自転車で一周する伊豆大島

自転車趣味を始めて以来、毎年3月は『しまなみ海道』を走る時期と決めて、尾道、三原、竹原、今治、西条と瀬戸内海を堪能してきました。

しかし、最近は日本国内に留まっていられる時間が限られており、東京から 500km 以上も離れた湊町を気の向くままに散策なんて贅沢な時間の使い方はできそうもありません。

せめて気楽に島旅気分でも味わえる場所でもないかと思っていたところ、ふと相模灘沖に点在する島々を思い出しました。

飛行機で羽田空港へと向かう際、上空で旋回しているときに見下ろす大島、利島、新島と言った東京都の島嶼部です。

島嶼と一纏めにしていますが、小笠原諸島は沖縄と緯度が変わらないほど南に位置しており、訪れるのは九州や北海道よりも大変です。

その一方で伊豆諸島の北部は東京から 120km から 180km ほど南にあるだけなので、思いのほか気軽に出かけることが可能です。

とりわけ北端の伊豆大島は緯度的に大阪市とほぼ同じ、東海道新幹線の熱海からジェット船で約1時間ほどと、離島としては格段に身近です。

同じ伊豆諸島に属する八丈島は、高知県の室戸岬や和歌山県の潮岬(本州最南端)よりも南にあるので、大島の感覚的な近さがお分かり頂けると思います。




火山島

鎌倉の由比ヶ浜から目視で確認できるぐらい身近で、訪れやすい伊豆大島ですが、いざ自転車で一周しようとするとこれがなかなか大変です。

サイクリングと言うよりもヒルクライムのカテゴリーに含めたくなるほど、本格的な山道が幾つもあります。とくに島東部の山岳地帯では、太平洋に浮かぶ島ではなく、霧ヶ峰や美ヶ原高原のような高山に来たのではないかと錯覚するような雰囲気の坂道が続きます。

遮るもののない大海原に位置するだけに、基本的に風が強いこともそう思わせる一因かもしれません。

よく考えてみると裾野が海中に没しているだけで、島そのものが巨大な火山みたいなものなので、頂上辺りの雰囲気が似ていると感じるのも不思議なことではありません。

地元住民の生活道路である大島一周道路でも斜度 8% 程度の登坂があります。ただし、そこから「あじさいレインボーライン」や「三原山登山道路」と言った登山道に入って山頂を目指しても、斜度は大きく変わりません。斜度が緩い分だけ登りの距離は長くなります( 8% の坂が 10km 近く続きます)けど、砂漠地帯や富士山がくっきりと見えて眺めが最高なので、余裕があったら挑戦してみるのもいいかもしれません。

激坂として例外なのは差木地から「月と砂漠ライン」の南側に抜ける無名の道路で、ここだけは斜度 12% 以上の坂がひたすら続きます。時計回りで一周する際には危険な下り坂になるので通らないほうが良いです。

反時計回りの場合では、波浮港にある信号を迂回できるので検討の余地があります。信号は迂回できても工事車両や教習車、裏砂漠に向かう車などが普通に走っているので、安全運転を心がける必要があるのは言うまでもありません。

前記事に書きましたとおり伊豆大島は車社会です。斜度 8% 以上の坂道が続くような地域の中では、信号も車の通行量も多いほうに含まれると思います。

交通量はそれなりに多いものの、路面の舗装状態が良いのでパンクの心配は少なく、どこに行っても絶景続きで景色に飽きることはないのでサイクリング目的にはとても良い場所です。

余りに景色が良い場所が多すぎて、最初に時計回りで周回した際には「裏砂漠の入り口」や「泉津の切り通し」といった有名所を見落としたぐらいです。

一周

伊豆大島を一周するだけでも距離 46km にして獲得標高 800m 超になります(経路によって 50m 程度変動します)。三原山登山道路の方は、距離 5.5km に対して獲得標高 500m ほどです。

夜行の大型船で早朝に上陸して、午後の船で日帰りする場合には滞在時間は約半日となります。

日頃からロードバイクで長距離を走り慣れた人であれば、大島一周道路を回ってから三原山のヒルクライムまで、この半日のうちに回りきれるかもしれません。

ミニベロなどの車種ではおそらく三原山ヒルクライムまでは難しいと思われますが、一周道路をゆっくりと見てまわりながら半日かけて島内を一周することは十分に可能です。

宿泊を検討されたほうが良いのは「月と砂漠ライン」に行かれる場合と大噴火口を見て回られる場合です。

前者はいろいろな意味で島内で最も酷い道でした。瞬間的に 15% の斜度が何度も出てきますし、途中からアスファルト舗装ではなくなりますし、すれ違いもできない狭い道に何台もの車が入ってきます。

