300km 超のロングライド・自転車旅・海外飛行機輪行で役に立つアイテム集

ロングライドと一口に言っても、おおよそ 250km から 300km 以上のロングライドとそれ以外では、必要な準備が異なります。

これぐらいの距離になってくると、ライド時間が1日を超えるため、どこかで仮眠をとったり、宿泊することが一般的になってくるからです。

一定時間内に目標地点まで辿り着かなければならないブルベやキャノンボール・ライドは達成条件が厳しいので走り慣れた人でも大変ですが、同じ距離を自分で好きに走っている分には字面から想像するほど難易度は高くありません。

120km 程度の距離を走り慣れている人であれば、おそらく体力的には問題ないと思われます。この距離を走れるようになると、九州一周、苫小牧港から稚内までの北海道縦断、中央山脈を超えての台湾横断など、いくらでも夢が広がります。

ただし、持ち物だけはしっかりと準備しておくことが大前提です。ロングライドで役に立つかもしれないアイテム に加えてさらに幾つかの検討事項があります。

海外で SIM フリー携帯端末を使用する方法についてはこちら




衣類は気温と天候の変化を考える

長距離ライドでは荷物を増やしたくないので、出発から帰宅まで基本的にサイクリング・ジャージを着たままで過ごします。

気温が30℃を超えるような場所を10時間以上も走り続けるような場合には酷く汚れるので、毎日、ホテルの浴室で洗濯して睡眠時間中に陰干ししておきます。

多くの場合はリュックサックの中に予備のジャージを一着用意しておいて、1日毎に交代で着回せば良いのですが、標高が高い場所を通ることがある場合には注意が必要です。

平地では気温が30℃を上回っていても、海抜 2,000m を超えるような高山では気温が 10℃ 前後しかなく、肌寒く感じることも少なくありません。また分水嶺や一定の標高を超えると天候が急変して雨や濃霧に見舞われることもあります。

とくに何日も先の天候が読めないロングライドでは、気温や天候の変化を考えてダウンジャケットやタオルなどを用意しておいた方が良いです。

またライド期間中の滞在地の季節変化なども過去の気象統計を調べて頭に入れておいたほうが間違いありません。大陸ヨーロッパの中央部では毎年8月の4週目あたりを過ぎると急に気温が下がります。シャワーも冷たいので、衣類の選択を間違えると容易に体調を崩すことにつながります。

夏季の京都盆地の無風や湿気、冬季の荒川の強風など、他の土地でも特有の注意事項があると思うので、あらかじめ把握して準備しておくことが重要です。

乾電池式のライトも用意する

充電式の明るい前照灯は、自転車になくてはならないものです。

路面がひび割れていたり、陥没して穴が空いていたり、交通事故のガラス片が散乱していたり、道路上には危険がいっぱいあります。

早朝に出発して、日が昇るまでの視界を確保し、山間部のトンネル内も照らし、夜間も点灯し続けるという使い方をしていると、充電式のライトは1日で電池が切れます。使い方にもよりますが、およそ8時間から10時間ぐらいで電池がなくなります。

予備の電池を持っていてもいいですが、せっかくなら乾電池式のライトも持っていると走行経路や行動の幅が広がります。

私の個人的なオススメは LUMINTOP Tool AA 2.0 懐中電灯 LEDフラッシュライト です。1本の単3電池で動くのに明るさは驚きの 650 lm です。


LUMINTOP Tool AA 2.0 懐中電灯 LEDフラッシュライト 明るさ650ルーメン 連続点灯60時間 5モード IP68 完全防水 耐衝撃1.5M 単三/14500電池一本対応 ハンディライト 【五年保証】 (アルミブラック)

本体と電池を合わせても CAT EYE LEDヘッドライト VOLT800 の電池 (実測 73g ) よりも軽くて、荷物にならないほど小さいので常時携帯できます。

