で、好きな人はとことん好きになるだろうなという不思議な魅力のある土地です。


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風張峠のその向こう・ダムの町 奥多摩 でトンネルライド

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渓流が見たくなったので、奥多摩の観光地を調べていたら 鳩ノ巣渓谷 というところが名高い景勝地だと知りました。
早速、位置を調べて西武新宿駅から拝島駅まで輪行で出掛けたのですが、いざ拝島駅まで来てみると 無性に檜原方向に 行きたくなり、気がつくと五日市を抜けて檜原村役場の前にいました。



来てしまったものは仕方がないので、以前から気になっていた カフェせせらぎ さんでレアチーズケーキを頂き、風張峠を越えて奥多摩湖へと降りました。


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多くの人で賑わう 風張峠 は素通りしたので写真なしです。
もう何度も登ったり、降りたりを繰り返しているので、ホイールを交換したりしない限り記念撮影する気にもなりません。



檜原村を抜けて奥多摩町に入り、約10kmほどダウンヒルを続けると奥多摩湖の湖畔に辿り着きます。
この光景は一見の価値ありと思えるほど、雄大な光景が一面に広まりますが、ダウンヒルが終わると無限に続くとも思えるトンネルの連鎖に徐々に辟易してきます。


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しかも、このトンネルが非常に危険です。
トンネル内では湧水だか汚水だかの漏水が多く、グローブやアイウェア等に水滴が着くのは当たり前、床に溜まって暗闇で路面の凹凸を覆い隠したり、木の葉や枝やよく分からない障害物と混ざって、足を掬うトラップになったりと厄介な事この上ありません。
奥多摩町の幹線にしてライフラインでもある国道411号線は、北多摩と甲府や大月を結ぶ大動脈でもある為、同じ奥多摩の檜原村と比べても格段に自動車の交通量が多く、連休中で登山者までがトンネル内で路肩を歩いている事が状況を更に悪化させます。



交通量が多い割に道路の拡張の余地がないのは、この道がダムと山肌の中間ギリギリのところを通過しているからに他なりません。
奥多摩湖・小河内貯水池を走り抜けた際のファーストインプレッションは、まさに ダムの町 です。
地図で見たときには、それなりに飲食店や宿泊施設などを見かけましたが、実際に自転車で走ってみると緑に覆われた山の斜面、ダムの水面、それらを通過する橋とトンネルの3つ以外には目に入りません。
しかし、それも愛宕大橋から東側に行くと様子が変わってきます。


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この辺りからダムがなくなり、多摩川源流の渓谷地帯が始まります。
不思議とトンネルの漏水も少しマシになりますが、奥多摩駅周辺の氷川集落にたどり着くまでは人家も疎らで、まるで高速道路の山岳地帯を通過しているような気分になります。
車と登山者の他に人気はなく、山の反対側の檜原と比較して寂しさを覚えます。
そうしてトンネルと山林の繰り返しを飽きた頃、不意に市街地が現れます。


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ここが青梅線の最果て、奥多摩駅 前です。
この信号を左折して日原街道に入るのが今日の目的です。
続く