台湾での自転車 (鉄道) 輪行規則

台湾で開催されるMAXXIS太魯閣国際ヒルクライムという自転車レースに参加する為、台湾の鉄道に自転車を載せる(輪行する)為の規則を調べました。

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2017年7月追記

桃園捷運機場線 (Taoyuan Airport MRT/機場線、以下MRT) の開通により、鉄路のみで空港から台北や中南部の諸都市に輪行できるようになりました。

大雑把に言うと、MRTは台北の地下鉄です。桃園空港と臺北車站 (台北中央駅) 、高鐵 (Taiwan High Speed Rail/俗に言う台湾新幹線) の高鐵桃園站 (高鐵の桃園駅・在来線の桃園站とは別です) の3地点を結びます。

これにより空港から台北市内に直接行けるようになったほか、 (臺北車站で在来線に乗り換えて) 台湾東部へ、また (高鐵桃園站で高鐵に乗り換えて) 台湾中部や南部にアクセスできます。

台中や台南、高雄などに向かう場合、台北を経由するよりも高鐵桃園站から高鐵を利用した方が移動距離が短くなるので便利です。

MRTでは荷物の最大の長さを 165cm 未満、3辺の合計を 220cm 未満に抑えられれば輪行を行う事が可能です (係員に訪ねて確認を行いました) 。

MRTの注意書き


高鐵の場合は最大の長さが 150cm 未満、3辺の合計が 220cm 未満が輪行の条件です。

ただし、あまり厳しくは確認されません。

台鉄の在来線や高速バスの場合、毎チケット購入時に駅員がメジャーを持ち出してきて細部まで計測するので、拍子抜けしてしまいます。

余談ですが、高鐵を用いて輪行でする場合には、予め時刻表を調べて目的地への列車の到着時刻を把握しておくことをお勧めします。

高鐵は途中駅の停車時間が短く、停車直前になってから下車準備をしていては、間に合わない可能性があるためです。

とくに夜間の移動では窓外の景色が全く見えませんので、何度も台湾を訪れていても容易に現在地を見失います。

海外旅行用のWi-Fiルータを使用していても、列車の乗車中には正確な位置情報を取得できない事があるので当てになりません。


台湾での輪行について

臺灣鐵路管理局、もとい、台湾鉄路管理局(以下 台鉄)の公式にBike Transportation: Instructions for Passengers with Bicyclesという項目があるので、そちらを参照します。※現在も規則の見直しが行われているようなので、必ずご自身で最新情報を確認してください。

出典: Taiwan Railways Administration.MOTC – Instructions for Passengers with Bicycles

簡単に意訳すると「自転車の輪行:自転車を持ってご搭乗のお客様へ」といった内容です。


日本語の公式情報は、少しググったくらいでは見つからないので 英語で見た方が早い 仕方ありません。

※注意 台湾で輪行できるのは公式情報に記載されている車両に規定に従った方法で持ち込む場合のみで、違反した場合、自転車1台につき成人1人分の料金が徴収されます。


自転車の分類

台鉄の輪行には2つの自転車の分類があります。この2つの分類により輪行の方法が変わります。

— 引用開始 —

  1. Folding Bicycles : bicycles that can be completed contained in a bag
  2. Non-Folding Bicycles : bicycles that are not stored or completely packed in a bicycle bag

— 引用終了 —

1.は輪行袋に入る自転車の事です。

Folding BicyclesというとBromptonやBike Fridayなどの折りたたみ式ミニベロを思い浮かべます。

しかし、台鉄の規定では「Folding Bicycleとは専用の収納バッグ(輪行袋)に入る自転車」という定義なっているので、ロードバイクでもFolding Bicyclesの分類になります(駅員にOSTRICH ロード220収納時の写真を見せて確認しました)。

呼び方が紛らわしいので、この記事では輪行袋に入る自転車と呼びます。

2.は輪行袋に入らない自転車を指します。以後、輪行袋に入らない自転車と呼びます。

1. 輪行袋に入る自転車

輪行袋の大きさは、縦横高さの3辺の和が 200cm を超えてはならず、また、1辺の最大長が 150cm を超えては成らないと記されています(21.04.16 追記)。