明るいうちに出発して暗くなる前に帰れるのであればともかく、そうではない場合には視界の確保は (衣類の次に) 第二に重要なので1本持っておくと安心感が違います。

同じ意味において、前の記事で述べている調光レンズのアイウェアも役立ちますのでぜひご検討ください。

自前の食器を用意する

レストランはもとより、コンビニや補給食はどこにでもあるわけではありません。自販機で購入したカップ麺をはじめ、瓶詰めやパッケージ入りのポテトサラダしか手に入らないこともあります。割り箸が用意されていることは期待しないほうが良いです。

登山や海外出張に慣れている方は、同じ理由で自前の食器を持参されています。自転車ライドの場合でも、行き先によっては絶対に持っていたほうが良いです。

私のイチオシは、日本製の CAPTAIN STAG ステンレスカトラリーセット です。


キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ライン ステンレスカトラリーセット M-5518

新潟県の三条で製造されているスプーンとフォークのセットで、丈夫で実用性の高いステンレス製です。その割にとても安価なので紛失を恐れずにどこにでも持ち歩けます。

悪天候や事故に備える

複数の日にまたがるライドでは、そのうちの1日くらいは天候が悪くて何もできない日もあります。もしくは天候が良くても船が出航できない、飛行機が飛ばない、列車が運行しないということもあります。

ホテルや空港にこもりきりになることを前提に Kindle Paperwhite (防水機能搭載) あたりを持っていたほうが良いです。


Kindle Paperwhite、電子書籍リーダー、防水機能搭載、Wi-Fi 、8GB(Newモデル)

率直に言って UI は使いやすいとは思わないのですが、ハードウェアの完成度は高く、ほかに代用品が思いつかないほど優秀な電子書籍リーダーです。

コンテンツの量も多く、稼働時間も十分に長く、軽量で安価なので自転車旅でも問題なく使えます。

もとより豊富なコンテンツに CALIBRE を合わせれば、怖いものなしです。これは Adobe PDF 形式の文書ファイルを EPUB などに変換して PC から Kindle に直接転送できるフリーソフトウェアです。私はデータベースのドキュメントなどを (異なるバージョンごとに全て) Kindle に入れて時間がある時に見返しています。

私は集中力が乏しいのと、他の人よりも読むのが遅いので、本を読むよりもオーディオブックを聞いていることの方が多いのですけどね。

もちろん、自分自身が事故や事件に遭遇することも考慮して、出発前に保健に加入しておくことも重要です。これは一部のクレジットカードに加入していると勝手に自動付帯されている場合もあります。

サンダルや短パンも持つ

自宅を出て自走で戻ってくるのではない限り、ジャージの上に履くことのできる短パンやビンディングシューズ以外のサンダル (もしくは軽量なスポーツシューズ) も持っていたほうが良いです。

とくに行けるところまで自走で行って新幹線や飛行機で戻ってくる場合、何日もホテルに宿泊する場合などには、レーパン以外の服とサンダルも有ったほうが行動が楽になります。

リュックサックの中に入れて自転車で運ぶことになるので、軽くて邪魔にならなければ何でも良いです。

せっかく遠くまで行くのですから、付近にある観光名所には立ち寄ったほうがライドが充実します。そのときに歩きやすいサンダルが一足あるだけでも行動の幅が大きく広がります。

ビニル袋と補修部品も持つ

ビニル袋は濡れた洗濯物を入れたり、大雨の中で電子機器を保護したりするのに便利です。

修理道具はパンク対策はもちろん、予備のディレイラーハンガーやシートクランプ、ボルトなどを準備しておくと安心です。

チェーン切れとスポーク折れは新品に交換しておけば予防することができます。少なくとも 3,000km ごとにチェーンを交換している私はチェーン切れを経験したことはありません。

