恐怖の3連続パンクの原因を究明

MAXXIS 太魯閣ヒルクライム 2016では、わずか 74.09km のコース長にも関わらず、レース中に2回もパンクしてしまいました。

最初にパンクが発生したのは、スタート地点から約50kmほど進んだ新白楊付近の急カーブです。

その地点でチューブを入れ替えて、更に数kmほど走り出すと、またしても後輪の空気が抜けている事を意識せざるを得なくなりました。

レース中という事もあり、詳しく原因を調べる時間がなかった為、そこではチューブを入れ替えて取り敢えずはゴールを目指しました。

無事にゴールを決め、70kmのダウンヒルを走りきった後、帰国して 40km ほど走っていると、またしても突然に後輪の空気が抜けてしまいました。


太魯閣でパンクしたチューブには数mmの亀裂が生じていた事から、原因としてチューブの寿命を疑っていました。

しかし、こうも短期間にパンクを繰り返すとなると、実際にはタイヤの方に原因がありそうです。




そこでホイールからタイヤを外して、原因を調べてみました。

タイヤを裏返して指の腹で撫でていると、小さな突起物が肌に刺さるのを感じます。


目視では気が付かない、極々小さな突起物がタイヤの裏面に生じています。

こういう時は、万年筆調整用の ルーペの出番です。

10倍のルーペで無理やり拡大してみると、釣り針か針金の先のような金属片がトレッド面に突き刺さり、タイヤの内側に入り込んでいました。


この僅か2mm弱の金属片が、タイヤのトレッド面の薄い部分に入り込み、タイヤを食い破ってチューブに穴を開けている。

原因が分かると何ともない事でしたが、こうした理由から容易に走行できなくなる事を知ると、幾つも予備タイヤを持ち歩けないチューブラータイヤで100km超も自走する事が、少しばかり恐ろしくなりました。

ロードバイクのディスクブレーキ採用に思う

Dura-Ace 9100系の発表から1週間ほど経過していますが、9100系での採用をもって、今後の普及が期待される油圧ディスクブレーキについて思っている事を書きます。
私の周辺ではクランク一体型パワーメータの方が話題性が高いのですが、こちらについての反対意見は目にした事がありませんので、気になるのは Sport Camera CM-1000 等の他デバイスとの連携がどうなるのかぐらいです。
対して油圧ディスクブレーキの採用については、仮に Paris-Roubaix の不幸な事故がなかったとしても、賛否両論あり、評価が分かれるところなので、思いつく限りのメリット、デメリットを書き出して整理してみたいと思います。
かつて、私はロードバイクへのディスクブレーキの採用を歓迎していました。
単純に制動力が高く、リムブレーキと比較して天候による性能劣化が少なく、リムへの磨耗が少ない事によるホイールの長寿命化が期待された事が主な理由です。
ディスクブレーキの普及は、カーボンホイールの最大の弱点である ブレーキ熱による破損のリスク雨天時の制動力の低さ を克服し、高性能なカーボンホイールをより身近な存在にするものとして期待すらしていました。
自転車のホイールの構造について調べていくにつれ、しかし、そのメリットを理解しつつも、ロードバイクにディスクブレーキを採用する事に対して、少しばかり懐疑的になってきたのが正直なところです。
リムブレーキと比較してディスクブレーキは、ホイールのスポークにストレスの掛かる構造をしている事は想像に難くありません。
Dura-Ace 9000 C35 などのホイールで採用されているラジアル組は、


ディスクブレーキのホイールでは見られないのはもちろんですが、(特にフロントの)スポーク本数自体も現状のように少なくするのが難しくなる事が容易に想像できます。
言い換えると、ホイール重量、空力的に現状よりも良くなることはありません(他にも左右のバランスや剛性なども気になりますが、実物を見ていないので取り敢えずは割愛します)。
ホイールの回転速度を考えると空力という要素も無視できないのではないかと最近では考えておりまして、これに重たいディスクブレーキが組み合わさると加速の面では相当不利になるのではないか…というのが気になっている点です。
もちろん、そこまで高速では走らないユーザーにとっては、天候に関わらず 安定して大きな制動力を得られる という絶対的なメリットが得られます。
例えば、市街地で通勤に用いられる例などですが、信号ストップが多発するのでスピードの出しようがありません。こうした目的に対しても、軽いカーボンホイールを(磨耗を気にせず)日常使用できるというメリット(夢)があります。
しかし、何のデメリットもないかと問われると、ホイールやブレーキに対して今まで以上に繊細な扱いが要求されるという問題が残ります。
何かしらの衝撃を与えられたり、組み付けが不完全である場合、ディスクブレーキのローターとブレーキパッドは容易に接触します。
接触したら歪むディレイラーハンガーを扱うのと同様の慎重さで、ブレーキを取り扱わなければなりません。輪行時に気を遣う必要があるのはもちろん、車体の転倒落車 にも細心の注意を払う事が要求されます。
こうした特性を考えてみると、否定派の意見も妥当なものが多く、当初、私がナイーブにも想定していたような万能機材でない事は明らかです。
そうした特性を理解した上で、ディスクブレーキを選択する事によるメリット・恩恵を受けられるのは、どのようなユーザーなのでしょうか。
私なりに少しばかり考えたところ、以下の2つのユーザーが思い浮かびました(誤解しないで頂きたいのは、私はディスクブレーキという選択肢が増える事自体は歓迎しています)。

