SONY E-Mount FE 24-105mm F4 G OSS と FE 24-70mm F2.8 GM と TAMRON A036

SONY α7 ILCE-7 を購入して以来、4年近くも単焦点レンズだけで運用してきた SONY フルサイズ Eマウントにようやく加えたいズームレンズが販売され始めました。

利用者からの評判が高く市場でも品薄な TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) です。


TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)

扱える焦点距離が近いためか、店頭販売員さんの話では SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G と (驚いたことに) SONY FE 24-70mm F2.8 GM SEL2470GM とも比較されているようです。

モデル名 焦点距離 絞り値 質量
Tamron Model A036 28-75mm f/2.8 550g
SONY SEL24105G 24-105mm f/4.0 663g
SONY SEL2470GM 24-70mm f/2.8 886g

驚いたことにと付け加えたのは、この3本のレンズに対する私の認識は全く別物だからです。もちろん、それぞれの価格帯はまったく違いますが、性格にも大きな違いがあるのではないかと思っているわけです。

Tamron Model A036 は私の認識では画質重視の寄れる (最短撮影距離の短い) 軽量なレンズです。

同じく画質重視なのが SONY SEL2470GM で、こちらは広角側が (設計が難しいと言われている) 24mm 始まりなのにどの焦点距離でも画質が良くて SONY 凄いなというのを体感するレンズだと勝手に思っています。

MTF チャートを見てみると「単焦点並み」という評価は誇張ではないことが分かります。そこで改めて SONY 凄いなと思うわけですが、常用するには少し重たいですし、Φ82mm のフィルター系は大きいですし、価格も凄いことになっています。




そして、同じく広角側 24mm 始まりの SONY SEL24105G は、焦点距離の範囲が広くて便利な割に画質も良くて使いやすいレンズという認識です。

GMレンズに比べれば軽量ですし、α7RM3 ILCE-7RM3 ボディ 本体 (572g) と合わせて何時間も持ち歩くなら、この辺りが限界な気がします。実際、この組み合わせに電池やSDカードなどを加えると、ノートパソコンと充電アダプタを合わせたぐらいの重さ (約 1.4kg) になります。

SEL2470GM や Tamron A036 ほど画質に重きを置いているわけでないものの、高い画質で広角から中望遠までの距離をカバーできる器用なレンズだという印象があります。また他の2本と違って、レンズ側に手ブレ補正機構が付いているので α6000 系などのサブカメラでも使いまわせるのが特徴的です。

私の用途では広角側の 24mm は必要なかったので、その分、小型で軽量にしてくれた方がもっと嬉しかったというのが偽らざる本音ですが。

私はどちらかと言うと (中) 望遠よりも広角が好きで、24mm 付近であれば (好きな焦点距離だからこそ) 単焦点の ZEISS Batis 2/25 を使いたいです。

人によっては広角ズームレンズ SONY FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM の方が良いかもしれません。

せっかくレンズ交換式なのだから、特定の用途は専用に設計されたレンズに任せてしまえば良いのではないかと思うのですが、外出先で頻繁にレンズを交換するのは流行らない考え方なのかもしれません。

広角 (24mm) と中望遠 (85mm や 105mm) は単焦点に任せてしまえば良いと考えると、その間を埋めてくれる軽量ズームの Tamron Model A036 はとても使いやすそうに見えます。

しかし、このレンズは何処にも売っていないので、販売店でしか触ったことがないんですよね。

私は発売日には東南アジアに出張中で、その2ヶ月後に帰国したときには既に欠品状態になっていました。予約しようにも入荷日と海外出張が重なると最悪で数週間は取りに行けない旨を伝えると店舗に断られてしまう始末です。

入荷連絡を受けて、終業後に店舗まで足を運んでみると在庫なしという状況を複数店舗で10数回ほど繰り返して、疲れてしまいました。

そんな折に「海外仕様の1本だけ在庫が残っている」と紹介されたレンズが SEL24105G です。

使い方が分からないので最初は眼中になかったこのレンズ、延べ100時間ぐらい着けっぱなしにしてみたら、何にでも使える万能レンズなのだと気がつきました。

これ以上、重く、大きくなると鞄に収めるのが厳しいという限界に近いサイズ感、広角から中望遠まで使える焦点距離、広角側でも望遠側でも悪くない描写は、まさに常用レンズといったところです。

