Voigtlaender MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5

気になってはいたものの、買いに行く時間がなくて実物を見たことすらなかった Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount を年度末の一時帰国に託けて購入してきました。

こうした少数生産品や一点ものを探すときに通信販売を頼りにできないのは不便ですね。

時期が合わなかったために入手できず、結局、購入することもなくなってしまった TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036) とは異なり、今回は巡り合わせが良く、最初の一回で入手できました。

この MACRO APO-LANTHAR は、私の持っているレンズの中で過去最高に重たいレンズです。

金属とガラスだけで構成されており、その質量は 771g もあります。

目を見張る性能がありながら、重さと大きさゆえに購入を見送った G-Master SEL2470GM FE 24-70mm F2.8 GM が 886 g ですから、MACRO APO-LANTHAR の重量感がいかばかりなのかをお分かり頂けると思います。

質量 フィルター径 最大撮影倍率
FE 24-70mm F2.8 GM 886 g 82 mm 24 %
MACRO APO-LANTHAR 2.5/110 771 g 58 mm 100 %
FE 24-105mm F4 G OSS 663 g 77 mm 31 %
ZEISS Batis 2.8/135 614 g 67 mm 19%

こう並べてみると、取り回しの良さや撮影に至るまでの時間の短さを重視する私が SEL24105G や Batis を選択するのは自然な気がしてきます。

EVF やモニタでしか見ないので電子補正には何の抵抗もありません。

改めて見直してみると SEL24105G の優秀さが際立ちますね。画角の範囲が広く、瞳オートフォーカス (AF) が素早く決まって、被写体に寄ってズームしながら物撮りもできます。

MACRO APO-LANTHAR は焦点距離並みに体積は大きく、マニュアルフォーカスなので撮影までに時間がかかり、手動でのピント合わせもシビアで、一回シャッターを切るだけも一苦労です。

しかし、最大撮影倍率は等倍であり、解像度はとんでもなく高く、描写の素晴らしさは私が過去に見てきた中で最高かもしれません。

他の人の作品を見て感動することは結構ありますけど、レンズそのものの性能に心を動かされたことは過去に MACRO APO-LANTHAR と Otus 1.4/55 のたった2つしかありません。




MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical の完成度を見て、どんな苦労があってもこのレンズが使いたいと思いました。

DSC05132
ILCE-7RM3 ƒ/6.3 110.0 mm 1/125

DSC05045
ILCE-7RM3 ƒ/5.6 110.0 mm 1/125

DSC05114
ILCE-7RM3 ƒ/8.0 110.0 mm 1/200

DSC04994
ILCE-7RM3 ƒ/5.6 110.0 mm 1/125

DSC05067
ILCE-7RM3 ƒ/7.1 110.0 mm 1/400

具体的な苦労と言えば、真っ先にあげられるのは人物撮影です。

マニュアルフォーカスでの人物撮影は初めてなのに、美人さんの撮影には大勢の人が並んでいたのでシャッターは一度しか切れませんでした。短時間でのピント合わせは凄く難しく、うまく合焦できている気がしません。

肝心な場面で失敗しない瞳 AF に頼りたくなりました。

ちなみに水戸の梅はおそらく来週ぐらいが最も見頃です。


水戸の梅まつり – 観光いばらき
https://www.ibarakiguide.jp/seasons/umeiro/mito_ume.html 


人物撮影よりもさらに難しいのが野生動物です。これはもう何をやっても上手く行きませんでした。

マニュアルフォーカスでピント合わせをしていては、とても追いきれません。

DSC04955
ILCE-7RM3 ƒ/5.6 110.0 mm 1/125

ただし、ピントが合った時の解像度は、笑えてくるぐらい凄いです。

たとえば、自転車のサドルに止まった緑の虫。これを等倍に拡大してみると透明な羽の質感まで見て取れます。

DSC05139
ILCE-7RM3 ƒ/8.0 110.0 mm 1/125

DSC05139

絞りを開放するとそれなりにボケも使えます。ピント合わせには非常に気を使います。

DSC05154
ILCE-7RM3 ƒ/2.5 110.0 mm 1/200

せっかく、これだけ解像するのであれば、景色撮影にも使いたいところです。そうすると今度は本体の重さと画角の狭さが気になります。

もっとも、このレンズは寄れますし、焦点距離の特性上、歪みも少ないので、大きく全体を写すことさえ考えなければ、使いどころはいくらでもあります。

DSC04952_01
ILCE-7RM3 ƒ/9.0 110.0 mm 1/125

DSC05168
ILCE-7RM3 F2.5 ƒ/8.0 110.0 mm 1/320

DSC05134
ILCE-7RM3 ƒ/5.6 110.0 mm 1/125

取り敢えず、どこかの山に持っていってみようかなとは気軽に言えない大きさと重さなので、なんとか使いこなせるようになりたいものです。

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