個人的には二度と登らなくて良いやと思った大島の坂はここだけです。登りきっても駐車場しかありませんし、行ってみて分かりましたけど、砂漠には三原山の頂上から歩いてくれば、もっとシンプルに辿り着けます。

後者は自転車進入禁止区域にありますので、三原山ヒルクライムの後に徒歩で目的地を目指すことになります。

補給

サイクリングでは文字通り命取りとなる低血糖状態。コンビニが1件もなく、早朝や夜間に気軽におにぎりを購入できない伊豆大島では、特に低血糖状態に気をつける必要があります。

11時から14時までの昼食時を除いて飲食店は営業していないことが多く、島内に数あるスーパーマーケットや個人商店も24時間営業のものはありません。自販機や公衆トイレが多いのも、そのような事情があるのでしょうね。

したがって早朝にフェリーで上陸する場合には、あらかじめ低血糖を防ぐための補給食を携帯しておいた方が無難です。もし忘れていても船内の自販機で菓子類を購入できます。また開店時間中であればパン、羊羹、弁当などは問題なく現地で購入することができます。

夕食時には飲食店が営業していないことがありますので、宿泊施設に夕食や朝食が含まれていない場合には頼りになります。物価は本州とほぼ同じです。屋外の自販機は基本 500ml で 160 円ですが、スーパーマーケットで購入する場合は 125 円となっていました。

みずほ銀行の出張所があり、預金の引き出しも行えます。

持ち物

行き帰りの船に電源がないことが多いので、モバイルバッテリーを持っていると安心です。

先に述べたようにパンクの心配は少ないですが、予備のタイヤやディレイラーハンガー、ミッシングリンクなどを携帯しておくと、もしもの際に役に立ちます。

カメラなどを持ってくる人は予備のバッテリーや記録媒体を用意してくると良いかもしれません。

一応、島内でも電子機器を扱う店舗も見かけましたが、確認した限りではスーパーマーケットにも、空港の売店にも、フェリーターミナルの売店にも SD カードや USB ケーブルなどの電子機器類の取り扱いはありませんでした。

島内には6つの郵便局がありますので、荷物は多めに持ってきすぎても自宅まで郵送できます。

椿と明日葉と

ロングライドでカロリーを消費する目的で自転車に乗っている方にとって、訪れた先々で味わえる名物料理は楽しみの一つかと思われます。

三崎、小田原、木更津、清水といった良港に囲まれる立地の伊豆大島も美味しい海の幸に恵まれているはずです。きっと新鮮な魚介が味わえると思います。

とう言うのも、私は魚&蟹アレルギー持ちゆえに海鮮料理に対しては「口にしないように気をつけないといけない」以外のことは何も言えないです。

海鮮を除いた伊豆大島の名物と言えば、島中に生えている椿と明日葉(アシタバ)という野菜です。ここに来て初めて耳にしましたが、煎じて明日葉茶という飲料になるそうです。

本州や瀬戸内などにある他の離島とは異なり、伊豆大島には農地や河川や貯水池がほとんど見当たらないので、こうした野菜を育てているのは少しばかり驚きでした。

自転車で走ってみるとよく分かりますけど、ほかの土地では当たり前にある水田や畑がないので伊豆大島の景観は非常にユニークです。

よく見かけるのは自生しているオオシマザクラと椿ばかりで、火山地帯を除くと島中が木々の緑に覆われています。私の訪れた3月上旬ではちょうど椿が見頃で、今ぐらいではオオシマザクラが見頃になっていると思われます。

乗船

出発前に現地の天候と船の運行状況を確認し、電話でチケットを予約する際に自転車を持ち込みたい旨を海運会社に伝え、出発日に船に乗るだけです。東京港(竹芝)と熱海のほか、曜日によっては横浜、久里浜、館山などからも船が出ています。

フェリーではそれほど揺れないので、余程のことがない限り船酔いの心配は少ないと思われます。私が乗船したのは「春の嵐」と言った趣の風雨の夜でしたが、飛行機に比べれば何でもないぐらいの揺れしか感じませんでした。