唯一、欠点があるとしたら、室内ではISO感度を上げないと厳しいときもあるので、どちらかというとメインで使うというよりサブカメラに着けっぱなしにして、予備で持っておきたいと思いました。

それも解像度重視の α7RM3 ILCE-7RM3 ではなく、より高感度に強い SONY α7 III ILCE-7M3 で使いたくなるので、サブにもう一台フルサイズαを欲しくなります。

もちろん、何にでも使える SEL24105G があれば、せっかく集めた単焦点レンズ群を使う機会はなくなってしまうのではないかと最初は危惧しました。

SEL24105G よりも Tamron A036 の方に興味があったのは、単焦点レンズに足りない焦点距離をズームで補完したかったからです。

しばらく使ってみると手持ちの単焦点レンズ群を活用することを考えるのであれば、むしろ Tamron A036 よりも SEL24105G の方が適しているのではないかとさえ思えてきました。

Tamron A036 の場合は 28-75 mm に足りない部分を他のレンズで埋めていくという考え方になるところを SEL24105G は何にでも使えるため、用途に合わせた単焦点を主に使いつつ困ったときは SEL24105G に任せるという考え方ができるからです。

つまり、前者は Tamron A036 が運用の主役になるのに対して、後者は単焦点が主役になります。

SEL24105G は開放しても F/4.0 までしか明るくならないので、何れにしても明るい単焦点は必要になりますし。

すべてを1本のレンズだけで済ませたい人には SEL2470GM という間違いのない選択もありますし、改めて見直してみると隙のない見事なレンズラインナップですね。あとは供給さえしっかりとしていれば。

続き: SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G の実写と使用感

DSC04893
ILCE-7RM3 FE 24-105mm F4 G OSS ƒ/4.0 65.0 mm 1/60

DSC04380
ILCE-7RM3 FE 24-105mm F4 G OSS ƒ/6.3 105.0 mm 1/125

DSC04809
ILCE-7RM3 FE 24-105mm F4 G OSS ƒ/8.0 105.0 mm 1/125

DSC05317
ILCE-7RM3E TAMRON 28-75mm F2.8-2.8 (A036) ƒ/6.3 75.0 mm 1/80

Sony ILCE-7 α7II から α7R III に乗り換えた理由

先日まで SONY α7 II ILCE-7M2 というミラーレスカメラを使っていたのですが、今回の帰国を機に α7R III ILCE-7RM3 という後継機を新調して乗り換えました。

前者は2014年12月に発売された約2400万画素センサーを搭載したベーシックモデルであるのに対し、後者は2017年11月発売の高解像度モデルです。センサーの画素数が約4200万もある点がベーシックモデルとの大きな違いです。

約2年前のモデルとは言え、強力な手ブレ補正と35mmフルサイズCMOSセンサーを備えた小型カメラは使いやすく、あと2年ぐらいは α7 II を使い倒すつもりでいたのですが、いろいろと比較しているうちに α7R III に乗り換えることに決めました。

最大の決め手は、もちろん α7R III の高解像度に魅力を感じて… ではなくて、キャッシュバックとキャンペーンです。

私個人は α7 II とその後継機 α7 III ILCE-7M3 の約2400万画素で十分すぎると感じています。一眼レフのフラッグシップモデルと比較しても遜色ないですし。

非可逆圧縮してるので参考としては微妙なところですが、風景写真でも α7 II で画質に不満を覚えたことはありません。

ZEISS Batis 2.8/18 ƒ/13.0 1/60 ISO 100

FE 55mm F1.8 ZA ƒ/5.6 1/500 ISO 100

FE 35mm F2.8 ZA ƒ/4.0 1/160 ISO 640

それよりも α7 II を使用していて、どうしても不便に感じることが3点もありました。

不満点をよく見ていくと、α7 III / α7R III からは大きく改善されていることが分かり、乗り換えに大きく心が傾きました。

具体的には次のようにまとめられます。




その1 電池の消耗が気になる

過去に私は初代 α7 から α7 II に乗り換えたのですが、α7 II になってからバッテリーの消費が常に気になるようになりました。

仕様状況によっては使用開始から1時間も経たないうちに、バッテリー残量 100% から 70% 近くにまで減ったこともあります。

安心して使えるのは2時間ぐらいまでの散策やパーティなどに限られ、友人たちと旅行や登山に出かけようものなら予備のバッテリーは必須。

2日以上も充電できないような環境で使用する場合には、かなり頭を悩ませることになります。

その影響から自然と必要最低限以上の撮影はしないようになり、予備で使用している SONY α6000 ILCE-6000 で代用したり、写真好きの友人が一人でもいる場合には他人に任せてしまう癖がつきました。

