香港生活は大誤算の連続

数日前から出張で香港を訪れています。主権移行の直前、まだ英国領だった頃に一度だけ香港を訪れた事のある私にとっては、今回が二度目の訪問です。

もっとも前回に訪れた際には10歳にも満たない年齢であった為、バスタブに溜まった水が茶色く濁っていた事ぐらいしか記憶にありません。

それほどに現地の知識の乏しい私が台北やジャカルタ、ニューヨークシティでの滞在経験(ともっと言うと中央ヨーロッパの在住経験)だけを頼りに何の下調べもせずに香港を訪れたら大変な事になったというのが今回の趣旨でございます。




最初の誤算は到着前から始まります。

1日に20kmはロードバイクに乗らないと夜中のうちに眠れなくて体調を崩す私にとって運動は必須です。

しかし、出張の大荷物に加えて10kgのクロモリバイクを運ぶ訳にもいかないので、冬用のスウェットパンツと長袖のランニングウェアを用意してランニングを行うことで代用する事に決めました。

こうした私の目論見は到着前から脆くも崩れ去る事になります。



澄み渡る青空の下に広がる錦江湾を眺めてから約4時間、香港に近づくに連れて徐々に眼下が霞んで見えにくくなってきます。

さらに時は進み、香港島を越えて九龍半島に入る辺りでは、完全に霧に覆われて視界が著しく悪くなります。

現地の事情に詳しくない私は、当初、この日の天候は霧ぐらいに思っていましたが、事情を知ると実はそうでもない様子です。

携帯電話の位置情報をONにしてインターネットに接続すると、大気の汚染状況が極めて深刻であるという警告メッセージが表示されています。

ドイツや日本にいた際には一度も表示されたことがなかったので、こんなメッセージ機能が備わっていた事にも驚きましたが、外海に面した香港に大気汚染の印象が全くなかったので現地に来るまで、ここまで空気の質が悪い事を微塵も知りませんでした。

私が香港に来ている事を知った台湾人の友人は、私が何も言っていないうちから「マスクは持っているの?」と尋ね「持っていないなら屈臣氏 (Watsons) で買って」と言ってきたので、どうやら中国語話者の中では常識のようでした。

彼女に教えてもらった http://aqicn.org/city/hongkong/ では、当時の香港の Air Quality Index は170を超えており、当然のように全域が Unhealthy の赤色に染まっていました (同時期の千代田区内の同指数は5-21)。

これではランニングどころではありません。

これから (特に冬場に) 香港を訪れる人はマスクを予めマスクを持参していったほうが無難かもしれません。

もし忘れても、薬局で口罩 (コウ-ズッアウと発音するそうです)と言えば現地調達する事ができます。
続く

回復走・大垂水峠に初挑戦

先月はランニング中に膝を痛めて、一時期は自立することも困難となり、止むを得ずに杖をついて歩く日々を過ごしていました。

その後の経過は良好で、まず自立してゆっくりと歩いても痛みが生じる事がなくなり、次第に階段も普通に降りる事ができるようになりました。そうなると日常生活で杖を使う必要性もありません。



しかし、依然として重い荷物を持ったり、早歩きで左脚に体重を掛けると膝の周辺に痛みや違和感が生じます。とにかく歩く事が最も大変だという理解を得られずに苦労しました。

2週間ほど悶々とそんな日々を過ごし、痛みが引いて日常生活に差し支えがなくなった頃、試験的にローラー台を30kmほど回してみました。

これで痛みが再発したら直ぐに止めようと思ったところですが、特に問題が生じる気配もありません。炎症が起こると後から痛みが出てくる事が分かっていたので、念の為、次の日は静養して様子を見ました。