青函フェリーや香港の新渡輪、あるいはシアトルの Water Taxi などをご存知でしたら、それらと比較すると船に乗っていることを忘れるぐらいの揺れだと思います。

荒天時に欠航してしまう可能性があることとジェット船以外では宿泊が前提となることから、最初は心理的な抵抗を感じるかもしれません。

そこで難しく考えずに、天気と風向きを見ながら搭乗日さえ決めてしまえば、おそらく想像されているよりも簡単に新しい世界が広がります。伊豆大島に始まり、八丈島、苫小牧、徳島、志布志と目的地を増やしていくのも楽しいです。

東京から「日帰り」できる絶景と火山と温泉の島

東京から日帰りで訪れることのできる日本の絶景と言えば、長野オリンピックの舞台にもなった志賀高原・草津白根山、海と山と富士山が織りなす雄大な景色を楽しめる伊豆・箱根などが有名です。

もう少し滞在時間を伸ばせるのであれば、清流と高山植物を楽しめる尾瀬、日本の屋根と形容される飛騨山脈と上高地、高原リゾートとして名高い裏磐梯など国内有数の名所がずらりと並びます。

そうした数々の名所にも比肩し得る、絶景と火山と温泉の島が東京にあります。竹芝の東京港から 120km ほど南方に浮かぶ伊豆大島です。

伊豆大島は東海道新幹線の熱海からジェット船で約 45 分、東京港からでもわずか2時間弱で到着できる離島です。しかも夜行の大型船を利用すれば、早朝6時から上陸することも可能です。



はじめて伊豆大島に訪れると、まず本州や九州や瀬戸内の島々との違いに驚かされます。

農耕地や河川が見当たらず、島の中心部に立派な火山があり、独特の植生と頻繁に遭遇するイタチやリスなどの小動物に驚かされ、そして、風の強さに圧倒されます。

一年の半分以上は海外に滞在にしている私のような者にとっても、まるで別世界に来たような印象を受けるほど、何もかもが目新しい場所です。

幸いなことに物価は本州とあまり変わりません。島中で見つけられる屋外の自動販売機は 160 円 (本州より10円高い) で、定食屋の料金は 1,000 円前後というところが多かったです。そして意外なことに交通量が多いです。




一周するとおよそ 50km ほどの距離になる島に、ほどほどの大きさの集落が6つ存在するので、島内は完全な車社会になっています。

関東で例えれば、神奈川県の藤野(中央道の渋滞時を除く)、冬季の三浦半島の南部(逗子と葉山を除く)と似たような印象で、混雑するというほどでもありませんが、瀬戸内あたりの島と比べると多く感じます。

離島としてはとても車が多いので、自動車教習所も、信号も普通にあります。島内を一周して 50km ほど走ってみたところ、その間に6回も信号につかまりました。奥多摩(檜原・丹波山)基準で考えると3倍以上も信号が多くて、私の知る他の離島との違いに少しばかり驚きました。

伊豆大島と同じ東京 120km 圏であっても、山梨県の鶴峠や茨城県の北浦沿岸など、これよりも車も信号も少ないところは存在するので、交通量が少ないという言説は正しいとは言えません。

このように本州とも、ほかの離島とも異なる伊豆大島ですが、その最大の特徴は火山島であることです。

伊豆大島の見どころである砂漠、地層の大切断面、巨大な噴火口、相模灘越しに眺める富士山など、伊豆大島の絶景は日本ではここでしか見られない珍しいものばかりです。



島に住む地元住民にとっての生活道路である大島一周道路だけを見ても、空港、港湾、都立公園・動物園、山岳道路、砂漠、噴火湾、漁港、中心市街地と目まぐるしく景色が変わります。

わずか 50km ほどの間に、ここまで個性的な見どころが並んでいる場所は他に思い当たりません。

そのため、来島者も魚釣りの道具を持った釣り人、サーフボードを抱えるサーファー、自分の自転車を持ち込むサイクリスト、ハイキングや温泉に訪れる家族連れ、登山家に写真家と多種多様です。

一度に複数の見どころを楽しめる絶妙な距離感なので、島を一周巡ってから火山に登ってもいいですし、午前中は海で楽しんでから温泉に入りに行くことも可能です。

東京から夜行フェリーを利用して、実質「日帰り」できる見どころ豊富な火山島。それも関東では極めて貴重な渋滞や大行列とは無縁の地という理由で、週末の小旅行に出かけるには凄く良い場所です。

