カーボンホイール – Reynolds AERO 46 Tubular に200km試乗してみたら夢中になった

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チューブラータイヤを貼ったきり、そのままになっていた Reynolds AERO 46 Tubular ですが、試走で約200km、獲得標高にしておよそ 4,000m ほどを走ってきましたので、そろそろインプレッションを行いたいと思います。

6月中旬の購入から、ここまで時間が空いてしまった理由は、台湾でのヒルクライムレースなどのイベントを挟んだという事情もありますが、距離を走り込んでいくうちにホイールの印象が大きく変化して行った為です。

正直に述べますと、最初は軽い失望感を覚えました。

確かにホイールを交換しただけで、信号停止だらけの東京の市街地でも平均時速が 25.1km/h から 27.6km/h まで上がるようになりました。

他に何もしなくても平均速度が 2.0km/h 以上も変わってくるのは、凄い事には間違いありません。

しかし、走行中にそれを体感できるかというと微妙なものがあります。国内販売価格が30万円近いホイールである事を考えると、それぐらいの性能は発揮できて当然ではないかという思いも湧き上がり、評価を確定させる事を躊躇わせます。

約50kmほどの慣らし運転を終えた時点では、高速域での体感的な疲労が少ない事がホイールの特徴と考えられ、速度を維持しながら走れる距離が伸びた事が平均速度の向上に寄与しているのではないかとメモするだけに留めました。


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その後、奥多摩や山梨に出かける際に持ち出して峠を幾つも越えた事、他のホイールとの乗り比べを繰り返した事により、徐々にこのホイールの特性についての理解が進んできました。

言うなれば、ただのカーボンチューブラーホイールとして見ていた対象に、Reynolds AERO 46 という個性を発見した気分です。




個性として、誰もが気づく点にはリム幅の太さがあります。

25Cの Continental Competition と同じ幅を持つワイドリムが、走行中は常に強烈な存在感を放っています。

視覚的に特徴があるだけでなく、このリムに収まる太めのタイヤに収まったエアボリュームとブチルチューブの感触は、バイクに跨った瞬間から体感できるものです。


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先に述べた体感的な疲労の少なさは、この25Cタイヤによるところが大きいのかもしれません。23Cのアルミホイールではザラつきを感じる荒れた路面でも、何の凹凸もなかったかのように滑らかに回転していきます。

このタイヤを履いたホイール自体も決して硬さを感じさせず、路面からの衝撃をうまく往なしている様です。

微細な振動が抑えられる事に加えて、ワイドリムによる恩恵か、横風にハンドルを取られる事もありませんので、ダウンヒルでも安心して降れます。

それでいながら、カーボン素材の軽量さゆえにリム幅や25Cタイヤによる重量増で加速がもたつくと言う事もありません。

前後輪の質量の実測値が 1,230g と軽量な上に、リムデプスが 46mm もありますので、普通に踏んでいけば 40km/h まで勝手に加速していきます。

こうした特徴を見つけていくにつれ、ホイールに対する印象が少しづつ変化していきました。

乗り心地が良い上に、軽くて、速い訳ですから、このホイールに乗る事が楽しくない訳がありません。

日頃、コストパフォーマンスだの、整備性だの言っている事がどうでも良くなるぐらいに、乗っていて気分が良くなると言う意味では 別格 と言っても差し支えありません。


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こうした特性に気づくのに時間が掛かった理由には、居住地と走行経路の問題が大きく影響しています。

私の家から何処かに出かける場合、200m置きに信号停止に遭遇する麹町や四谷の市街地を経由し、その先にある五反田や渋谷、新宿や巣鴨といった山手線の線路と駅周囲の繁華街という物理的な障壁を乗り越えなければなりません。

向かう先も混雑と渋滞を避けるという理由から、奥多摩や山梨の山岳地帯ばかりになります。

こうした環境に置かれると、せっかくの高性能な機材もただ軽量であるだけのブレーキングに気を使うホイールと化してしまい、機材の良さや設計思想は全く生きてきません。

純正のブレーキパッドを使用していても少々のブレーキでもリムが温まる事には相違ありませんので、改良されてきているとは言え、カーボンホイールの弱点としてブレーキングによる熱には常に気を遣います。

私はよく信号停止時にリム側面に指で触れて温度を調べるのですが、触れて見るとなかなか熱が逃げていかないのが感覚でも捉えられます。

ホイール本体のリムにも気を遣うのと同様、高価で、しかも、入手性も余り良くないブレーキパッドの方にも気を遣います。

使用しているとすぐに磨り減るためです。




このような材質的な短所があるにも関わらず、毎日でも乗りたくなる魅力がこのホイールにはあります。

クロモリフレームとも異なるチューブラータイヤの滑るような乗り心地と抜群の加速性能、スターラチェットの小気味良い音と高速巡航時の伸び。

ロードバイクで速さを追求する楽しさを初めて感じられたのは、このホイールがあったからかもしれません。

そう言えるほどに高速走行に快適さと安定性を提供してくれるのが Reynolds Aero というホイールです。

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