Continental Grand Prix 4 Season を使い続けて5年近くが経過しました。累積の走行距離は 40,000km 近くになります。
それだけ何も考えずにこのタイヤを使い続けてきたので、自分には正当にタイヤを評価することはできないと思っていました。
何が良かったのかと言えば、入手性、価格、耐久性、グリップのバランスがとても良かったのです。私の使い方ですと林道のような荒れた舗装路を登って、急斜面ながら道幅の広い下り坂をひたすら降ります。
求めるものは落石や道路の陥没でサイドカットしないだけの強度と高速のコーナリングできちんとグリップするタイヤでした。
導入のきっかけは Grand Prinx GP4000SⅡ の終売だったと思います。
販売終了の近づく GP4000SⅡ とその後継モデルの GP 5000 が人気で店頭在庫が安定しない時期でした。ちょうど使えるタイヤがなくなってしまった時期と重なったので、在庫の安定していた GP 4 Season に自然と行き着きました。
直前まで使用していた GP4000SⅡ と比較すると少し重さを感じる程度で、乗り味に大きな変化がなかったので、代替品としてそのまま使い続けることにしました。
そうして気がついたのは耐久性の高さです。ロードバイクのレーシングタイヤは早ければ 2,000km 程度で寿命を迎えます。それに比べて GP 4 Season は 5,000km 走行してもウェアインジケータがくっきりと残っていたので驚いた覚えがあります。
あまりに丈夫なので前輪は GP5000 後輪は GP 4 Season の組み合わせで運用してみたことがありますが、前後ともに走行距離 8,000km を超過してもまだ使えそうな感触はありました。
ダウンヒルで用いるために限界まで使い切るようなことはしませんが、後輪でこの距離まで走れる軽量タイヤは滅多にありません。
ただし貫通するときはあっさりと貫通します。
トレッド面が強いのはあくまでも走行による損耗に対してです。
異物さえ踏まなければ長持ちするので、耐久性を考慮すると価格も控えめです。
それなりに軽量で、それなりに走行性能が高く、きちんとダウンヒル中のコーナリングでグリップするタイヤが長持ちするのですから、他のタイヤを使用する必然性を感じません。
自然とタイヤに対する関心が薄れてきたところで、敢えて別のタイヤをいろいろ試してみたことで、なんとなく GP 4 Season の性格を掴めてきたような気がします。
比べてみると明瞭にわかりますが、このタイヤは乗り味が硬いです。28C でも 25C でもロードノイズを直に拾うような硬さを感じます。
GP5000 や AGILEST などの最新のしなやかなタイヤが路面に吸い付くような弾力性を持っているのと大違いです。
それでいて水も砂もきちんと弾くのでウェットでもきちんとグリップします。とくに雨天時にダウンヒルに使ってみると違いがよくわかります。限界を超えると横方向に滑りやすい印象があるのも特徴と言えば特徴です。
重さはそれなりにあるので同価格帯のレースタイヤと比較すると軽快性も低めです。もっともロードバイクのタイヤの中では軽量な部類に入るのでレース利用に向かないわけでもありません。
信頼性は市販の全タイヤの中でもトップクラスに高いので、長距離やロードレースでは積極的に用いる選択肢の一つになりえます。
とにかくトラブルを生じさせにくいタイヤで、使い込んでもサイドカットや謎のスローパンクチャーなど、ほかのタイヤで経験してきたことが5年も使い込んでも一度も発生していないことは特筆に値します。
チューブレス化や軽量化、乗り心地の追求などをタイヤに求めないなら、とりあえず GP 4 Season を履いておけば間違いありません。
信頼性を求めつつ、より軽快なタイヤをお求めなら GP 5000 がバランス良くてお薦めです。後発だけあって様々な部分が改良されているのが使い込んでみると良くわかります。