経験上、ホイールは初期不良さえなければ、最初の 6,000km は何の問題も起きないことが多いです。

完組も手組もいろいろ試してきましたけど、完組ホイールでも累計 6,000km から 12,000km ぐらい走行するとリムが振れたり、ニップルにヒビが入ったりと何かしらの問題が起きることが多かったです。手組ホイールはもっと少ない走行距離で不具合が起きます。しかし、完組の不具合と比較すると、修理するのも難しくない場合が多いです。

不安な場合は出発前に新品に交換しておけば、困ることは多くないと思われます。ニップルレンチと予備のスポークを持って歩くよりは新品のホイールを使用する方が、いろいろな意味でいいです。

それよりもシートポストやボルトの問題に遭遇する頻度が高いので、時間的に余裕がある場合は取り寄せてでも予備の部品を携行しておくと、いざという時に助かります。

私も渡航先でシートクランプのネジを壊してシートポストを上げられないまま秋吉台を走行したり、輸送中にシートクランプやクイックレリーズのボルトが外れたことがありました。

とくに飛行機で輸送する場合には、自分の知らないところで部品が外れたり、壊れたりすることがありますので要注意です。

詳しくは: 工具は15cmまで・飛行機輪行の工夫いろいろ

SIM フリー携帯端末を海外で使用する

海外で自由にインターネットに接続できるととても便利です。

空港から出てホテルに向かう際に現在地を確認するのにも、最寄りのレストランやレンタカーを探すのにも、或いは専用アプリからタクシーを呼ぶのにもインターネットに接続しているのと、していないのとでは、できることに大きな違いがあります。

そこで知人友人が海外に出かける際には、常に海外 Wi-Fi をお勧めしています。

海外 Wi-Fi は誰でも簡単に使うことができる上に、現地に行けば絶対にインターネットに接続できるという大きな利点があります。

その他にも一部のクレジットカードを使用していれば割引されることもある、日本語で領収書も発行されるので会社での出張であれば経費に含めやすいなどの数々の利点があります。

一方で使用には出発前からの事前予約が必要となり、対象となる1つの国でしか使えないなどの短所もあります。

また基本的に専用のネットワーク接続ルータを賃借することになるので、荷物(それも取り扱いの面倒なリチウムイオン電池内蔵機器)も増えるほか、レンタル料金が日数で計算されるので滞在期間が数週間以上に渡る場合には通信費が高額になることもあります。

私の場合ですとスイスからドイツに移動したりすることが少なくないのですが、こうした場合はどちらか一方の国でしかネットワークに接続できないという問題が生じます。

海外で自転車に乗って旅行するときは、モバイルルータのような非防水の持ち物が増えることは余り嬉しくありません。

そこで場合によっては自前の携帯電話に現地のプリペイドSIMを入れ替えて使用することもあります。こうすることで通信費を節約しながらインターネットを利用したり、現地の電話番号を手に入れて利用したりします。

ただし、今まで他の人に聞かれても、どうやるのか余り説明したことはありませんでした。その原因は2つあって、一点目は海外 Wi-Fi のサービスが良いので使わない理由がないからです。通信速度は海外 Wi-Fi でも現地のSIMでも変わりません(そもそも3Gで速度は期待できないことの方が多いです)。

そして、もう一点目は面倒くさいからです。どれくらい面倒くさいからと申しますと、渡航先の無線通信に関する法律を調べ、渡航先の通信事業者をリストアップして利用周波数帯を調べ、お使いの携帯端末の周波数帯を調べ、SIM を用意して現地でアクティベートしなければなりません。

アクティベートにはインターネットの接続が必要なこともあり、例えばミュンヘン空港のように Free Wi-Fi を利用するために最初に E-mail を受信できる環境が必要な場合などに詰みます。




もちろん、こうした法律と周波数帯の問題については、渡航先に到着してから携帯端末を現地調達すれば簡単に解決します。

実際、私も子どもの頃は(毎年、住む場所が変わる転勤族だったので)特定の国でしか使えない安物の Nokia をいくつも持っていました。今も実家に眠っていると思いますが、国内では電波を発しない状態にしておかないと違法になるという厄介きわまりない代物です。

