ローラー台に達成感を得る

立て続けの海外出張を終えて帰宅したので、久し振りに趣味の自転車に乗れるようになりました。

スーツケースを引っ繰り返して中身を洗濯機に放り込み、植木に水をやったら、何よりも先に3本ローラー上で自転車に跨ります。

一般的には「つまらない」という評価を下されがちなローラー台ですが、私はある時期からローラー練習に達成感を得るようになり、時間があったら積極的にローラーを回すようになりました。

私の居住地である東京の四谷や麹町付近の道路環境が劣悪な (路上駐車、信号停止、悪質な運転手、そして何よりも事故が多過ぎる) 為にローラー台の方が快適であるという事情もありますが、目標をうまく設定してやると単調でしかないはずのローラー練習を楽しみに変わります。

それはもう他の事を差し置いて真っ先にローラー台に向かうほどに。




実際にやっている事は「時速40km/hを切らないペースで1時間は回し続ける」などといった具体的で、小さく、実現可能な目標を練習毎に設けて、それを達成できるかどうかというゲームを自分自身に課しているだけです。

1時間という練習時間は、都民の森を単独走行で安定して60分切りしたいという私の個人的な都合による設定なので、特に普遍性がある訳ではありません。

都民の森を想定しているのも、峠の中ではまだ自走で行きやすくて、走り慣れているからに過ぎません ※。

時速40km/hという条件も、ケイデンスやペダリングを重視している人から見るとギアを重く設定しすぎと思われるかもしれませんが、私にとっては継続するために必要な速度です。

ローラー台でも5,000km以上も回していると、35km/h未満の速度では走行距離が伸びないので (それ自体は速く走るための練習としてはより効果的であったとしても) 私は性格的に達成感を得られないという事に気づきます。

具体的な目標を達成する事で充実感を得て、ローラー練習を継続する為には、私にとって走行距離は欠かす事のできない要素であり、時間的な制約を考えると時速40km/hという速さが必要となるのです。


MINOURA(ミノウラ) MOZ-ROLLER 3本ローラー チタンカラー

最近では単に決めた距離や時間を決めた速度で回すだけでなく、ダンシングを継続しながらバイクを左右にブレさせないという目標達成に熱中しています。

私のようにペダリングが汚かったり、左右のバランスが悪かったりすると、ローラー台上でダンシングする際に前輪が左右に跳ねたり、後輪がローラーの上に乗り上げたりします。

そうなるとバイクが転倒して落車する危険性がありますので、ダンシングを続ける為にはバイクがブレないように安定させなければなりません。

登坂中に推力にならない余分な動作を避け、バイクを安定させて真っ直ぐに進ませる必要性を感じて取り入れた内容ですが、集中力が必要で達成時の充実感も大きいために新しい目標としても申し分ありません。

こんな練習内容ですので、タブレット端末で映画を見ながら優雅にという訳にはいきません。
私のローラー台の友はiPodとオーディオブックのみです。

一応は Amazon Prime 会員なので激しく動かない時は映画を見ても良いのですが、手元を眺めながら走るのが苦手なことに加えて、日本語リスニング能力が低く、大音量のローラー練習中に台詞を聞き逃して内容を理解できなくなる私は、ローラー台の上で映画を楽しむ事など能力的に不可能。

しかし、目で見るより耳で聞いた方が理解が早い体質なので、オーディオブックならローラー練習に集中していても自然と頭に入ってきます。

そこで活躍するのが iPod です。

防水性では一部の Android 端末に劣る iPod ですが、再生順序が変わると内容が意味不明になるオーディオブックにおいては iTunes/iPod のような使いやすく高機能なプレイリストが必須になります。

何故ならばオーディオブックにおいては、CD1枚に収まる容量のものは簡易版などのほんの一部。大体が複数のディスクに分けられているので、それらを再生時に一つにまとめて正しい再生順にソートしてやらなければならないからです。

高強度で1時間ぐらい回すだけならば必要ありませんが、それ以上の時間を継続して回し続けようとするならば、なくてはならないローラー練習の友と言えます。

その他、顔から滴り落ちる汗を受け止めるサイクルキャップ、火照る体を冷却する扇風機、1時間以上に渡る練習で必要となるドリンクボトルなどがあると、憂いなくローラー練習に集中できるようになります。


