撮影機材を一新

趣味のロードバイクのお供として長らく使用していた SONY の NEX-5N ですが、先日から訳あって後継機の SONY NEX-5T にその役割を譲る事になりました。長い間、どうもありがとうございました。

撮影機材としては電子水準器が内蔵されていない事ぐらいしか不満らしい不満はありませんでしたが、2011年の発売以後の技術革新により、カメラ本体での充電ができない事やスマートフォンに画像転送できない事など、最新機種と比較してしまうと運用面で不便に感じる事はない訳ではありませんでした。

日帰りできる近郊なら問題にもならないのですが、海外などの遠距離に飛行機輪行する場面では撮影枚数を限定するなどの工夫が必要な事に若干の不便さを感じていました。




充電池の持ちの良さ (撮影枚数) や防塵防水機能、レンズの安価さに惹かれて、この機会に一眼レフのエントリーモデルの購入も真剣に検討しましたが、手持ちのEマウントレンズ群が割と気に入っていた事が直接の原因となって結果的に後継機という選択になりました。

カメラは置き物ではなく撮影しなければ評価できないという信条から、購入したその日のうちに片道65kmほど走って八王子の和田峠に試写に行って参りました。



いつものレンズ SIGMA 19mm F2.8 DN を付けての撮影なのですが、慌てすぎて静止画の記録方法を JPEG+RAW に設定していなかったので出力は JPEG 形式のみです。

ピーキングやマニュアルフォーカスを設定したり、タッチフォーカス機能を切ったり、新型機種になった事で設定項目が多くなった事を実感しますが、基本的に使用する機能は旧モデルと変わりません。

旧モデルと比較して気がつくのは、電源を入れてからの立ち上がりに時間が掛かる事と、撮影者が環境を制御する余地が減り、よりカメラ任せの運用をするようにデザインされている事です。

前者には困ったものですが、後者には良い面も悪い面もあり、評価が難しいところです。

山に登り続けたり何時間も走っていると、カメラの設定を見直して…といった一連の細かな作業が煩わしくなってくるほど思考力が低下します。

しかし、また別の場面では「こういう写真が撮りたいという」と感じるもので、細かくメニューを設定する事を想像するとシャッターチャンスを逃しそうな気がします。

何より、せっかく設置されている物理ダイアルが勿体ないですね。



と、ここまで終わる話だったのですが、何を考えたのか気が付いたら α7 ボディ ILCE-7 を下取りに出して、α7 II ボディ ILCE-7M2 を一緒に購入してしまいました。

何が変わったのかと言いますと、カメラ本体内に手ぶれ補正機能が内蔵されました。他にもいろいろ改善点があるのでしょうが、私にとって重要なのはそこだけなので他は割愛します。

フルサイズだろうがストラップにぶら下げて山奥や海岸線まで持ち出す事に違いはありません。

私はオールドレンズなどは余り使用しませんが、三脚などを携帯できるだけの収容力がない事がほとんどなので、手ぶれ補正は今までに最も欲しかった機能です。

手持ちのカメラが完動のまま下取り価格が付くうちにという思惑も重なり、その場で悩まず購入に至りました。

購入した分だけ、今年は登坂も頑張ります。

自走で行く箱根・旧東海道は満足度過去最低の坂

ソーシャルメディアを眺めていると坂に文句を言っている自転車乗りを多く見ます。

そうした坂の中には奥多摩の見慣れた峠道も含まれている事もあって驚きますが、共通する特徴を抜き出してみると以下のような要素を複数あわせ持っている事が多い模様です。

  • 斜度・傾斜がきつい
  • 距離が長い
  • 道幅が狭い
  • 信号停止がある
  • トンネル区間を含む
  • 展望が良くない
  • 路面が荒れている
  • 橋の繋ぎ目がある
  • 遠い・アクセスが悪い
  • 車の通りが多い
  • バスが通る
  • 路上駐車が多い
  • ランナー・登山者・その他の歩行者が多い
  • どこにも通じていない・軽車両進入禁止に変わる

こうした要素を列挙してみると、一つでもアウトになってしまうものから、単独では気にもならないものまで程度が存在する事が見て取れますが、複合すると近づくのも躊躇われるような「なるべくなら通りたくない」ルートが完成する事には相違ありません。