最終的には僅か 5,000 回程度しかシャッターを切らないまま、本機を手放すに至ります。

このように私にとっては不満しかなかったバッテリーですが、カメラ本体から充電でき、さらに上記の α6000 系のサブカメラと共有できる点は便利ではありました。

次の不満点は瞳オートフォーカスです。

その2 女の子は移り気

カメラに興味関心のない友人知人は、デジタルカメラのオートフォーカスが信用できないことを知りません。

撮影を終えて、自宅の大きなモニターで見返した時になって初めてピントが微妙に合っていないことに気がつくのは、カメラを好きな人にとっては珍しいことではないかもしれませんが、それ以外の人にとっては想像さえもしていない事態です。

したがって合焦位置や絞り値を変化させながら、同じ場所から同じ対象を何度も撮影するわけですが、人物写真で同じことをしようとすると高確率で不審に思われます。

自分から撮って欲しいと言ってきたにも拘わらず、のんびりと撮影を待ってはくれません。むしろ1回シャッターを切っただけでポーズを崩して駆け寄って来るほうが普通です。

そのたった1回のシャッターチャンスで確実に合焦させるために、瞳オートフォーカスが簡単に使えればどれだけ良いことかと過去に何度も思いました。

α7 II にも瞳オートフォーカス機能はあるのですが、使用するまでに一手間かかります。この一手間で被写体 (とくに2人以上の場合) の気が変わってしまうことが少なくない割合で発生するので、機能があるだけでは不完全なのです。

自分が撮影する側ではなく、他の人に撮影を依頼する場合には、なおのこと簡単かつ確実に動作させなければなりません。

私自身、過去にカメラを貸して嫌になるほど失敗しています。フルサイズにZEISSレンズを付けていてもピンボケでは台無しです。

これを解消できるなら、乗り換える意味は大きいと個人的には思えました。

そして最後は α7 II そのものの問題ではないので、ここで持ち出すのはフェアではないのは承知しているのですが、今から購入される方には参考となりそうなので挙げておきます。

その3 ケーブルが多すぎる

α7 II は microUSB ケーブルを使用してカメラ本体からバッテリーを充電できます。この機能自体は素晴らしく、microUSB ケーブルも2014年の発売時点では便利だったのですが、時勢は USB Type-C です。

いつもであれば、また新しい規格を増やしやがってと怒りを覚えるところですが、この USB Type-C に関して言えば、スマートフォンや Nintendo Switch だけでなくノートパソコンの充電にも利用できるので画期的です。

2017年に MacBook Pro を購入したときには USB Type-C が不便で仕方がありませんでしたが、最新の Chromebook も Surface Book も Thinkpad も USB Type-C 充電に対応しています。

同じケーブルを複数のデバイスに使いまわせるということは、荷物も減らせると同時に冗長性も保ちやすくなるので旅行時などには特に利便性が向上します。

私などは持ち運び用のSSDまで早々に WDBK3E0010PSL-WESN USB Type-C に変えてしまったので、カメラだけのために microUSB ケーブルを持ち運ぶのは若干の不便さを感じます。

α7 III / α7R III になって USB Type-C が採用されたことは、私にとってはメリットしかなく乗り換えの最後のひと押しとなりました。

気になる点は価格です。

α7 II から乗り換える費用に見合うか

α7 II / R II と α7 III / R III の機能と価格差でお悩みの方がおられるかもしれませんが、2017年に α7 II を購入した私にとっても α7 III / R III との機能の相違は新規購入を検討する余地があるのか不明でした。

レシートを確認すると購入当時の定価は16万円だったのですが、会員特典なのか、株主優待なのか店舗側で謎の2万円引き、キャンペーンで2万円引きで実質12万円で購入したことになっていました。

現時点で α7 II を下取りに出したときの価格がおよそ5万円から7万円ほどだったので、5,000枚の画像に60,000円を支払ったものとすると乗り換えることが勿体なく思えてきます。