※ 私にとって最寄りの峠は約65km離れた八王子の和田峠ですが、これは 最近飽きてきた 登坂距離が約3kmと短く、道幅が狭小で、登坂時間が車やバイクと擦れ違った回数に直に影響を受けますので、目標としては適切とは思えません。

和田峠ぐらいの移動の手間 (我慢して市街地を走らなければならない移動時間) なら、直接、通った方が良いという意味でも目標に設定する意味が希薄です。

ハンドルに抵抗を感じたらヘッドセットを疑え

最近ではほとんどブログに露出する機会のなかったクロモリバイクの Raleigh CRN ですが、実のところ、とある問題を昨年末から抱えておりました。

ローラー台の上で使用するにあたっては何の支障もないのですが、ハンドルを左右に切ろうとすると不自然な抵抗を感じさせます。

固着して動かなくなっている訳ではないので、ハンドルを操作できない訳ではないのですが、無理に動かそうとすると異音を発します。

擬音で言うとガシャ、人によってはギシっと聞こえるかもしれません。




さらにウェットペーパータオルで掃除を行うと、時折、ヘッドセットの周辺から茶色の染みがビッシリとこびり付きます。

おそらくヘッドセット内に錆が生じている事は容易に想像できますが、前回までの記事の通り、しばし出張で海外に赴任していたので、そのままの状態で2ヶ月ほど放置せざるを得ませんでした。

帰国後、久し振りにハンドルを左右に握ってみると、固着していたのか、今までよりも抵抗と異音が大きくなっていました。

ローラー台専用として使用する分にはこのままでも差し支えないとは言え、スチール製のフレームやフォークに錆びが伝染しても嫌なので、行き着けの修理専門店に相談に行きます。

その際に用意していたのがこちら。



FSA の Intellaset ST NO.28-41SC という部品です。

ハンドルの挙動から予め問題の原因が推測できていたので、該当する部品の新品を先に取り寄せて持参します。

もし該当部品の損耗が激しかった場合に、部品ごとまるまる新品に交換してしまおうという訳です。

バイクを購入したショップで面倒を見てもらえるのであれば、こうした手間は不要かもしれませんが、私の場合はバイクを購入した店舗が500km以上も離れた大阪にあり、まったく当てにできないので仕方がありません。

購入した当時は東山丸太町に住んでいたので、何の苦労もなかったのですが・・・



修理専門店にてフォークを抜き、専用工具で圧入されたヘッドセットを外してもらうと、これが面白いぐらいに錆びついてボロボロになっていました。

屋外保管の悲惨な自転車を見慣れた修理のプロをもってしても、この状態は意外だったらしく「こんなに錆びるものなんですね」と感心されます。



水が入りやすい構造など原因は考えられる原因は複数ありますが、ここまで悲惨な結果になるのは、入り込む水分が主に3本ローラー由来の塩分豊富な汗である為でしょう。

原因も結果も何となく予想がついていたので、持ち主としては苦笑いするしかありません。

結論を述べると、部品は持参して正解、Raleigh CRN に適合する部品として Intellaset ST NO.28-41SC も正解、フォークやフレームへの錆の転移も見られずに事なきを得ました。

工賃は私の場合は4000円で、部品の交換作業であっさりと修理が完了したので、とても助かりました。

ただ一つ残念だったのは、錆が出てベトついた古い部品の清掃と再利用だけは諦める結果に終わった事です。

これも安い部品なので無理に再利用する必要性はないかもしれませんが。

Garmin Edge 520 はサイコンとして買いなのか

Garmin の eTrex と Edge シリーズについて調査を行い、あれだけ検討した上で Oregon 600 を購入したわけですが、先日、新たに Edge 520 を買い足す事に決めました。

Oregon 600を中古で放出した末の買い替えではありません。

Edge 520 を買い足した直接の理由は、日々のライド記録をオンライン上で管理する事が甚だしく不便であったためです。

しかし、トレーニングに持ち出すに当たって、その性能がやや過剰であると見受けられた事も購入動機の一因として否定する事は出来ません。

Oregon 600 と Edge 520。異なるGPS端末を両方所有した上でのインプレッションも少ないと思われますので、実際に両者を使用した上での使用感について述べます。




