愛用してきた Samsonite Janik 50 が傷んできたのでスーツケースを新調しました。
購入したのは American Tourister の Spinner 50 (39L) です。
American Tourister は Samsonite に買収されて、現在では実用的な普及モデルを提供しているブランドです。Spinner 50 はその中でも小型な機内持ち込み用ソフトキャリーケースにあたります。
一方、いままで使用してきた Samsonite の Janik Spinner 50 (42L) は、おなじ小型のソフトキャリーケースのなかでも品質に拘ったより高価格帯の商品となります。
実質的に同じ会社から販売されている商品で、前者の販売価格が 2万円 程度なのに対して、後者の実売価格は 3万円超 です。
両者を比べてみると地味に大きな違いがあります。
まずは共通点ですが、両者ともに4輪タイプのソフトキャリーケースです。車輪のなめらかさや転がしたときの騒音は両者の間で、それほど違いはありません。
さらに高価格帯のモデルになると独自の振動吸収機構を備えた専用のキャスターを搭載していますが、この価格帯のモデルどうしの比較ではおそらく構造も材質も大きく変わらないかと思われます。
それから同じ寸法で Samsonite のほうが収納容量が大きいといった機能的な差異もないです。
両者を見比べて気づく相違点はボディの素材となっている布の材質と手に触れる部分です。言い換えるとハンドルとジッパーに大きな違いがあります。
American Tourister のスーツケースのハンドル部分が握れれば良いという実用的な構造になっているのに対して、Samsonite のそれは鞄として持ち歩いても疲れないように様々な工夫が凝らされています。
両者を持ち上げて歩いてみるとハンドルの伸縮性から握り心地まで全くの別物に思えます。
ドローバーを引き上げてみると Samsonite は専用品となっていますが、American Tourister のほうは市販のスーツケースでよく見かける構造をしています。
細かいところではジッパーのレバーも Samsonite は指が触れたときの感触に気を遣っていることが見て取れます。
全体的に Samsonite のスーツケースは鞄として高品質です。
一方で American Tourister のそれはスーツケースとして必要十分以上の品質と機能を満たしています。
ハンドルの構造が単純である分、上位モデルよりも故障やトラブルは少ないかもしれません。
ポリエステル製のボディも高級感こそありませんが、見方を変えると摩擦に強く、長期間使用しても劣化しにくいという長所になります。
さらに言えば、毎日スーツケースを何時間も持ち歩く人のほうが少ないわけで、車で空港に乗り付けて飛行機に乗せる運用をするのであれば、それほど気にならない部分でもあります。
今回、 American Tourister の Spinner 50 (39L) を購入したのは、40L 程度のキャビン持込可能のソフトシェルで縦開きのものが Samsonite にはなかったからです。
Samsonite Janik 50 で最も気に入っていた部分がサイズとフロント・オープンの構造なので、後継モデルがあれば良かったのですが、残念ながら現在のソフトシェルの商品展開は横開きのものばかりで、縦開きの小型モデルは見当たりません。
そういう意味では American Tourister – Spinner 50 は、複数買いしても良いほど貴重なモデルなのかもしれません。
115cm / 40L のサイズとソフトシェル、そしてフロント・オープン構造。
ここが私にとっては譲れない条件であったので、 American Tourister – Spinner 50 は間違いのない選択でした。
同時にカタログや商品サンプルなどを入れて、長時間、徒歩移動をされる方であれば、Samsonite の競合モデルも十分に選択の余地ありだと思います。