いくつか使いづらい点はあるものの、出力される画像を見れば新機種との極端な違いはなく、まだまだ使用できるわけです。

私は連写撮影は使わず、スポーツ撮影もしないので、いくつか欲しい機能はあるにしろ α7 III に乗り換えるという選択肢はなくなりました。

それならと R III に目を向けてみると、キャッシュバック(※現在は終了)で実質3万円引き、キャンペーンで1万円引きと投げ売りにも等しい価格で売られています。

これを α7 II の下取り価格に上乗せすれば、最初から α7 II を買わずに α7 R III だけを購入した場合と大差無いと思えてきました。

初代 α7 に α7 II と乗り換えてきた私ですが、 α7 R に手を出すのは初めてです。というのもローパスフィルターレスに抵抗があります。

ローパスフィルター

α7 III と R III の大きな違いは画素数の他にはローパスフィルターの有無です。

細かな点ではAFの測距点数や動画性能、常用ISO感度、手ブレ補正などにも違いはあるのですが、スチルカメラとしての両者の性格の差異を明確に表しています。

カメラの話題ではネガティブに語られることが多いローパスフィルターですが、有ったほうが良いどころか、素人考えでは無いと困るんじゃないかとさえ思えます。

詳しくはリンク先を見てください(これだけカメラ談義が盛んなのに日本語がないのは何故だろう)。

Anti-aliasing filter
https://en.wikipedia.org/wiki/Anti-aliasing_filter

とても大雑把に言うとレンズから取り入れた光(の周波数)の一部を除去することで解像度を下げるフィルターです。

解像度がセンサーの分解能を超えると出力される画像がおかしくなることがある (詳しくは aliasing で検索してください)ので、意図的に画像をボカして対応しているわけです。

こんな問題が生じる理由は、デジタルカメラは入力の光を光検出素子 (詳しくは pinned-photodiodes で検索して以下略)で電荷に変換し、それをさらに電圧(アナログ信号)に変換し、その後に標本化、量子化して最終的にデジタル信号(大雑把に言うとデジタル画像)に変換しているからです。

問題が生じるのはアナログの連続信号をデジタルの離散信号に変換する過程でして、ここで最大周波数の2倍以下の周波数で標本化すると高周波の成分が失われたり、元の信号よりも低い周波数が生じて出力がおかしくなります(信号処理の教科書に必ず出てくるので詳しく知りたい方は一読されると参考になるかと思われます)。本来の被写体と掛け離れた画像が出力される原因にはこういうものがあります。

もう一つの問題は光検出素子そのものです。

光検出素子は赤緑青(光の三原色)の何れか1色しか検出できません。このため、画素1ピクセルでは1色の光度を検出して、残り2色は周囲の画素の光度から推定値を補間するようにできています (詳しくは Bayer array で検索 以下略)。

この補間がおかしなことにならないように、解像度を犠牲して入力を調整してくれるのもローパスフィルターの役割です。

無くしちゃって大丈夫なのかなという個人的に思うのですが、メーカー各社からローパスフィルターレスモデルが普通に販売されているところを見ると(レンズの解像度に比較して)センサーの分解能が十分に高ければ、実用上はあまり問題ないのかもしれません(※ 実際にどうなるのかは分かりません)。

フィルターありの α7 III では 35.6 x 23.8 mm のセンサーサイズに pixel pitch 5.9 µm に対して、フィルターレスの α7R III では 35.9 x 24.0 mm に 4.5 µm なので解像度も体感できそうなぐらい異なってくるのではないかという気がするのは確かです(詳しくは Nyquist frequency 以下略)。

Camera Sensor Pixel Pitch List
https://letmaik.github.io/pixelpitch/index.html

一言でまとめると、フィルターがないことに対して根拠もなく構造に不安を覚えるわけですが、センサーの分解能を信じればきっと大丈夫、信じる者は救われると言う気分です。もちろん、トレードオフで解像度があがるという利点はあります。

せっかくなので、この機会に高解像度を体感してみようと浪費を正当化します。

α7 II との2台持ち

どうせ単焦点レンズばかり使うのだから、予備の SONY α6000 ILCE-6000 を売却して α7 を2台体制にするのも良いのではないかとも思いつきました。

α7 系のカメラを2台以上も同時に使用されている方もおられれるのは存じています。

しかし、α7 II と α7 R III とではバッテリーやケーブル類を共有できないことから、考えを改めました。

α7 III と α7 R III の2台持ちであれば(高感度やオートフォーカスや出力ファイルサイズの違いを活かして)撮影場面ごとに使い分ける意味が感じられましたが、アクセサリーが丸ごと入れ替わる α7 II と α7 R III であれば荷物が増えるデメリットのほうが大きいと判断しました。

