SONY E-Mount FE 24-105mm F4 G OSS と FE 24-70mm F2.8 GM と TAMRON A036

SONY α7 ILCE-7 を購入して以来、4年近くも単焦点レンズだけで運用してきた SONY フルサイズ Eマウントにようやく加えたいズームレンズが販売され始めました。

利用者からの評判が高く市場でも品薄な TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) です。


TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)

扱える焦点距離が近いためか、店頭販売員さんの話では SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G と (驚いたことに) SONY FE 24-70mm F2.8 GM SEL2470GM とも比較されているようです。

モデル名 焦点距離 絞り値 質量
Tamron Model A036 28-75mm f/2.8 550g
SONY SEL24105G 24-105mm f/4.0 663g
SONY SEL2470GM 24-70mm f/2.8 886g

驚いたことにと付け加えたのは、この3本のレンズに対する私の認識は全く別物だからです。もちろん、それぞれの価格帯はまったく違いますが、性格にも大きな違いがあるのではないかと思っているわけです。

Tamron Model A036 は私の認識では画質重視の寄れる (最短撮影距離の短い) 軽量なレンズです。

同じく画質重視なのが SONY SEL2470GM で、こちらは広角側が (設計が難しいと言われている) 24mm 始まりなのにどの焦点距離でも画質が良くて SONY 凄いなというのを体感するレンズだと勝手に思っています。

MTF チャートを見てみると「単焦点並み」という評価は誇張ではないことが分かります。そこで改めて SONY 凄いなと思うわけですが、常用するには少し重たいですし、Φ82mm のフィルター系は大きいですし、価格も凄いことになっています。




そして、同じく広角側 24mm 始まりの SONY SEL24105G は、焦点距離の範囲が広くて便利な割に画質も良くて使いやすいレンズという認識です。

GMレンズに比べれば軽量ですし、α7RM3 ILCE-7RM3 ボディ 本体 (572g) と合わせて何時間も持ち歩くなら、この辺りが限界な気がします。実際、この組み合わせに電池やSDカードなどを加えると、ノートパソコンと充電アダプタを合わせたぐらいの重さ (約 1.4kg) になります。

SEL2470GM や Tamron A036 ほど画質に重きを置いているわけでないものの、高い画質で広角から中望遠までの距離をカバーできる器用なレンズだという印象があります。また他の2本と違って、レンズ側に手ブレ補正機構が付いているので α6000 系などのサブカメラでも使いまわせるのが特徴的です。

私の用途では広角側の 24mm は必要なかったので、その分、小型で軽量にしてくれた方がもっと嬉しかったというのが偽らざる本音ですが。

私はどちらかと言うと (中) 望遠よりも広角が好きで、24mm 付近であれば (好きな焦点距離だからこそ) 単焦点の ZEISS Batis 2/25 を使いたいです。

人によっては広角ズームレンズ SONY FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM の方が良いかもしれません。

せっかくレンズ交換式なのだから、特定の用途は専用に設計されたレンズに任せてしまえば良いのではないかと思うのですが、外出先で頻繁にレンズを交換するのは流行らない考え方なのかもしれません。

広角 (24mm) と中望遠 (85mm や 105mm) は単焦点に任せてしまえば良いと考えると、その間を埋めてくれる軽量ズームの Tamron Model A036 はとても使いやすそうに見えます。

しかし、このレンズは何処にも売っていないので、販売店でしか触ったことがないんですよね。

私は発売日には東南アジアに出張中で、その2ヶ月後に帰国したときには既に欠品状態になっていました。予約しようにも入荷日と海外出張が重なると最悪で数週間は取りに行けない旨を伝えると店舗に断られてしまう始末です。

入荷連絡を受けて、終業後に店舗まで足を運んでみると在庫なしという状況を複数店舗で10数回ほど繰り返して、疲れてしまいました。

そんな折に「海外仕様の1本だけ在庫が残っている」と紹介されたレンズが SEL24105G です。

使い方が分からないので最初は眼中になかったこのレンズ、延べ100時間ぐらい着けっぱなしにしてみたら、何にでも使える万能レンズなのだと気がつきました。

これ以上、重く、大きくなると鞄に収めるのが厳しいという限界に近いサイズ感、広角から中望遠まで使える焦点距離、広角側でも望遠側でも悪くない描写は、まさに常用レンズといったところです。

唯一、欠点があるとしたら、室内ではISO感度を上げないと厳しいときもあるので、どちらかというとメインで使うというよりサブカメラに着けっぱなしにして、予備で持っておきたいと思いました。

それも解像度重視の α7RM3 ILCE-7RM3 ではなく、より高感度に強い SONY α7 III ILCE-7M3 で使いたくなるので、サブにもう一台フルサイズαを欲しくなります。

もちろん、何にでも使える SEL24105G があれば、せっかく集めた単焦点レンズ群を使う機会はなくなってしまうのではないかと最初は危惧しました。

SEL24105G よりも Tamron A036 の方に興味があったのは、単焦点レンズに足りない焦点距離をズームで補完したかったからです。

しばらく使ってみると手持ちの単焦点レンズ群を活用することを考えるのであれば、むしろ Tamron A036 よりも SEL24105G の方が適しているのではないかとさえ思えてきました。

Tamron A036 の場合は 28-75 mm に足りない部分を他のレンズで埋めていくという考え方になるところを SEL24105G は何にでも使えるため、用途に合わせた単焦点を主に使いつつ困ったときは SEL24105G に任せるという考え方ができるからです。

つまり、前者は Tamron A036 が運用の主役になるのに対して、後者は単焦点が主役になります。

SEL24105G は開放しても F/4.0 までしか明るくならないので、何れにしても明るい単焦点は必要になりますし。

すべてを1本のレンズだけで済ませたい人には SEL2470GM という間違いのない選択もありますし、改めて見直してみると隙のない見事なレンズラインナップですね。あとは供給さえしっかりとしていれば。

続き: SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G の実写と使用感

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ILCE-7RM3 FE 24-105mm F4 G OSS ƒ/4.0 65.0 mm 1/60

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ILCE-7RM3 FE 24-105mm F4 G OSS ƒ/6.3 105.0 mm 1/125

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ILCE-7RM3 FE 24-105mm F4 G OSS ƒ/8.0 105.0 mm 1/125

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ILCE-7RM3E TAMRON 28-75mm F2.8-2.8 (A036) ƒ/6.3 75.0 mm 1/80

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