34mm 1/200 sec f/7.1 ISO 100
2023年の年初に SONY ILCE-7C こと α7C を購入しました。
それから約1ヶ月ほど使い続けて、なかなか気に入っているので使い勝手についてまとめてみます。
α7C の特徴を一言で表せば、現時点で市販されているレンズ交換式フルサイズミラーレスカメラで世界最小・最軽量を謳っていることです。
カタログスペックで比較すると旧モデルの α7 ILCE-7 (2013) のほうが軽量ですが、旧モデルと比較して大型のバッテリー、光学式ボディ内手ブレ補正機構を搭載していることを考えるとカメラとしては全くの別物です。
α7 | α7C | |
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質量 | 416g | 509g |
バッテリー | 7.3 Wh / 1,020 mAh | 16.4 Wh / 2,280 mAh |
個人的には軽量性よりも、その唯一無二の形状とバリアングルモニタの採用こそが α7C の最大の特徴だと思っています。
α7R IV / ILCE-7RM4 までの SONY のミラーレスカメラや RX100 シリーズは伝統的にチルト式モニタを採用してきました。
ところが、同時期に発売された α7S III と α7C からはバリアングルモニタを搭載しています。
これによって破損しやすい液晶モニタを折りたたむことができるようになり、持ち運びしやすくなりました。
とくに足場の悪い登山や両手が塞がっていることの多いアウトドアでの使用において、肩に掛けたまま持ち運べるのはとても使いやすいです。
これをさらに使いやすくしているのが、背面の左上に設置されている電子ビューファインダー(EVF)の存在です。
基本的に電子ビューファインダーを覗いていれば、背面の液晶モニタを見る必要はないので、撮影時はモニタをずっと折りたたんだまま運用することが可能です。
もちろん、ファインダーの位置はレンズの真上、一眼レフのペンタプリズムが搭載されていた部分にあったほうが、手ブレしなくてストレスが少ないのではないかと最初は考えました。
その考え方も間違いではないと思いますが、約1ヶ月ほど使用してみても電子ビューファインダーの位置が変わったことによって不便に感じることはありませんでした。
三脚を使わずに暗い場所で撮影する場合でも、支えになるものさえあれば強力な手ブレ補正を活用してなんとかできる場合が多いです。
ただし、ISO の数値は簡単に跳ね上がります。
40mm 1/2 sec f/5.6 ISO 2500
37mm 1/8 sec f/5.6 ISO 2500
24mm 1/30 sec f/5.0 ISO 1000
さすがに画素数控えめえなフルサイズだけあって、ISO が多少あがっても実用上はあまり問題ないのですが。
どちらかと言うと撮影時に不便を感じるのは操作性の方です。
旧来の SONY のミラーレスカメラ、具体的には α7R III / ILCE-7RM3 あたりまでのモデルではマニュアルモードのダイアルは直前に操作していた部分を調整できた記憶があります。
絞り値優先モードからマニュアルに切り替えたのであれば、絞り値。
シャッタースピード優先モードから切り替えたのであれば、シャッタースピードをマニュアルモードでもダイアル操作で調整できたように記憶しています。
それが α7C ではマニュアルモードでダイアル操作できるのは絞り値だけであり、シャッタースピードは直前のシャッタースピード優先モードにおいて設定された数値がそのまま引き継がれるような印象があります。
調整用のダイアルが一つしかないこともあり、この点ははっきり言うと使いづらいです。
操作性でコンデジの RX100 M5A に負けてます。
それから頻繁に使用されるメニューボタンも UI を無視したかのような位置に設置されています。
このあたりの操作性や動画性能は小型化とのトレードオフになっているのかもしれません。
あるいは操作性やファインダーの位置に拘る人には通常モデルの α7 IV や α7 III。軽量性に拘る人には α7C という棲み分けとも考えられます。
長く使っていると気になってくる部分なので、購入を検討されている方はデモ機を用いて感触を確かめることをおすすめします。
それ以外の面では、本体のみで充電できますし、オートフォーカスは動物も追尾するぐらい優秀です。
高速連写や高感度撮影などの最高性能を求めない限り、ほとんどの機能で十分な性能を有しています。
操作性は少し残念ですが、その反面、携帯性は素晴らしいものがあります。
より軽量なはずの α7 (旧モデル) と比較しても形状のために α7C のほうが持ち出しやすいぐらいです。
その点に価値を見いだせるのであれば α7C は市販モデルのなかで最良の選択肢になり得る実力を有しています。
82mm 1/160 sec f/8.0 ISO 100
39mm 1/40 sec f/5.6 ISO 800
この記事にあげているサンプルは、JPEG 撮って出しで EXIF も削除していないので、そのあたりから本体の素性を感じていただけると幸いです。