それに私の場合は ISO 6400 以下しか使わないことが通常なので、使いどころを見失って持て余す未来が見えます。

登山や自転車旅行などの過酷な環境で使うことも考えましたが適当なレンズな見当たらないので、いろいろ考えて手放すことにしました。

機材と一緒に気持ちを切り替えてと行きたいところですが、しばらく出張続きで来年の春まで使う機会があるのか、ないのか。

日本語ともども使い方を忘れそうです。

自転車趣味におけるミラーレス・レンズの使い心地

ロードバイクに乗っていて素晴らしい景色に巡り会うと、良い音楽を見つけた時のように嬉しい気持ちになります。

良い景色を見つけると喜んで自転車を降りたくなってしまいます。

もちろんグループライドの楽しさも分かります。

幼少の頃はノルディックスキーや競泳をやっていたので、競争の楽しさも成長の喜びもよく理解できます。

今まで1時間かかって登っていた峠を40分で登れるようになった時の達成感などは筆舌に尽くしがたいものです。

それでも自転車で出会える景色の方が好きなので、誰かと一緒に行くよりは一人で出掛けて、好きな場所で気兼ねなく止まれる方が私には適しているようです。

そんな光景を記録するために使用しているミラーレスカメラのレンズについて、自転車趣味での使い心地を書いてみようと思います。

あくまで自転車趣味における使い心地です。

私は E マウントしか使ったことがありませんので M4/3 や X マウントについては言及できません。むしろ教えてほしいです。




まずは常用レンズを使用頻度が高い順に紹介していきます。

SIGMA 単焦点広角レンズ Art 19mm F2.8 DN

画角 19mm (換算29mm)
質量 実測 171g (フード込み)

軽くて、安くて、写りも悪くないレンズです。

加えて被写体に寄れる (最短撮影距離が短い) ので屋外の景色だけでなく、室内での料理撮影にも使えます。

大多数の自転車関連記事で用いられているほか、2本も購入して予備にストックしているぐらい好きなレンズです。

ただし、単焦点なのでズームはできませんし、使うと分かりますが焦点が安定しないので動画撮影には不向きです。


SIGMA 単焦点広角レンズ Art 19mm F2.8 DN ブラック ソニーEマウント用 ミラーレスカメラ専用 929749

SIGMA 19mm F2.8 DN 撮影例


SONY 単焦点レンズ Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA

画角 35mm (換算54mm)
質量 実測 131g (フード込み)

本来はフルサイズ E マウント用レンズですが、ときどき NEX-5T / α 6000 に取り付けて自転車趣味でも使っています。

小さくて軽量、写りも良いので、癖は強いながらも使っていて楽しいレンズです。

と言うのも、このレンズはあまり被写体に寄れません。

万能感のある 35mm という画角を活かせるフルサイズでも使いどころを選ぶレンズなので、自転車趣味では尚のこと用途が絞られます。

また APC-S センサーと組み合わせて用いる場合には、自転車から離れた位置まで歩いて距離を置かないと全体像を写せないので、不安定な場所や風の強い場所では気を使います。

雨に濡らしたり、落としても気にならないというほど価格も安くもないので、ここぞという場面に持ち出すことが多いです。


SONY 単焦点レンズ Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA SEL35F28Z

SEL35F28Z 撮影例


SONY 単焦点レンズ E 30mm F3.5 Macro

画角 30mm (換算46mm)
質量 実測 150 g (フード込み)

自転車趣味のためだけに買い足したレンズです。

使いやすい画角、最短撮影距離の短さ、そして安価な価格から用途はいくらでもある…

はずなのですが、あまり使用頻度は高くありません。

大きさも、重さも、写りも全く問題ありません。

しかし、合焦時間が長いので、スペックで見るよりも自転車趣味では使いづらいのが正直なところです。

元よりマクロレンズなので他の用途に用いるべきなのでしょうけど。


ソニー SONY 単焦点レンズ E 30mm F3.5 Macro SEL30M35

SEL30M35 撮影例


SONY 単焦点レンズ E 50mm F1.8 OSS

画角 50mm (換算76mm)
質量 実測 229 g (フード込み)

