夏季の登山での使用を想定してレインジャケットを購入したのは過日の話です。
つねに悪天候への準備を怠らないようにバックパックに収納しておくのは良いものの、使用する機会があまりに少なすぎて、その正しく効能を認識できずにいました。と言うのも、私の場合、どこかに出かけるときは当地の事前予報が雨でも、出かけている最中には降雨に遭遇しない場合のほうが圧倒的に多いのです。
自転車を趣味の一つとしている立場からするとありがたい偶然ですが、その反面、トラブル対応の経験が少ないので、いざという時には自分が困ります。
それならば、間違いなく雨が降る状況で飽きるほど使ってみては?と考えて、いつもの真冬のヨーロッパに持っていったところ、その機能性と快適性に舌を巻きました。なにこれ凄い
防水性は期待どおり。防風性と保温性は期待以上。汗抜けも良いので適切なスポーツウェアをインナーに組み合わせれば、まるでトレーニングジャージのような快適性です。
何よりもありがたいのが軽量で小さく折りたためる収納性の良さ。これの 7 倍ちかい価格の冬物コートがインナー込みで実測 1.7kg 超なのに対して、この「レインウェア」の重さは(シェルのみとは言え)わずか実測 600g 程度です。
ユニクロのウルトラライトダウン(実測 225g)をインナーに合わせれば、質量は先のコートの半分を下回ります。コートは小さく折りたためないので、携帯性や収納性では比較になりません。
PHENIX ジャケット チャコールグレー PH852ST20
もちろん実用重視のスポーツウェアなので、普通のコートのほうがデザインは洗練されているのは確かですが、コートは室内に移動した時点で脱ぐのが普通のものですし、屋外は寒くて暗いために他人の衣装などに気を配っている余裕はないので、街中にも普通に着ていけます。
本音を言えば、購入時には夏山や台湾環島を想定していたので、冬場の市街地でこんなに役立つとは思ってもみませんでした。雨どころか、雹でも、雪でも大丈夫です。
こんな環境でスキーグローブなどを長時間使用していると、内部に浸水が起こることがあります。
ところがレインジャケットは撥水するので 1 日に 10 時間以上も雨雪に晒されても浸水することはありませんし、泥水が跳ねて汚れてもシャワーで洗い流してタオルで拭けば、すぐに再利用できるようになります。
笑ってしまうのは内ポケットの防水性の高さで、ファスナーを絞めて内側に水が入らないようにしてさえいれば、シャワーで水をかけても問題がおきたことはありません。
いつも私は内ポケットに緊急時用の紙幣を入れたまま、シャワーで泥を洗い流しています。
シャワーで洗い流しても、汚れが落ちないときは街のクリーニング屋さんに任せれば €10,- 程度で元通りです。
この手のレインウェアはクリーニングに出せないものもあるので注意が必要なところ、水洗可能でクリーニングが利用できるというのはアウトドア用途に併用する際にも欠かせないメリットです。
唯一、個人的に気に入らないのはポケットのフラップで、激しい雨のなかで長時間使用すると、ここに雨水や泥水が溜まります。
私の場合、雨の日はここに SONY RX0 II を入れているので、頻繁にポケットを開閉する度にフラップを伝って落ちてきた雨水がポケットに入り込みます。そして撥水性が良いばかりに入りこんできた水が抜けることはありません。
ここがフラップなしのファスナーであれば、言うことはありませんでしたが、そう都合が良くは・・・
と思っていたら、何かそれっぽいものを新たに見つけてしまいました。
しかも、使い捨てしても全く惜しくないぐらいに安価。
使わないものをいくつも持っているのは好みではなく、むしろ、全ての持ち物をスーツケース2つ分に収まるぐらいに減らすほうが理想なのですが、クリーニング中に「コート」が無くなるのも不便なので、自分に言い訳しつつも結局レジへ。
なぜか支払い時にさらに 30% 引きされて信じられない値段になりました。
この価格なら間違いなく「買い」ですが、機能と利便性と汎用性を考慮すれば定価でも十分に安いぐらいです。私も一着目は新宿の専門店で定価購入しましたが、品質と価格には心から満足しています。
レインジャケットを一着持っていると文字通りに機会と行動範囲が大きく広がるからです。防水、防風、軽量と言った機能性は旅行やアウトドアで間違いなく威力を発揮します。