何度も繰り返し訪れる人がいるのも不思議ではないことを、自分で訪れてみて心から実感しました。

ロングライドで役に立つかもしれない少し変わったアイテム

舗装の悪い山道を下っていると突然に破裂音が聞こえてハンドルを持っていかれる事があります。

こんな時に限ってタイヤブートも切らしていて、雨天後に使用するためのルブのステッカーをブート替わりにして応急処置を施すことで、なんとか人がいるところまで辿り着けることがあります (※推奨はしていません)。


あるあると思われた方も、どこを走ったらそんな事になるのかと思われた方も、どちらも正しいと私は思います。

豪雪地帯の山道では国道であっても路面が荒れたり、波打っていたりするのは結構あることです。海外に行くと舗装路が途切れたりすることも珍しくありません。

その一方で舗装の綺麗な道路ばかり走っていると、2年以上もパンクとは無縁でチューブの交換時期が分からなくなったりもします (※こちらも推奨はしていません)。

どんな状況であっても確実に役立つのは気温や天候に合わせたサイクルウェアなので、テールライトやパンク修理キットと一緒に真っ先に適切なウェアから揃えるべきですが、それ以外の持ち物については季節や行き先によって変わります。

とくに片道 80km 程度 (渋谷から都民の森、京都七条から金剛トンネル、新大阪駅から和歌山港フェリーターミナル) から 100km 程度 (渋谷から箱根芦ノ湖、京都から敦賀、梅田新道から亀山) のロングライド† になる場合には、それなりに持っていると便利な装備品があります。

ある人にとっては一度も使う機会がないかもしれません。でも他の人にとっては有益かもしれない装備品を備忘録も兼ねてまとめました。




調光レンズのアイウェア

長距離を走る日は必然的に早朝の薄暗い時間に出発して、日没後まで走り続けることになります。とくに視界の悪い早朝未明と夜間に役立つのが調光レンズです。普段は無色透明であり、紫外線に反応して色が変わります。つまり、早朝や夜間と日中とで自動的にレンズの色が変わるアイウェアです。

道路のひび割れ、陥没、黒い服を着た路上の泥酔者の存在など、薄暗い道路は自転車にとって大変危険です。ただでさえ障害物を見落としやすい環境において、さらに光量を減らしてしまう着色レンズの使用はとても危険であり、神経を擦り減らすことにも繋がります。

どれだけ薄い色のレンズを付けても、黄色やオレンジなどの明るい色のレンズに変えても、暗所では色付きのアイウェアを着けると視界が悪くなります。

暗所では無色透明となる調光レンズであれば比較にならないほど視界が良くなるので、安全であることはもちろん、身につけていて楽でもあります。

変色にも気が付かないことが普通であるほど自然です。外してみた際に初めて変色していることに気が付くぐらいです。

しかし、この色の変化は緩慢なので自転車の走行速度でトンネルに入る際には調光は頼りにならず、通常の着色レンズ同様に視界は悪くなります。したがってトンネルの多い山間地での使用を期待して購入するものではありません。

あくまで早朝や夜間の風除け、眼球保護に役立つものであり、その用途では十二分に効果を発揮してくれます。

無色透明のレンズさえあれば、レンズ交換式のアイウェアでも同様に使用することは可能ですが、レンズを持ち運ぶ分の荷物が増える、交換する手間が増えるなどのデメリットもあるので使用頻度が多いと億劫になってきます。

レンズを交換する度にフレームに負荷が掛かり、耐久性が下がってしまう点も見逃せません。長距離を走り続けていると集中力も下がってきて、休憩中に机から物を落としたりすることが増えるからです。その程度の衝撃でも、経年使用で傷んだフレームは簡単に割れてしまいます。

私は調光レンズ付きのアイウェアを1本、色付きのアイウェアを (濃度ごとに) 3本持っていて、その日の天候や行き先ごとに使い分けています。


uvex sportstyle 104 vario 調光レンズサングラス

日焼け止めマスク

ロングライドに出かける際、直射日光に長時間さらされ続けることは避けられません。日焼け止めクリームを塗っても間に合わないぐらい日に焼けますし、皮はむけますし、痛みが出てきます。

日焼けに悩まされずに自転車を楽しむのに最善の方法は物理的に肌を覆ってしまうことです。

私も試行錯誤の末に幾つもフェイスカバーを購入して、最終的に ホワイトビューティー C型 PEARL IZUMI FA-3 UV フェイスカバー の2つを使い分ける形式に落ち着きました。