そうした積極的には通りたくないルートも残念ながら世の中には存在します。例えば、今ライドの舞台である箱根の旧東海道です。

旧東海道は神奈川県の小田原から箱根を経て静岡県の三島に至る4本の道路のうちの一つです。

北側から東海道、旧東海道、箱根新道、箱根ターンパイクと4本の道路がありますが、このうち新道とターンパイクの後2者は自転車走行禁止である為、ロードバイクで小田原から箱根にツーリング (キャノンボールその他) する際には実質的には東海道と旧東海道のどちらかを通ることになります (※ 湯河原や函南、御殿場を経由する経路はまた別にあります) 。

自転車でも通れる東海道 (国道1号線) は、距離が長めで傾斜は緩やか、補給地点のコンビニもたくさんありますが車の通りが多いと聞いています。

箱根登山鉄道と並走して走ることになり、観光地や名所もたくさんあります。

対して旧東海道 (県道732号線) は、箱根湯本付近の温泉街を除いて、ほぼ山道を走ります。

旧道であり、傾斜もきつく、入り口付近は自動車のすれ違いは困難なほどの道幅しかない事から、交通量が少ないだろうと見込んだ事が誤りの原因でした。




タイトル通り往路も復路も自走なので、出発地点は東京と川崎の間にある多摩川大橋です。

ここから第二京浜こと国道1号線を小田原まで進みます。

道路が空いていており、信号に引っ掛かる回数も少なかった為、約3時間弱で川崎から小田原までの区間を抜けて箱根湯本まで到着できました。

箱根湯本から東海道を進む場合は道なりに直進しますが、旧東海道に入るには箱根湯本の三枚橋交差点で左折して早川を越える必要があります。

旧東海道はこの入り口付近の道幅が極端に狭く、バスの往来がある度に上下線ともに局所的な渋滞が発生します。入り込んで直ぐの地点にあるコンビニが (おそらく) ラストコンビニです。

この後の休憩地点は標高700m付近の峠の茶屋までありません。

この地点から既に車の通りが非常に多く、嫌な感じが拭えません。

温泉街から始まる登りを抜けて行くと道幅が広がり、片側一車線の広い道になります。走りやすくなるのは嬉しいのですが、それは同時に交通量が多い事を示唆するもの。

須雲川の鳥居前の坂などでは途切れる事なく続く車の列に煽られて、勾配の最もきつい内側のワインディングを通る事を余儀なくされます。



斜度10%を前後する急斜面を登り続けて行くと『七曲り』という案内表示が登場します。

登場するからといって何かが変わる訳ではありません。ここに来るまでに既に十分に傾斜はきついのです。

一つだけ変化があるとしたら、ここから登山者やランナーの数が増えました。しかも、山道にしては珍しく歩道があるにも関わらず、堂々と車道を歩いて降りてきます。

声を掛けて下さるのは嬉しいですが、車道は危ないので歩道を歩いて頂きたいのが本音です。


景色も開けず、交通量も全く減らず、斜度も落ちずのあんまりな行程を進むと峠の茶屋が見えてきます。まさに旧東海道の良心です。

さらに進むと『石畳』や『お玉ケ池』といった観光地を意識させるバス停が見えてきますが、実物は登坂車線からはよく見えませんし、斜度もきついままなので意識する余裕はありません。

立ち止まる事なく進んで行くと辿り着いた先は、なんと観光名所の芦ノ湖。

ここまで前知識なしで箱根に初訪問しましたが、これでは交通量が衰えない訳です。

帰宅してから走行経路を調べてみると、箱根とは急峻な山合いの狭い盆地に東西の主要交通路と多々ある観光施設をギュッと押し込んだような土地だということが分かりました。

その観光施設も箱根関所などの歴史施設、富士火山帯に由来する火山や温泉街に博物館、そして美術館にゴルフ場に山岳鉄道と多岐に渡り、地図を眺めているだけで感心してしまうほどです。

ただでさえ交通量の多い東海道に通行困難な険しい山道、多くの観光施設と観光客を集中させる箱根は、まさに交通の難所。

こんなところを自転車で走ろうとするのが根本的な間違いなのではないかと深く反省する事になりました。

箱根観光なら鉄道一択ですね。

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