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この国のかたち

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地方都市の郊外を走っていると、ある時点から住宅地が途切れて農耕地や緑地に変わることがあります。

この境界が生まれる原因には市街化調整区域という区分が存在し、都市計画法という法律によって開発が抑制されているというのは後から知ったことですが、不自然に見える社会現象の背景には法律や政策が存在していることが少なからずあります。

東京23区と比較して大阪市内に高等教育機関が少ない原因には工場三法の存在が指摘されていますし、千葉県 (特に早くから市街化していた北西部) の道路が交通量の割に狭小で、形ばかりの歩道は電柱で埋められている理由には成田空港問題の影響があるという意見を耳にします。

コンクリートで固められた水路に注意を向ければ、防疫の歴史に辿り着きます。

  • 「あぜをコンクリートで固めるのは自然破壊ではないか?」→「日本住血吸虫症 地方病でググれ」→ウィキペディアの記事が感動的だった
  • https://togetter.com/li/883236




存在さえ知らず、意識すらしていなかった法律や政策といった決まり事の存在が、自分が普段から眺めている景色に多大な影響を及ぼしていることに驚くばかりです。

その影響は上空からでもしっかりと確認できます。


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関東の人であれば馴染みの深い霞ヶ浦に宮ヶ瀬湖、富士スカイラインまで、この1月上旬には明確に認識できます。

それと同時にしっかりと絶望させてくれる東京の過密こそ、誰もが分かりやすく見てとれる社会的な現象です。

その悲惨な生活環境も自然に産まれたものではなく、意識的に作り出されたものであると考えると未来に対して僅かばかりの希望が湧いてくるというものです。




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私一人が意識したところで何も変わりませんし、権限も責任も無いものが正誤の判断を行う不毛な「論争」などには興味ありません (価値判断を伴う意見は同意できる内容であっても書き込まれたら削除します) 。

目に見えず、日常生活で意識する機会も少ない規則について改めて意識してみると、新しい発見があるかもしれないと言うことで、少し悩みましたが一応は公開記事にしておきます。

意識することは大切なことで、例えば、私にとって日本の鉄道とは不動産会社 (営利企業) の副業にしか見えませんし、他国の公共交通機関の連携の良さ、「公共性」を知っていると、国内だけを見て手放しに絶賛している人の気持ちは全く理解できません。

少し具体的に述べると、一定区間内の移動であれば、鉄道・トラム・バスを何度も乗り継いでも一定料金のままであったり、市バスであれば何処まで乗っても同一料金であったりすることも、国外に目を向けると珍しいことではありません。

東京に来て* 他の鉄道会社の路線への乗り換えごとに運賃が二重、三重に増えて行き、同じ系列会社の運行している鉄道とバスを乗り継いでも別料金で、交通網の発達した都市部の住人ほど歩く距離が長いと知って信じられない気持ちになったことをよく覚えています。

しかし、膨大な設備の維持費を抱えながら、運賃を規制で制限され、飛行機やバス、自家用車と競争させられ、さらに営利企業として採算性まで求められれば、組織として存続するために沿線開発や事業多角化も必要で、結果として現状の形態にならざるを得ないことに理解は示せます。

本題から逸れるので詳しくは触れませんが、もちろん採算性を度外視して設備の維持更新、技術開発まで行えなくなることも問題であることには間違いありません。

注目して頂きたいのはそこではなく、(鉄道に限らず) どうして現状のようなかたちをしているのかという一点です。


* 私自身の生家も東京都内にあるので、ややこしいのですが、転勤族の家に生れ育って「戻ってきて」と言えるほどの結び付きがないので、こう言います。