同じところに何度も繰り返し訪れるのでもない限り、そんなものを渡航先ごとに用意するのは無駄も良いところなので、現実的には幅広い周波数帯に対応しており、世界中で認証を受けている iPhone 辺りがあれば良いと思います。

携帯端末のご用意ができましたら、その端末と渡航先の通信事業者の周波数帯を調べてください。

この2つがきちんと対応していることが重要です。対応していない場合には、渡航先で SIM を入れ替えても上手く通信が行えません。

例として国内の事業者と端末で試してみましょう。次に示すのは日本の移動体通信事業者の周波数帯です。

4G LTE Bands 3G Bands 参照
NTT Docomo 1, 3, 9, 19, 21, 28, 42 UMTS 1, 9, 19 SIMロック解除対応機種および対応周波数帯
Softbank 1, 3, 11, 21, 41, 42 UMTS 1, 8, 11 機種別対応周波数一覧
KDDI 1, 11, 18, 26, 28, 41, 42 CDMA2000 800/2100MHz SIMロック解除が可能なau携帯電話などの実装周波数帯一覧

このうち周波数帯がやや異なる NTT Docomo のネットワークに、SIMロックを解除した KDDI 向けの端末の接続を試みます。

NTT Docomo と KDDI は4G回線でバンド 1, 28, 42 を共有していますが、バンド42は2017年に新しく割り当てが始まった電波帯で、この古い端末の方が対応していないので無いものとして扱ってください。

またバンド28も整備中の比較的新しい帯域なので、こちらも(現時点では)影響があまりないものと考えて良いです。

そうすると、4G回線では NTT Docomo と KDDI の両回線で共有のバンド1は使えるものと仮定して良さそうです。実際の端末側の対応周波数帯を調べてみると4Gバンド 1, 3, 18, 26, 28 は使えるようです。

SIM を入れ替えて起動してみると、もちろん問題なく4G回線に接続できます ※。

東京や大阪で高速通信に使われているバンド3にも対応しているので、例えば朝4時に皇居を3周走って、日比谷公園でランの記録を Strava にアップロードして他の人のワークアウトも閲覧みたいな使い方は問題なくできます。

これで全てが万全かと言えばそのようなことはなく、山の中や屋内、あるいは東京や大阪以外の都市で使用するには若干の不安が残ります。NTT Docomo がそれ専用に割り当てている電波を拾えないからです。

海外のキャリアに接続する場合も、すべきことはこれと全く同一です。

電波はその周波数帯によって役割やカバーする地域が異なるので、それを予め把握して目的に合致した端末を選ぶことが重要です。

そこで、まずは端末の周波数帯 (4G / 3G / 2G のそれぞれ) を確実に把握してください。

周波数帯の情報は多くの場合はメーカーが公表しています。

日本語表記の場合、3G 通信は WCDMA と記載されていることがありますが、これは UMTS と同等と見做して頂いて構いません。ただし CDMA とは別物です。

バンドは周波数帯で記載されていることもありますが、その際は以下の表を使ってに読み替えてください。

お使いの端末の周波数帯を把握されたら、次は渡航先の通信事業者の周波数帯を調べてください。

以下に例として米国の通信事業者を掲載します。

4G LTE Bands 3G UMTS Bands 2G GMS 参照
AT & T 2, 4, 5, 12, 17, 29, 30, 40, 66 2, 5 850 / 1900 MHz AT&T PREPAID℠ SIM Card Kit
T-Mobile 2, 4, 5, 12, 66, 71 4 1900 MHz T-Mobile network bands & technologies

2Gは(もはや今では)日本では使われていません。ただし国内向けに販売されている携帯電話であっても、海外で2Gネットワークに接続できるものは普通にあります。

Verizon Wireless, Sprint, US Cellular などのCDMAキャリアは対応機種を使わないと接続できない可能性があるので省略しました。米国およびカナダの他の通信事業者については以下が詳しいです。