どこが違うのかと言うとカバーを止める構造と肌への密着性が商品ごとに異なります。ホワイトビューティー C型 はマジックテープで余裕を持って装着できるのに対して、PEARL IZUMI FA-3 UV フェイスカバー はボタンで装着するので風の抵抗が増えないなどの特徴があります。

前者が顔の周りにマフラーを巻きつけるような格好になるのに対して、後者は顔の輪郭が分かるぐらいに無駄なスペースがなくなります。そうした装着感の違いからなのか肌触りも異なります。

装着感が緩くて楽なのは ホワイトビューティー C型 ですが、速乾性が高いのは体感では PEARL IZUMI FA-3 UV フェイスカバー の方です。重さはほぼ同じで、前者が実測 34g 後者が実測 30g です。

これらのフェイスカバーの素晴らしい点は日焼け止めだけでなく、冬場のダウンヒルの寒さを幾分か軽減してくれる効果もあることです。そうした理由もあり、私は季節と行き先と目的ごとに両者を使い分けています。


ホワイトビューティー UVカットフェイスカバーC型

LEDクリップライト

一日のヒルクライムを終えて河川敷を走っていると、暗闇の中を走っているランナーが見えなくて前照灯を上げたり下げたりすることがあります。

こんな時間に人がいるのかと思う深夜でも、ランナーに、釣り人に、直江津に向かう自転車乗りにと驚くほど人の往来があります。

しかし夕暮れ時を過ぎると河川敷はとても暗くなります。周辺に人工光源が少ないことに加えて堤防に囲まれているからです。

ランナーは周りから見えなくて危険だという事実に衝撃を受けて、自分が早朝に走るときにはクリップライトを身につけるようにしました (私の家は川から遠いので河川敷を走ることはありませんが) 。


Zhaozhe LEDテールライト セーフティライト クリップ式 安全警告灯

このクリップライト、自転車に乗る時に着けても良いじゃないかと考えて、一泊二日以上の自転車旅に出かける時には携帯するようになりました。

着替えなどを詰めたリュックサックに着けておけば、自転車を降りた際にも利用することができます。もともとポケットに着けていたものなので、そのままジャージのポケットに着けても良いですし、チェストベルトなどに挟んでおいても支障はありません。

テールランプが切れた際には予備のライトにも使えますし、小さくて軽いので一つ持っておくと安心感が増します。

乾電池式モバイルバッテリー

私はモバイルバッテリーを5本ぐらい持っています。その中で最も使いやすいのは、重さと容量のバランスの良い 2000mAh から 3000mAh 程度のリチウムイオン電池です。

軽くて持ち運びやすく、必要最低限の容量もあり、充電速度も早いからです。容量が大きい物は自転車で持ち運ぶには重すぎます。

乾電池式のモバイルバッテリーは容量も小さく、充電速度も遅いので使い勝手は良くありません。普段は Arduino を外出先で動かしたいときにしか出番がないほど使用頻度は低いです。

ただし、それは (少なくとも出発時点では) 充電がいつでもできる環境にいるからであって、そうではない時に頼りになるのは乾電池式です。

東南アジアに出張に出かけたりすると当然のように停電したり、そもそも送電線が通っていないことも珍しくはありません。山中やキャンプ場にも充電設備はありません。

そこまで行かなくても、夜通し走り続けたり、緊急時にだけ使いたい時には乾電池式は便利です。値段も安いので紛失しても痛くありませんし、あらかじめ充電しておく必要性もありません。

決して使い勝手は良くありませんが、持っていてよかったと思うことが少なくない不思議なアイテムです。


GREEN HOUSE モバイルバッテリー 乾電池式 ホワイト GH-BTB34A-WH

充電式モバイルバッテリー

さきに述べたとおり、通常時の使用において最も使いやすいのは、重さと容量のバランスの良い 2000mAh から 3000mAh 程度のリチウムイオン電池です。

それはロングライドにおいても変わるところはありません。

使いやすいのに乾電池式よりも優先度が低い理由は、冬場はあまり信用できないからです。特定の製品がどうこうというわけではなく、リチウムイオン電池自体が低温に弱く、使用条件次第で電池残量が大きく異なったります。もちろん、アルカリ乾電池でも見られる減少ですが、リチウムイオン電池ほど顕著ではないので、同じ環境で使用していても信頼性が大きく異なります。

