海外 SIM の現地調達・洗濯機との格闘・定期券の購入 — 海外生活中級編

SIM フリー携帯端末を海外で使用するという説明的な記事を書いたところ、「肝心の SIM が手に入らないぞ」とお叱りを受けました。

より正確には該当記事の原形に相当するメール文書に対する返信をもらいました。だから、インターネットに接続できる保証があり、誰にでも利用できる海外 Wi-Fi をお勧めしているわけなのですが、それはともかくとして、海外 SIM の調達は現地のモバイルネットワークオペレータの店舗で行います。

例を挙げますと、米国の AT&T Mobility や英国の Vodafone 、中国の China Mobile のような通信事業者です。

2010 年あたりまでは、空港に設置してある自販機や街角の煙草屋でも普通に入手できたのですが、現在は実店舗で身元の確認が必要となる場合が多いようです。私の感覚からすると「ようやく普通になった」気がします。

昔は煙草屋で購入した SIM カードを携帯端末に差し込んで、事業者に電話を掛けてガイダンスに従いながら、自分でアクティベーションを行っていましたので、むしろ、販売店員が手取り足取り教えてくれる今の方が簡単になりました。




必要なものはパスポートだけです。行き先によってはクレジットカードも持っていた方がよいことは間違いありません。北アメリカなどで二重の身分証明書の提示を求められた際、現地の免許証や学生証などを持っていないときには、クレジットカードが身分証明書替わりに使えることがあります (というより、私は使ったことがあります) 。

身分証明書のほかにもう一つ現地住所も必要となりますが、無い場合には販売店員がホテルの住所を登録してくれます。滞在先の住所がなければ入国審査を通過できないので、こちらは考えなくてもいい要素です。

必要なものは本当にこれだけで、15 分もあれば現地の SIM を調達できますし、それをお手持ちのスマートフォンに差し込んで10分もすれば、現地の携帯電話ネットワークとインターネット通信に接続されます。


ただし、携帯端末と通信事業者の相性によっては通信速度が遅くなったり、回線がつながらないこともあります。詳しくはこちらの記事を参照してください

もう一つの注意点は、店舗で SIM を購入するまではインターネットに接続できないので、空港に到着してから一時的にネットワークに接続できない状況になります。電話も繋がりませんし、初めて訪れる土地で自力で店舗を見つけなくてはいけません。

そうは言っても、10年前までは皆がそうしていたわけで、特別に難しいところがあるだろうかと訝しんでいたところ、「言葉が聞き取れない」「プランが多すぎてよくわからない」という率直な意見を頂きました。まあ、そういうこともあるので、簡単とも言えないのかと判断が難しくなりました。

その反対に私がいつも個人的に一番難しいと感じるのは自動販売機や洗濯機との扱いです。とくに日本の鉄道自販機は最悪のデザインだと思います。

駅名の検索もできず、見づらい路線図の中から目的地を、似たような数字の羅列から正しい運賃を探し出し、さらに日本独自の他社路線への乗り換えまで考慮しなければならないなど、これを考えたやつは知らない土地で列車に乗ったことがないのかと本気で疑いました。

その分、日本の洗濯機は簡潔で分かりやすく、ボタン配置も一か所にまとまっていて見落とすことがありません。海外を訪れると、この自販機 (とくに駅の券売機) と洗濯機の分かりやすさが日本と反転する印象です。

洗濯機との格闘

滞在期間が長くなるにつれて向き合わざるを得なくなる洗濯物の山。滞在期間が1週間ぐらいまでであれば、大きな問題にはなりません (それよりも時間がもったいないので他のことに費やした方がいいです)。

しかし、それ以上の滞在期間になると着替えの服を持ち歩くことも体積的に難しくなり、嫌でも洗濯を考えなければならなくなります。

多くの人がまずお世話になるのがコインランドリーですが、これがなかなか油断できません。まず街の中心には存在せず、少し離れた不便な場所にあることが多く、知らない土地で見つけることは容易ではありません。

それも雰囲気のあまり良くない地域に位置していることも少なくないので、可能であれば明るくて清潔なところを利用したいです。

運よく店舗を見つけられたら、次は洗濯機への挑戦です。米国製の洗濯機は硬貨を直接入れて動かします。ヨーロッパ製の洗濯機は、本体から離れた場所にある自販機に硬貨や紙幣を入れて洗濯機の番号を指定すると使えるようになります。