他の渡航先についても同じように Frequency Checker で調べることが可能です。

Frequency Checker は完璧ではありませんが、記載内容はおおよそ信頼できる内容であり、通信事業者の網羅性が高いので利便性は一番です。

気をつけなければならないのは、情報源の記載がなかったり、一部の事業者についての情報が更新されていなかったりするなど、正確性にやや欠ける点があることです。

しかし、実のところ、通信事業者については正確な情報源がある方が少なかったりします。

以下のように公文書を参照できる場合は確実と判断できますが、公的機関や通信事業者自身が使用する電波帯を発表していることは多くはありません。

最も確実なのは渡航先に何度も赴いて試してみることなので、そういった用途のWikiでもあると良いのですけどね。

確実につながる海外 Wi-Fi を使わない理由がないと先に述べたのは、こうした事情があるからです。

現状では iPhone あたりが技術認証と対応する周波数帯の多さから妥当な選択とも述べましたが、今後の数年間で 5G 通信回線が普及が見込まれたり、iPad Proが Lightning port ではなく USB-C を採用している等、アクセサリ類にも変動がありそうなので、しばらくは様子見しているのも悪くないと思います。


アジア 14ヶ国利用可能 プリペイドSIMカード 3GB 8日間 4G/3G 韓国 台湾 香港 シンガポール マカオ マレーシア フィリピン インド カンボジア ラオス ミャンマー オーストラリア ネパール 日本 SIM2Fly


MOST SIM – アメリカ SIMカード インターネット 7日間 高速無制限使い放題 (通話とSMS、データ通信高速) T-Mobile 回線利用 US USA ハワイ


※ SIM を差し替えれば自動的にネットワークを認識するわけではないので、ご自身で端末の Access Point Names を書き換えてから再起動してください。