私が出張でよく行くミュンヘンでは冬場の夜の外気温は -5℃ ぐらいになったりします。そんな環境でスマートフォンで通話をしていたら、いきなり電源が切れてしまうことが稀にありました。

電源ボタンを押しても、SIMカードを抜き差ししても反応はなく、詳しく調べてみたら直前まで 60% 以上もあったバッテリーが瞬間的に 0% になっていました。

都市部であれば大した問題ではないかもしれません。しかし、ロングライドで好んで訪れるような無人の山中や過疎地においては話が違います。行き先によっては便利さよりも信頼性が重要です。

チーズ用クラッカー

一緒に出かけたことのある方は、ほとんどがご存知なのですが、私は魚介類が食べられません。

エビだけは10年ぐらい訓練して食べられるようになったものの、未だに魚は吐き出しそうになるほど苦手です。燻製にしても、揚げ物にしても、つみれにしても、かまぼこにしても全く効果がなくて困っています。

お好み焼きにかける鰹節や煮干醤油のラーメンは大丈夫なのでアレルギーではないと思うのですが、それ以外は体が受け付けない感じの吐き気を覚えます。

淡水であろうが、汽水であろうが、海水であろうが、生であろうが、焼いていようが、いくら挑戦を繰り返しても食べれるようにはならず、ブラインドテストしてみても魚が入ったものだけが的確にダメなので、半ばもう諦めています。

蟹はさらに苦手で真剣にアレルギーを疑っています。魚とは異なり、出汁や蟹クリームコロッケに含まれているのを口にだけで、本当に蟹が原因で体調が悪くなります。

かろうじて貝は食べられますが、食べられることと好みであるか否かは別問題です。いつも食生活には悩まされ続けており、自転車で出かけるときも例外ではありません。

これだけ食べられるものがないと補給食でも宿でも困るのです。自転車で行きたいような名所や山間地や離島には旅館しかない場合も多く、食べられるものが冗談抜きで白米だけになることも多々あります。

そこで私が補給食として持ち歩いているのがチーズ用クラッカーです。


チェスコ チーズONクラッカー 5枚×4袋

このチーズ用のクラッカーは5枚ごとに包装されており、補給食として持ち歩くのに最適なサイズです。おおよそ 55mm × 50mm × 25mm の表面積に 21g の質量です。ジャージのポケットに入ります。

本当はこれに常用のポケットナイフがあるとなお良いのですけれども、キャンプ場以外でナイフを持ち歩いているのはただの不審者なので、試行錯誤の上に KIRI (児童向けのクリームチーズ) をセットで持ち出すようになりました。

これならナイフを用意しなくても塗ることができますし、持ち運びにも適しています。


■コストコ■kiri キリ クリームチーズ24ピース

何しろ 18g ごとに個別包装されており 37mm × 37mm × 13mm とポケットに入れておくのに調度いい大きさになっています。

わりと頻繁にセール対象品になり、チーズの中では賞味期限が極めて長いので、割引価格でまとめ買いしてストックしておくと優秀な補給食 (兼、夕食) になります。

レンズクリーニングティッシュ

長時間、走り続けていると雨に降られたり、泥が跳ねたり、汗で曇ったりと何かとアイウェアが汚れます。サイクルコンピュータもスマートフォンも汚れて見えづらくなります。

道中にお手洗があったりすれば水道水で丸洗いできるのですが、山道ではそうも行かないことが多くて地味にストレスになります。

そういう時に使い捨てのレンズクリーニングティッシュがあると役立ちます。


HAKUBA レンズクリーニングティッシュ 個装 100枚入り 速乾 除菌 ウェットタイプ KMC-78

個別包装で小さく、荷物にもならないので、3つぐらいツールケースに入れっぱなしにしておくと便利です。

ポリエチ手袋

走っていると駆動系に落枝やゴミが絡まったり、チェーンが落ちることがあります。直そうとチェーンを掴むと手が油まみれになって黒く汚れます。

その手で補給食を食べなければならないときは最悪です。

ツールケースの中にポリエチ手袋を3枚程度、入れっぱなしにしておけば、それを回避できるかもしれません。小さく畳んで収納することができることと使い捨てできることが最大の魅力です。


ポリエチ手袋 No.826 Mサイズ

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† と言っても東京では最も近所にある峠の1つへの最短距離に相当するわけですが