よく日本人以外の外国人も (というよりも私はコインランドリーでほかの日本人に遭遇したことはないんですが) 「紙幣を入れる場所がない」と愚痴を言っていますが、UI が悪いだけで詳しく探してみると硬貨の投入口とは全く別の場所に設置されていることが多いです。

自販機からしてこの調子なので、説明文と動作スイッチが離れた場所に設置されていることもよくあります。

こうして硬貨や小額紙幣を投入することで動作する洗濯機ですが、経験上、使い方よりも重要なのは洗濯槽の汚れや機械の故障を最初に確認することです。日本の自販機は壊れていることは少ないですし、故障や動作停止していることが外見上から簡単に判断できることが多いです。

海外においては、一見すると正常に動作しているように見えながら、故障したまま放置されていたり、ひどく汚れていることが結構な頻度であります。

まず、そうした異常を確認し、(硬貨の投入口や操作ダイアルが一箇所にまとまっているとは限らないので)見渡して機械全体を把握し、洗剤を購入するか持参した洗剤を投入して、ボタンを押したり、ダイアルを回したりします。

洗濯が済んだら洗濯物を乾燥機に移し替えて乾燥させます。これも一度の操作で自動終了するわけではなく、2回から3回ほど継続して乾燥させることを前提に設計されていることが多いです。

私のオススメは1回だけ乾燥機を回して、アイロンで乾かすことです。


ヤザワ コードつきミニアイロン(ホワイト)ミニミストアイロン TVR54WH

私がいつも持ち歩いているアイロンはこれです。凄く使いづらくて、凄く便利なアイロンです。

本体が小さいので、普通のアイロンよりも時間が掛かりますし、使用している途中でも簡単に電源コードが抜けます。いつも生乾きの洗濯物を乾かすのに使用するので、ミスト機能は使用したことがありません。

その反面、持ち運びの点において邪魔にならない体積と質量、何年も手荒く扱っても壊れない信頼性、スーツケースごと紛失しても惜しくない価格など、旅行用によく考えられています。

これ以上の大きさになると携行に支障がありますし、電池では使用時間や運用コストの面では不便ですし、総合的に見るとよくバランスを考えられています。

ただしアイロンとしての基本機能はあまり高くないので、研修などで一箇所に何ヶ月も滞在するような場合には現地調達を心がけたほうが良いです。

アイロン台はベッドを代用すれば何とでもなります。

いつも洗濯機で苦労するので、ここまで洗濯機について書いてきましたけど、中国に限って言えば独自のドライクリーニングサービスが発達しているので、プリペイドカードを購入して素直にそちらを利用した方がいいです。

定期券の購入

海外での移動手段は基本的に公共交通機関を利用します。

先に述べた携帯電話の契約やコインランドリーの利用でも、バスや地下鉄を乗り継いでいかないと辿り着けないことも珍しくはありません。

その度に毎回チケットを購入していては時間もお金もいくら有っても足りませんので、大抵の旅慣れた人は1週間や1ヶ月などの単位で定期券を購入しています。

ほとんどの場合はゾーン毎に運賃が設定されており、そのゾーン域内であればバスから路面電車に乗り換えも、列車からモノレールに乗り換えも同一のチケットを利用可能です。運行会社やバス、地下鉄などの路線毎に別料金を請求される日本式の会計の方が特殊です。

同様の料金体系は当然のように定期券にも適用され、1枚のチケットでゾーン内の指定の交通機関は乗り放題になることが多いです。言い換えると駅で列車用の定期券を購入すると、その定期券でゾーン内のバス路線も、路面電車も乗り放題になります。

こうした定期券はヨーロッパの場合は駅の有人カウンターで希望すると購入できます。パスポートや住所すら必要ありません。北米の場合は何度かセブンイレブンで購入した記憶があるのですが、地下鉄が整備されているような大都市の場合には当てはまらないかもしれません。

その他、指定の地方内を5人まで1日乗り放題のチケットなど、日本にはない割引制度やサービスがたくさんあるので、気になったらまずは受付窓口に赴いて最良の方法はどれなのかを訪ねてみると行動範囲が大きく広がります。

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