冬の鹿行サイクリング

鹿行とは

一言で述べると、茨城県の霞ヶ浦と太平洋の間にある地域のことです。

読み方は六甲と同じです。

この地域の良さは

  • 車が少ない
  • 運転手が優しい
  • 舗装が綺麗
  • 冬場でも積雪や路面凍結は稀

といった良好な道路環境にあります。

もちろん北関東の他地域と同様に風は強く、気温も暖かくはありません。

自転車乗りが好んで訪れる高山の峠道もなく、雄大な太平洋を除けば現実離れした絶景もありません。

そのため、あまり訪問している人もいないのか、情報も少ないのですが、端的に言って凄く良いところです。

具体的には大洗、百里飛行場、霞ヶ浦、鹿島神宮の4地点に囲まれる範囲と考えて頂けると分かりやすいです。

自転車で何度か訪れてみたところ、大洗や鹿島神宮は門前町の良い雰囲気を残しているのですが、観光地だけに交通量は少なくありません。

とくに神栖と鹿嶋の市街地はロードサイド店舗が数多く並び、多摩ニュータウンと見紛うばかりの市街地が広がっています。

他にも国道124号線や県道18号線のように部分的に交通量が多い道路も存在します。

しかし、それ以外の地域はほぼ全てが快走路と言っても過言ではないほど、自転車で走っていて気持ちの良いところばかりです。




北浦

どこに行っても気持ち良く走れる鹿行地域の中でも特に静かで快適な場所が北浦です。

北浦右岸の湖畔沿い (行方市) では、冬場は文字どおり水鳥しか目に入りません。

※ 他の季節の事情は分かりません

路面の舗装状態も良好で途切れずに続くので、車止めでブツ切りにされたサイクリングロードのようにストレスを感じることはありません。

ただし自転車道や遊歩道ではないので、時折、釣り人の車と遭遇することはあります。

車と遭遇することはあっても、この辺りの運転手は驚くほど優しいので、ほとんどの方が追い抜き時に大きく距離をとって下さいます。



空の駅そらら

百里飛行場に併設されている空の駅。

この地域の貴重な補給ポイントであり、名産品の販売所でもあります。

バイクラック完備でロードバイクでも駐輪に苦労しません。

施設内には複数の食事処があり、食べ物の量と種類にも事欠きません。

なんとビュッフェ形式で食べ放題のレストランに乳製品の直売所まであります。

さらに周辺はイチゴやメロンの産地らしく、農産品の直売所に行けば地元で採れたての果物まで味わえます。


涸沼

北浦や霞ヶ浦とは異なる独立した沼です。

野鳥の撮影スポットと化しているらしく、一部の公園は高性能カメラの展示会のような状況になっていますが、冬場の道路の交通量はそれほどでもありません。

※ 繰り返しますが他の季節の事情は分かりません

北側にはサイクリングロードが整備されていて、太平洋岸の大洗まで繋がっています。

太平洋のある東側の舗装状況は良好ですが、上流に当たる西側の涸沼川サイクリングロードは荒れ気味です。

北浦に比べると人も車も多いので、敢えて目的地にはしづらいのですが、広浦港あたりの雰囲気はとても良いので訪れてみる価値があります。

私のように瀬戸内海の島や港の空気が好きな人は、寄ってみると意外に満足できるかもしれません。


大洗

自転車旅の起点の一つで、北海道へと向かうフェリー航路があります (いつか使うことがあるのだろうか) 。

鹿島神宮を除けば、これまでの中で最も人と車の往来があります。

しかし、道幅の広い道路と涸沼のサイクリングロードがあるので、困ることはありません。

私は基本的に魚介類を口にできない体質なので何とも言えないのですが、海産物が好きな人にとっては魅力的な土地であるようです。

まとめ

ヒルクライムを楽しめる高い山や非現実的な絶景はありませんが、積雪や路面凍結の不安が少なく、道路環境も良い鹿行地域は冬場でも楽しく走れる貴重な場所だと感じました。

北関東だけに気温は低く、遮るものもない平地ゆえに陸と海の両方から強風が吹き、コンビニなどの休憩地点が限られるなどの注意点も確かにありますが、あらかじめ把握した上で (強風の日を避けるなど) 対策を怠らなければ冬でも十分に自転車趣味を楽しめます。

何よりも

成田空港からのアクセス良好なので、帰国後、その足でライドに出掛ける際の目的地として最適

という他にはない強みもあります。

車の後部座席に自転車を積んだまま駐車場に止めておけば、帰国即ライドが実現できます。

あとがき

峠道は雪と氷に閉ざされ、河川敷には霜が降り、平野部には強風の吹き付ける厳冬期の関東平野。

その過密さと貧弱な道路網により、もとより自転車 (を含む車両交通全般) には不適な土地だけに、ただでさえ希少な山間地を通行できなくなると、普通に安全に走れる場所など文字通り無くなってしまいます。

温暖な気候と静かな環境を求めて、私も一度、房総半島の南部を訪れてみましたが、そこでも人や車が多いことには変わりはなく、根本的な解決には至りませんでした。

私自身が心から楽しめなかったという事由もありますが、それよりも現地に住んでいる人の視点で考えてみれば、既に交通量が飽和している狭い道路に他所からの観光客が押し掛けるなど、迷惑以外の何者でもありません。

望まれないところに出かけて行っても、自らの首を締める結果に陥るのは某尾根の幹線道路やカタカナ表記の峠を見るまでも無く明らかです (どちらも東京近郊であるのも偶然ではないでしょう) 。

歓迎はされなくても少なくとも邪魔者扱いはされず、安全に走れて、しかも、東京からのアクセスも悪くないところ (鹿行のほかには檜原や宮ヶ瀬、都留など) に、良好な関係を築けるようになるために少しでもお金を落とせれば良いなと個人的には思います。