ビンディングシューズのクリートが摩耗するとどうなるのか

長い間、自転車に乗り続けていると、いろいろなところが摩耗して不具合が生じます。

一番わかり易いのはホイールです。徐々に横振れが生じてきて、具合が悪化すると縦振れやスポークの破断が生じます。

チェーンやスプロケットも走行によって摩耗しつづけ、一定以上の摩耗が生じるとチェーンのプレートが割れます。

その他、ヘッドパーツやホイールハブのベアリングも摩耗しますし、クランクもアヘッドステムも消耗品です。

私の経験的に最初に不具合が生じるのはホイールやチェーン (と言ってもチェーンは 3,000km 毎に新品に交換しているので壊れるまで使ったことはないのですが) であり、その次に交換頻度が高いのはビンディングシューズのクリートです。

関東以外にお住まいの方には信じられないかもしれませんが、日本には 200m も進まないうちに繰り返し信号に止められ、進んでいるよりも止まっている時間のほうが長い、加えて自転車通行帯は違法駐車場の役割しか果たしていないという、どうしようもない場所もあるんですよ。

こんなところを走っているとクリートとブレーキシューと心ばかりが消耗します。

ついでに述べると私の場合は シートポストを頻繁に抜き差しして飛行機で運搬することが多いので なぜか、シートクランプもよく壊れます。




こんなところを走るぐらいなら (シンガポールを除く) 東南アジアに行った方がマシという事実 ※ は置いておくとしても、環境によってはチェーンやスプロケットよりも先にクリートが寿命を迎えることも実際にあるんです。

あるんですよ。

クリートが寿命を迎えると、ヒルクライムのようにケイデンスを上げて走っている最中にビンディングが外れて、つま先がフロントホイールに接触したり、ダウンヒル中にバランスを崩すことにつながるので大変危険です。

よく言われているように、ペダルからクリートが外れなくなったことはありませんけど、走行中に意図せずクリートが外れるようになった場合には既に交換時期を過ぎています。

どれぐらいで交換すべきなのかは判断が難しいところですが、これぐらい摩耗していると突然クリートの先が割れて無くなってしまうことがあります。

SHIMANO 製には交換時期を示すインジケータがあるのですけれども、使い方によっては目安を越えていなくても交換したほうが良い場合がありますので、日頃からの観察が重要です。

削れ具合からお分かりになるかもしれませんが、こちらは実は左足のクリートです。

対になる右足のクリートの方は、歩行 (笑) 中に割れてしまいました。

右足と左足でとくにポリシーはないのですけれども、左側通行の国では左足、右側通行の国では右足のクリートを外すようにしていたところ、それぞれの走行距離の違いにより最近は右側ばかりが削れることになっています。

地面と接触する下側から見たところは問題なく見えても、前方から見たときにクリートが薄くなっていると走行中に割れる危険性がありますので、インジケータの他には厚さを基準にして早めに交換するのが良いかもしれません。

もし走行中にクリートが割れると、その勢いのまま、回転中のフロントホイールに足を突っ込む可能性もありますので、もったいなく思えても安全性を重視したほうが後悔が少なく済みます。

クリートの位置が合っていないと足を攣りやすくなったり、膝に痛みを生じたり、さまざまな不都合が生じるので、可能であれば調整後は触りたくない部分ではありますが、安全性確保と事故防止には代えられません。


シマノ クリートセット SM-SH10 SPD-SLクリート 3549


※ 悲しいことに渋滞で有名なジャカルタやハノイの道路でも — 歩行者にはともかく、自転車にとっては — 東京のそれとは比較にならないほど安全で快適でした。

道路が広く、常時、車が低速で移動し続けていて、一か所に留まることがないので、渋滞時や信号停止時のように間近に接近されたり、前方に割り込まれて急停止されたり、追突される危険性が少ないです。

日本の道路は狭い上にどこよりも路上駐車が酷いです。この環境で信号という一地点に車を集中させて、急停止と急発進を繰り返させ、効率的に事故を誘発させるようにできています。とくに東京都は反省してください。

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