LPIC 合格体験記

Linux Professional Institute(LPI)の認定試験である LPIC-1 Exam 101, Part 1 of 2, version 5.0 (101-500) と LPIC-1 Exam 102, Part 2 of 2, version 5.0 (102-500) の2つの試験を趣味で受験しました。

LPIC とは

Linux のシステムアーキテクチャ、ネットワーク、セキュリティ等に関する基本操作や設定に関して問われる認定資格試験です。

試験形式は CBT で 4 または 5 の選択肢のなかから問題文に対して適当な解答を選択するものが多いです。

しかし、条件に合致する選択肢をすべて選択する問題や、求められている結果を表示するコマンドや、求められているファイル名をキーボード入力する問題も少なからず出題されます。

出題はランダムで、私が受験したときにはファイル名や絶対パスを入力させられる問題が連続して出題され、そのことで大いに肝を冷やしました。

普段、パス名などはタブキーで補完してしまうことが多いので、例えば /proc/self/mounts を入力することを求められている問題では正解は mount だったか、mounts だったかと自分の記憶が疑わしくなりました。




勉強法

スピードマスター問題集 (Version 4.0) を一周しました。

受験するのは Version 5.0 だと分かっていたのですが、GNU / UNIX コマンドなんて90年代からそれほど大きく変化してないだろという考えを持っているので、自分の場合は古書で十分と判断しました。

その結果、問題集では重要とされていた SQL などは試験本番では一切出題されず、問題集にはないコンテナ仮想化などが出題されましたが、そのあたりは個人的に熟知している分野なので試験当日に初見でも難なく正答がわかりました。

むしろ、問題集と同じような設問が幾つか試験でも出題されたことのほうが驚きでした。これは予想問題が的中しているというよりも、大事なところだから定番になっているというほうが実態に近いように思われます。

大学受験の入試問題みたいなものでしょうね。

私の場合、学習開始時点で Linux 使用歴10年超、基本コマンドとファイル操作、正規表現と vi エディタ、ネットワーク、セキュリティなどの分野で問題集の正答率 90% 超だったので、そのあたりは全部すっ飛ばしました。

その一方で X Window System や rpm パッケージマネージャに関しては正答率 40% 未満だったので、仮想環境に AlmaLinux をインストールして /etc/yum.conf のような自分であまり触ったことのないファイルを眺めたり、知らないコマンドをリストアップしてマニュアルを読みながら自分で設問を考えたりしていました。

勉強時間は2週間ぐらいです。

教科書などは必要性を感じなかったので使用していません。




というか、本当は逆で、11月の4週目から始めて「今年中に達成できる目標がほしい」という不純な動機で受験しているので、それぐらいで合格できる見込みがあったから挑戦したという方が正確です。

まったくの未経験の場合は、勉強時間2ヶ月ぐらいあった方が望ましいと思われます。

確かに 10 日で参考書を丸暗記して、当日の出題次第では合格ラインに達するかもということも不可能ではないかもしれません。しかし、1回の受験料が $200 と高額であること、Exam History に毎回の結果が残ること、そして、趣味で受験してるのに何度も再受験するなんて論外なので1回で合格しましょう。

当日

驚くべきことに、当日、必要とされるものはパスポートやクレジットカードなどの身分証明書2点のみです。米国でよくあるパターンですが、このうち最低1点は顔写真とサインがあるものが求められます。

あらかじめ受験票が郵送されてきたり、受験票に相当するものが画面に出力されて、それを自分で印刷したりはしません。

当日に身分証明書だけをテストセンターに持っていって、係員に受験する試験名と受験者名を告げて書類に署名します。TOEFL iBT や GRE と似た形式です。

試験を終えた瞬間に得点と合否が表示されます。

試験結果

試験結果は 101, 102 ともに Exam Score 680 (正答率86%) で合格でした。

難易度調整が良くできているのかもしれませんが、主観的には 102 のほうが難しかったです。

101 では知らない知識問題は最初から捨ててましたが、102 では netstatifconfig のオプション次第で出力がどう変わるか、この設定ファイルの役割は何だったのかなど、勉強不足を痛感させられることが何度かありました。

そういう意味では問題集に出てくる項目は、すみずみまで網羅しておけば、より合格が近づくことは間違いありません。

少なくとも自分の場合は、この問題集一冊と Linux 仮想環境だけで十分に合格できました。


Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応

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