早歩きとは異なり、こちらの方は何の問題もなさそうだったので、近所を30kmほど走る事を2日連続で試験的に続けて見ました。

膝は相変わらず大丈夫でしたが、久しぶりに外を走ると向かい風の強さに直ぐに息が上がってしまいました。


延べ100kmほど自転車で走っても大丈夫ならば、軽いヒルクライムぐらいはできるだろうと見込んだ私は大垂水峠を越えて相模湖を目指すことに決めました。

私にとって最も走り慣れているのは檜原村にある奥多摩周遊道路ですが、新宿の自宅から向かうと最短経路でも往復で150km近い距離になってしまいます。徒歩の登山者であれば入山届けを出して向かうような場所なので、もしもの場合を考えると無茶はできません。

それに加えて年末年始は都民の森も営業していないので、いつも以上に入念なロングライドへの準備と怪我や野生動物に対する注意が必要となります。

都民の森と道の駅こすげという魅力的な補給ポイント (特に安心してロードバイクを置ける駐輪場) がないので疎遠でしたが、大垂水峠は八王子の市街地にほど近く、膝が動かなくなった時にも並走する中央線や京王線に乗って直ぐに帰る事ができる点が決め手となりました。

道の駅こすげ 源流レストラン

チャーちゃんまんじゅう (山梨県小菅村)

和田峠に向かう際などに何度も走り慣れている八王子ですが、武蔵野陵や高尾駅を越えて高尾山口駅の前まで自転車で行くのは実は初めてだったりします。秋川や五日市方面と比べて市街地は比較にならないほど大きいのに、あちらの睦橋通りより信号ストップが気にならずに走りやすい点が意外でした。

高尾山口駅に至る京王線の陸橋を潜り、補給ポイントのコンビニを越えて、高速道路の入り口の交差点を左折すると、間も無く大垂水峠に入ります。

少し北側の高尾山は自然が豊かな山奥に見えるのに街道沿いは民家や病院などの建造物が途切れず、いつ峠越えが始まるのか緊張しました。両側を山に挟まれて視界が悪く、気がつくと登り坂が始まっているような不意に現れる峠です。

そして入り込んでしまうと登り切るまでが長いです。彼方此方で序の口と評されていたので、直ぐに終わるものかと思っていたら意外な程に頂上が見えてきません。確かに斜度の厳しい急坂はありませんので、ゆっくり登る分には悪くない坂ですが、速く登り切ろうとすると途端にキツくなる印象です。



山中にポツンと立っているバス停の標識と歩道橋が見えたら間もなく登りは終わりますが、登り切っても頂上が何処にあるのか良く分からない峠ですね。峠あたりにある都県境を越えると 相模湖町 もとい相模原市側の九十九折が始まります。

降りた時はこちら側の方がキツそうな印象を受けましたが、折り返して登り直して見たらそんな事はありませんでした。

見通しが悪く景色が良くない、車の交通量が多いと余り良い評判を聞かない大垂水峠ですが、アクセスの良さも含めて私は割と気に入りました。ただし、どうしても都民の森のような補給ポイントや手を洗える公衆トイレなどは欲しくなりますね。

リハビリ – 日比谷 紅葉情報 2016

今週末は穏やかな気温と晴天が続いていますが、怪我の影響で遠出できないので自宅付近で安静に散歩します。

負傷以来の生活はそれまでとは打って変わって、ロードバイクが埃を被っている姿を目にしたり、数週間もGPS信号を受信できないでいたGarminの内蔵時計の時刻が大幅に狂っていたり、3本ローラーの上でバランスを崩してよろめいたりと衝撃的な出来事の連続でしたが、久し振りに外出してみると今度は自然にハンドサインが出てくるぐらい身体が感覚を覚えている事に驚きます。




ローラー台に乗っていた時には練習の中断による体力の低下を実感したものですが、信号停止だらけでろくに走れない実走では特に意識する暇もないうちに目的地に到着してしまいます。

その間に衛星電波を受信できるようになったGarminの時計は、ようやく東京時間に戻ってきました。



散歩の距離として適当という理由で選ばれた日比谷公園では紅葉が始まり、雲形池の前では大勢の方がカメラを構えていました。

園内での撮影についての注意書きがある事に驚きましたが、その場で公園緑地事務所の詳細を調べると訪園者が風景写真を撮影するような場合には許可は不要と規定されていて二重に驚かされました。