ロードバイクやランニングなどの極端な環境では多機能よりも小型で軽量であることに価値がある

先述の通り Oregon の購入では地図の表示性能と多目的な用途に使えることを重視していました。

これはブルベでの使用を想定していたという事情もありますが、ナビ的に地図情報も利用できたら便利だという思惑がありました。

地図表示の面では、Oregon の優位性は Edge とは比較になりません。

しかし、いざトレーニングに持ち出してみると、日常のライドでは地図表示は不要なことも多く、走行記録データを出力するのに毎回 MiniUSB ケーブルでコンピュータにつないで GPXファイル を取り出して手動でアップロードするという手間ばかりが目立ちます。

また Oregon は日常的なトレーニングに持ち出すには重量やサイズ的にも不向きです。

ロードバイクやランニングで走行中に知りたい情報は、せいぜい時刻と走行距離、速度、斜度ぐらいですので、鮮明で大きな画面は必要ありません。

それよりも走行自体を邪魔しないよう、小型で軽量であればあるほどに使い易いと言えます。

Edge 520は電池持ちが良い

トレーニング記録を計測・記録するデバイスは、小型で軽量であるほど良い訳ですが、小さくなるとバッテリー容量も少なくなります。

GPS端末で衛星電波を受信し、液晶画面に表示する際に消費する電力は (少なくともGarminの各端末では、それほど) 変わらないとすると、本体サイズが小さくなる程に計測時間も短くなってしまうはずです。

実際に Edge シリーズで最小となる Edge 25 の場合、実測では約8時間前後の連続使用でバッテリーが無くなる事が多いとユーザーが言っていました (走行場所や衛星電波の入り易さ等の環境により変化します) 。

これぐらいの容量では、150km 超の週末のライドでは少し心許ないので、Edgeシリーズでは 25 と迷った挙句に、少し大きめの 520 を選択しました。

その Edge 520 ですが、頻繁に本体電源を切ったり、衛星電波の受信を止めたりしているので、購入時に1度充電したきり、1週間連続で使用してもまだバッテリー残量に余裕があります。

電池持ちはかなり良いです。



敢えて記述した理由は、Oregon 600 は電池の持ちが非常に悪いのです。

高精細な液晶ディスプレイとタッチパネルを搭載しているという特殊なモデルである為、内部充電池に加えて単三電池を2本使用していても、衛星電波の受信環境が良くない場所では1日で電池を使い切ります。

電源オフにしても液晶が消えるのみで、Edge ほど明確に本体電源を切れているのかは分かりません。

バッテリーの使用状況を鑑みるに、液晶ディスプレイとタッチパネルの機能をオフにする設定なのかもしれません。

特に衛星電波が全く入らないビル密集地帯では、1晩で確実にバッテリーを完全消費します。

専用品はやはり便利

BLE無線通信でスマートフォンにデータ転送できる事、また連続使用時間が長く、衛星電波の受信を切る設定がある事は、私の環境では大切な事でした。

Edge 520 の購入を検討されている多くの人にとっては、Oregon ではなく普通のサイクルコンピュータと比較して、使い易いかどうかが重要になると思われます。

Edge 520 で関心した事は、本体に複数のマウンティングデバイスが付属してくる事と、室内のローラー台用のモードが設定されている事でした。

前者は私のように2台以上のバイクを所持している人には、大きなメリットとなる事に間違いありません。



後者については、通常のライド記録と区別してデータを残せる他、室内モードでは自動的に衛星電波をオフにする設定ができるというメリットがあります。

この他、表示項目を切り替えて、気温や斜度やケイデンスを表示したり、事前登録したルートを表示したりとカスタマイズ性が高いです。

記録後のデータ編集を行えば、ランニングなどのロードバイク以外の用途にも使えます。

地図表示が不要な日常トレーニングでは Edge 520 は便利

1週間以上、継続してきた感想は、地図表示が不要であればサイコンとして間違いない選択というのが私の Edge 520 に対する印象です。

別売の専用センサー以外、必要なものは全て網羅されており、何かが足りないと感じた事は一度もありません。

トレーニング目的では使用しなくなった Oregon 600 については、今後は海外出張などで活用します。

実際に台湾に持ち出してみて、高感度のタッチパネルと現在地表示が大変便利で手放せなくなったからです。