クロモリフレームの耐久性・故障・サビ・飛行機輪行と長期使用

今年の初頭にクロモリ・ロードバイクの Raleigh Carlton N の GARMIN/Strava 上の総走行距離が 10,000km を越えました。

私の場合、自転車を始めてから GARMIN を導入するまでに数年の間があるので、本当の総走行距離は 17,000km から 19,000km ぐらいまでの間に収まると思います。

つまり 10,000mi 超えでもあります。

これだけの距離と時間を走っていると、注意点と故障しやすい部位が自然と分かるようになります。






ただし、クロモリフレームそのものはさすがに丈夫で、現在の走行距離の3倍ぐらいの距離は何の問題もなく走れそうです。

私の場合、数ヶ月に1度の頻度で飛行機に載せて輪行までしていますが、空港で放り投げられてもチューブがへこむぐらいで、破断して走行不能になることもありません。

雨も雪も融雪剤(塩化カルシウム)も、もちろん何度も経験しています。それどころか、腐食性の硫黄ガスの生じる火山地帯も繰り返し走行しています。

経験したことがないは海水(水没)ぐらいでしょうか。

それぐらい信用しているフレームですけれども、サビないということはありません。

半年に一度の頻度で某錆スプレーを吹き付けていても、ボルトやケーブル受けなどの塗装の剥がれやすいところを中心にサビは生じます。

まあ、ボルトやワイヤーはカーボンフレームでも錆びる(ドリンクホルダーを固定するボルトを外してみると錆が出てることが多いですよ)ので仕方がないところがあります。

ちょっと困ったのはボトムブラケットシェル下部にあるケーブルガイドのボルトです。

位置的にチューブ内に入り込んだ水が貯まるところですし、道路上の水溜りなどの汚れが付着しやすいところなので、もしフレームが錆びて使い物にならなくなるとしたら、ここから錆が広がったときだと感じています。

最近のフレームがケーブル内装している理由の一つにはケーブルガイドを露出させないことも理由の一つにあるのかもしれません。

じつは私はシティサイクルを過去に3台乗りつぶしていて、その際はいずれもボトムブラケットシェルとシートチューブ、ダウンチューブとヘッドチューブの溶接部分を破断させています。

ダイヤモンドフレームではボトムブラケットとヘッドチューブあたりに大きな負荷がかかるらしく、この辺りが損耗で劣化したり、錆びて強度が落ちてくると危ないですね。

逆に言えば、もっとも負荷がかかるところが大丈夫であれば、そうそう壊れたりはしないということでもあります。

まとめますと、エントリーモデルで安価なわりに丈夫で長持ちしますし、同サイズの他の車種よりも直進安定性があり、それなりに速く走れて、遊びにも使えるので、とても良い買い物だったと思っています。

その上で 10,000km 走った上での不満点を敢えて述べていきます。ここに注意していくと、さらに使いやすさが上がります。




使用上の不満

じつは不満の 90% ぐらいは完成車に付属してくる Tiagra (Tiagra 4600) というグループセットに由来します。

Raleigh Carlton-N CRN は完成車として販売されているバイクの中では、極めて良いパーツ (Tiagra) が付いてくるので、そのままでも不便なく乗り続けることが可能です。

唯一の例外は付属品のブレーキで、ここだけはロードバイクの走行性能と比較して制動力が不足ぎみなので、事故を起こす前に早急に交換したほうが良いです。

同じ SHIMANO の上位モデル(金属プレート付きブレーキパッド)に交換するだけで快適性や安心感が別物のように変わります。

当然ながら走行距離が長くなると疲労感にも影響しますし、ダウンヒルでの安全性も向上します。制動力が低くて良いことは一つもありません。

ブレーキを除いては Tiagra も良い機材なので、性能そのものに対する不満はあまり感じません。

不満を感じさせるのは現行の 10 速 (後輪の歯車が10枚) という仕様です。

昔のロードバイクは後輪の歯車が 8 枚ぐらいしかなかったのですが、徐々に増え続けて最近では 12 枚のモデルも出てきています。

2019年現在の主流は圧倒的に 11 枚でして、チェーンもスプロケットもホイールも何もかもが 11 速を前提にできています。

そんな中で数年前から 10 速に取り残されている少数派グループセットの代表が Tiagra なのです。

噂されている今年のモデルチェンジで 11 速化されてしまえば、現行 (4700) グループセットはますます少数派になり、10速を維持したままであれば大多数とミッシングリンクも共有できない不便な現状を維持することになります。

ロードバイクを2台以上もっていたり、パーツのアップグレードを考えるときに、ほぼ独自規格と化している10速仕様が足を引っ張ります。

11速に比べて何かしらの利点があればよいのですが、チェーンチェッカーで定期的に計測しても11速に比較してチェーンの耐久性があるわけでもなく、11速を前提に設計されたホイールの性能が向上するわけでもなく、積極的に選ぶ理由が見当たりません。

ある程度、使い込んだ時点で11速に載せ替えることを前提に、消耗品も最低限しかストックしていませんけれども、総走行距離 17,000km ぐらいでは壊れる気配すらありませんので処理に困ります。

グループセット(ほぼブレーキと10速)に対する不満を除けば、気になる点はそれほど多くはありません。

その数少ない不満がシートクランプです。

Raleigh Carlton のシートクランプ径は特殊です。専門店に赴いても、まず在庫が存在しないと考えてください。

私のように頻繁に飛行機に乗せて、その度にシートポストを引き抜いたりしていなければ、それほど壊れる部品でもないですけど、いざ壊れてしまうと代替品が見つかりません。

もっとも良いのは ARAYA の取扱店でシートクランプの交換部品を取り寄せることで、この場合は1週間ほどで入手が可能です。金額は1,500円前後であったと記憶しています。

試したところ Φ30.0 mm のシートクランプであれば互換性が有りますけれども、これ自体が入手困難なので台湾から個人輸入したりしない限り、普通には購入できないと考えてください。

なお特殊なのはシートクランプのみで、ヘッドセットは 42mm 外径の一般用で交換部品を探せますし、ボトムブラケットは最も安心感の高い SHIMANO のスレッド式が使用できます。

わりと走行性能も高くて丈夫な割に整備性が高いのが一番の魅力になっていると思います。

定期的に部品を交換しながら、あと 40,000km ぐらいは乗りたいですね。

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