景色を撮るよりも、ヒトやモノを撮るためのポートレートレンズです。

景色を広く写すことが難しくなるので、特別な意図がある時にしか用いませんが、稀に無性に持ち出したくなる時があります。

同価格帯の E マウントレンズの中で写りが最高だからです。

自転車の全体像を写すには、結構な距離を歩いて離れなければいけません。

最短撮影距離もレストランなどの室内撮影で用いるにはやや厳しいぐらいです。

使い勝手はそれほど良くありませんが、使っていて楽しいレンズであることは間違いありません。

何というかカーボンホイールに通じるところがあります。

ソニー SONY 単焦点レンズ E 50mm F1.8 OSS APS-Cフォーマット専用 SEL50F18


SEL50F18 撮影例


SONY 単焦点レンズ E 16mm F2.8

画角 16mm (換算24mm)
質量 実測 65g

レンズが充実していなかった頃は良く使っていた広角レンズです。

小さく、軽量、安価と自転車趣味に必要な要素を全て満たしている優秀なレンズです。

画質や合焦時間、最短撮影距離は可もなく不可もなく。

使わなくなった理由は、直接的には他のレンズに出番を譲る機会が増えたことですが、間接的には画質や画角でスマホカメラと競合するという事情が大きいです。

これならジャージの背中ポケットに収納できるスマホカメラで良いじゃないのかと思えてこない事もないです。

しかし、専用のコンバータを使用すれば、Eマウントでは貴重な魚眼レンズに変身するという唯一無二の個性を持っているので、まだまだ活躍の場面はあるかもしれません。

なにしろ自転車での持ち運びにも全く苦にならないほど小型で軽量なレンズですから。


SONY 単焦点レンズ E 16mm F2.8 SEL16F28

SEL16F28 撮影例


SONY 単焦点レンズ Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA

画角 55mm (換算84mm)
質量 実測 323g (フード込み)

ヒトやモノを撮るためのポートレートレンズです。

ほぼフルサイズでしか使わないので、ロードバイクと組み合わせて使ったことはほとんどありません。

自転車趣味という観点から見た 50mm F1.8 OSS ( SEL50F18 ) との大きな違いはフルサイズでも使用できること、やや望遠よりの画角、そして3倍ぐらい高価であることです。

レンズの性能的な違いを探せば、解像度やコントラストや逆光耐性など多くの違いを挙げることもできるのですが、そこまで拘りのある人はおそらくこの記事を読む前に実物を購入されて、研究され尽くしているかと思われます。

個人的には自転車趣味用途にそこまでは求めていません。


SONY 単焦点レンズ Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL55F18Z


SEL55F18Z 撮影例


ZEISS Batis 2.8/18

画角 18mm (換算28mm)
質量 実測 370g (フード込み)

フルサイズ E マウントでは希少な広角単焦点レンズです。

しかも、画質も最高です。

その反面、ミラーレスカメラである必要性がないぐらいの大きさと重さになります。

自転車趣味では使ったことがありません。

これをロードバイクと一緒に使える人は、その用途にしかカメラを使わない人だと思われるので、ある意味、尊敬してしまいます。

でも、正直、このレンズを持って乗鞍岳や武嶺を登りたい気持ちはあります。


ZEISS Batis 2.8/18

ZEISS Batis 2.8/18 撮影例


ここまでが私が実際に自転車趣味に持ち出している E マウント・ミラーレスカメラ用のレンズになります。

持ち運べる荷物容量が極端に制限され、温度変化や悪天候、振動などの過酷な条件に晒される自転車趣味で用いるには単に画質や質量だけでなく、体積や価格などの要素がレンズの使い勝手に影響します。

にわか雨に晒されて浸水したり、落車の衝撃で故障することは常に覚悟しなければなりません。

また体積が大きいと登り坂であばれて自転車のフレームにぶつかる事があるので、重さよりも大きさ (小ささ) を重視した方が使い勝手が良くなります。

かと言って携帯性や防水性ではスマホには及ません。

さまざまな要素のバランスを考えていくのが難しくもあり、面白くもあります。

番外編


ここからは私が使用したことがない、しかし、自転車趣味用として興味のあるレンズです。

もし購入して継続使用することがあったら、将来的に本記事中に追記するかもしれません。



SIGMA 16mm F1.4 DC DN


SIGMA の明るい広角レンズというだけで興味が湧きます。価格も自転車用途に最適です。



Zeiss Touit 2.8/12 E-mount


小型軽量で画質も良い APS-C 専用の広角単焦点。ある意味、Batis よりも贅沢です。