このサイズに収まる輪行袋(自転車)は、普通の近郊路線や急行電車(Commuter Train, Commuter Express, Ordinary Train)のどの車両にでも無料で載せられるとあります。

— 引用開始 —

  • Free of charge. (持ち込み無料)
  • No car limit. (持ち込み車両の制限なし)

— 引用終了 —

次のような但し書きがつきます。

— 引用開始 —

  • Passengers should put the bicycle in the bicycle bag before passing through the ticket examination gate and must not take it out from the bag after leaving the station. (改札に入る前に梱包し駅を出るまで収納しておくこと)
  • The entire bicycle must be packed and contained in a bicycle bag. (自転車が輪行袋からはみ出してはならない)

— 引用終了 —

ここまでは、日本での輪行と大きく変わりません。

急行列車での輪行

自強號(PP Ziqiang Express)、復興號(Fuxing Express)、普悠瑪號(Puyuma Express)などの急行列車では、車内の保管場所などの個別の規定が明記されています。

— 引用開始 —

自強號 PP Ziqiang Express 12号車の指定の場所
復興號 Fuxing Express 通路を塞がない位置・連休中は持ち込み禁止
莒光號 Juguang Express
自強號 DMU Ziqiang Express
普悠瑪號 Puyuma Express 1号車と8号車の大型荷物置き場・有料1車両に2台まで

— 引用終了 —

自強號(Ziqiang Express)、莒光號(Juguang Express)、復興號(Fuxing Express)には速度と停車駅の数に違いがあります。

TAIPEI TIMESによると自強號(Ziqiang Express)が最も速く平均時速94kph、次に速い莒光號(Juguang Express)で凡そ70kphだとか。


普悠瑪號(Puyuma Express)は更に速いようです(18.04.16追記)。
出典: TAIPEI TIMES : Trains cater to tourists


(´-`).。。ooO○◯(太魯閣に行くのはPuyuma Expressっぽいな)

台湾人の友人の指摘によると、これらの急行列車で日本と同様に輪行を行う為には、時刻表の 可攜帶「置於攜車袋之自行車」 のマークの付いた列車を予約する必要があるそうです。

英語の時刻表では輪行の可否について未対応との事なので、ここでは中国語版をご参照ください。

台北から太魯閣に向かわれる場合、出発地を「臺北」または「樹林」目的地を「花蓮」に設定します。


輪行袋に入らない自転車

輪行袋に入らない自転車、すなわち台鉄で言うところの Non-Folding Bicycles は、有料自転車輸送列車(Bike Transportation Trains)を利用するか、近郊路線の列車の一部をチャーターして載せるようです。

自転車輸送列車(Bike Transportation Trains)は “specifically designed” だそうです。
見たことがないのでよく分かりませんが、おそらく、以下のリンク先にある写真のような構成でしょう (リンク先に輪行時の写真があります)。

http://forumosa.com/taiwan/viewtopic.php?t=95156#p1469589
この自転車輸送列車(Bike Transportation Trains)には、次のような規定があります。距離が長くなると料金もかさみそうですね。
— 引用開始 —

  • “one bicycle equals one person” (自転車1台の運賃は成人1人の運賃と同じ)
  • One passenger with one bicycle can buy the ticket. (1人につき1台まで)
  • Passenger fare discounts are available only for ordinary trains. No passenger fare discount for limited expresses . (10人以上の利用で割引 ただし急行列車では割引なし)

— 引用終了 —

こちらについての注意書きは、10人未満なら出発時刻の1時間より以前に申し込みが必要です(出発の3日前の申し込み推奨)。10人以上なら出発の3日前まで(14日前推奨)とあります。

チャーターについては最低利用人数(30km)、最低利用距離(60km)などの制限があり、混雑状況により許可されない可能性があるなど書かれていますが、この記事をご覧の95%以上の方には無関係だと思われるので割愛します。





Bicycle Shippingの利用

上記の2分類のほか、自転車の種類によらずに Bicycle Shipping という輸送方法を利用できる可能性があります。

こちらの詳細は現地の駅に行って申し込まないと分かりません。距離に応じて利用料金が定まるようです。

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