  1. 通勤で乗られる方/ロングライドなどで長距離を乗られる方
  2. アルミとカーボンのホイールを同じバイクで使われたい方

1番の前者と後者は異なる存在である事は理解しておりますが、原則として目的地まで自走を完遂させねばならない事、ディスクブレーキの採用で受けられる恩恵が同じである事から同じグループに含めました。
ディスクブレーキは制動力が高いだけでなく、ブレーキ操作(コントロール)も楽である というメリットがあります。
疲れていても乗らなければならない通勤ライドや、疲弊したロングライドの後半では、これほど頼もしい事はありません。
2番で想定しているのは、1つのフレームで複数のホイールを履き替えたい場合です。
保管場所などの理由から1台で何でもこなしたいという場合、ブレーキシューに頭を悩ませなくて良い分、構造的にはディスクブレーキの方が自由度が高いと見て良さそうです。
対応するホイールの種類が増えてくれば、それ自体がディスクブレーキを選択する理由の一つに成り得ます。
レース、または、それに準じた強度の走行を前提とした Dura-Ace というブランドで発表されたからには、ダウンヒルでもメリットを存分に発揮して活躍してもらいたいのが本音です。
現状ではホイールの剛性が不明なので、本命と思われたダウンヒルでの利用については判断を保留しています。
リム側面のブレーキ性能を考慮しなくても良い分、ホイール外周部の設計の自由度が高まり、リムの軽量化と個性化が進む事が期待されますので、ディスクブレーキ専用に設計されたホイール(リム)が一般的になった時、本当の意味でディスクブレーキのメリットが得られるのかもしれません。




サイクルウェア・ジャージの泥汚れに効果的な洗剤を探して

使わないものは持たない主義で、サイクルウェアも必要最低限に絞り込んでいる訳ですが、そうなると、どうしても気になるのが衣類の汚れです。

チェーンリング剥き出しのロードバイクに乗る以上、チェーン油の汚れは避けられませんが、そちらは洗剤やシミ抜きを用いる事で意外と何とかなることが判明したのは、既にお伝えした通りです。

鉱物性油のオイルは早めに溶かして落としてしまえば、跡も残らない事も多いのですが、厄介なのは洗剤で溶かせない泥汚れです。

道路工事現場に雨水が溜まっていたりすると、泥跳ねして簡単にウェアにこびり付きます。

その場で叩き落とせれば良いのですが、ウェアの汚れなど気にしていられないのは、レース中で雨が降っていたりする場面なので、気付いた時には既に手遅れになっている事が多いです。

せめて事後的に何とかできないかと、評判の良いものをいろいろ試してもみます。

泥スッキリ本舗 泥スッキリ 101 は普通の洗剤と同じように使える洗濯用洗剤です。成分を見ていると、確かに泥汚れに対する効果はありそうです。

確かに効果はありそうなのですが、私が対処したい汚れは既に泥落としを試して、それでも効果のなかった汚れです。

前述の通り、私はライド後、まず最初にブルーキーネットでウェアを手洗いし、チェーンとスプロケットを洗ってから入浴するような人間なので、漬け置きで落とせる泥汚れは、この段階で落とせている可能性が高いです。

ブルーキーネットの成分は以下の通り。

これで手洗いすれば、自転車に関連する汚れの多くが対処できます。

これで落としきれなかった泥汚れについては、いくら泥専用洗剤と言えども簡単にはいきません。

泥スッキリ 101については、ブルーキーネットのような洗濯石鹸よりも容量が多く、使い勝手も良いので、白いウェアに対して最初の洗濯で用いるのが最も効果的な使い方でしょうか。

この段階で落とせなかった汚れを洗濯石鹸などを用いて手洗いする方が作業効率は良さそうです。




次に試したのは、シクロクロスのプロ選手も使っていると聞く ウタマロ 石けん です。

未舗装路を走るシクロクロスは泥汚れもロードバイクの比ではないので、そこで用いられている洗剤にはそれなりの効果が見込まれるはず。


上2点と比較して、界面活性剤ではなく純石鹸分が圧倒的に多いのが特徴です。

こいつを使ってウェアを揉み洗いした後、シャワーで延々と流します。

泥汚れは不溶性なので、シミになったら汚れの原因を繊維から出す他にありません。

いろいろ試した結果、当初よりも目立たなくはなりましたが、まだまだ完全には落としきれていません。

もっと時間を掛けて揉み洗いを繰り返せば、さらに目立たなくはなりそうですが、効果に対する労力的費用が微妙なので、取り敢えずはここで打ち止めます。

揉み洗いでそれなりに効果がありそうだった洗濯石鹸については、こちらにリンクを張っておきます。


ウタマロ 石けん 133g×5個パック


ブルーキーネット

ここで紹介した洗剤についての注意点は、蛍光増白剤を包含しているのでウェアの色や種類を選ぶことです。

また同時に購入してみた洗濯用ブラシについては、ブラシの繊維が強すぎてサイクルウェアには不向きと感じられたので、今回は使用していません。

関連記事:

Contact Us