ズームレンズは不要なのか? F 2.8 通しを保留してコンデジを物色中

私が SONY α7 (ILCE-7) ミラーレス一眼を購入したとき、フルサイズEマウントにはズームレンズがありませんでした。

それどころか、対応するレンズ自体が 35mm と 55mm の単焦点「2つしか」ありませんでした。まあ 55mm の発売日に購入したからなんですけど。

当時は「Eマウントレンズを1本も持っていない」と豪語する人の方が多数派でした。

今のように G Master レンズも、サードパーティ製の選択肢もなかった時代です。その当時の環境に過剰適合したまま、今までズームレンズを1本も持たずにきてしまいました。

そろそろズームも使いたいと思ったので、定番の 24-105mm の導入を試みたものの F 4.0 の明るさと使用環境との相性が良くなかったので、もっと明るいレンズが欲しくなりました。

詳しい経緯は以下に書きましたけど、ボケや表現の問題ではなく、乏しい光源に適合するために明るさが必要という事情があるので切実です。

転居のことも考えて持ち物を少なくしておきたいという個人的な事情もあり、24-70mm の F 2.8 ズームレンズ (SONY FE で言えば G Master) を導入することを本気で考えました。

わりと真剣に導入を考えていて、重複する焦点距離のレンズをあらかた売却しまったのですが、そこで答えを出さずに逡巡しているうちに、ふとズームレンズの代わりにコンパクトカメラを導入すれば、今よりも撮影の機会が増えるのではないかと思い当たりました。




なにしろ、思い立ったところで、日本に戻って SONY Store に直行できるわけでもないので考える時間だけは無駄にあります 35mm フルフレームに対応したズームレンズは、日常生活で使用するにはやや過剰に思えるほど大きく重たくなりがちです。

歴史的に眺めてみると 35mm フルサイズ (36×24 mm) という大きさはフィルムカメラに由来するもので、当初からシネマカメラ用のズームレンズはあったにしても、(およそ一世紀近くも昔の普及期に) 一般的であったであろう単焦点レンズと組み合わせて使うことが自然な大きさに思えてきます。

正確な知識は持ち合わせておりませんので、完全に個人的な妄想ですけどね。

その — 誤解を恐れずに言えば — 古い規格に、現代の価値基準で求められる高倍率ズームや高解像度を詰め込むと、あの大きさになるのはやむを得ないのかもしれません。

何れにしても、せっかく購入したところで、毎日のように持ち出せないのであれば、宝の持ち腐れです。

少なくとも — 私にとっては日常風景となっている — スーツケースを引きずりながらの移動、スポーツ自転車への乗車時などにストラップに吊るしながら大きなズームレンズを持ち運ぶことは考えたくありません。

フルサイズに比較すると APS はズームレンズが一般化された後にできた規格なので、なるほど、携帯性と画質のバランスが絶妙で良い選択肢になります。

かと言って、せっかくのフルサイズセンサーに APS-C のズームレンズを着けるのも勿体なくて気が引けます。

そもそも、ズームレンズに求められるものは利便性であり、予期せぬ出来事に対応できる柔軟性です。

実用性を重視するとフルサイズでなくても良い等、いろいろと条件を考えていたら、コンパクトカメラに行き当たりました。


Canon デジタルカメラ PowerShot G1 X Mark III APS-Cセンサー 2420万画素 PSG1X MARKIII

コンパクトカメラを「いつでも持ち運べる」センサー付きのズームレンズと定義すると、今更ながらにその利便性と可能性に気付かされます。

レンズ交換式カメラのズームレンズを使用していると、明るさや光条や収差などで「単焦点レンズがあれば…」と思う場面が出てくるものですが、コンパクトカメラであればミラーレスや一眼レフカメラと無理なく併用できます。

上着のポケットに入るぐらい小型軽量であることが理想ですが、13インチのノートPCと一緒にブリーフケースに収納できる大きさであれば、実用上は何の問題もありません。

荷物量を減らしたい登山などであっても、頂上や鞍点などの絶景はフルサイズに 16-35mm の広角ズームレンズもしくは超広角の単焦点、24-70mm はコンパクトカメラと併用できるので、持っていても無駄になりません。

それどころか、レンズ交換の手間もないので、普段は互いを補完し、もしもの場合には予備機の役割も果たせると良いことづくめに思えてきました。

具体的に購入を検討しているのは、この辺りです。

センサー 焦点距離 開放絞り 質量 EVF
Canon G1 X M3 APS-C 24-72mm F2.8-5.6 399g
Panasonic LX100 M2 4/3 24-75mm F1.7-2.8 392g
SONY RX100 M3 1インチ 24-70mm F1.8-2.8 290g
Canon G7 X M2 1インチ 24-100mm F1.8-2.8 319g
Canon G9 X M2 1インチ 28-84mm F2-4.9 206g

RICOH GR や SONY RX0 II は、個人的には大好きなのですけれども、ズームレンズの代替を考えているので今回は除外しています。

センサーサイズは 1インチのほうが小さくて、 APS-C や 4/3 (フォーサーズ) の方が大きいです。

APS-C と 4/3 (フォーサーズ) では APS-C の方が大きいのですが、両者の間では決定的と言える程の違いはありません。フルサイズと APS-C の違いと比べれば誤差みたいなものです。

大きいセンサーのほうが暗所に強かったり、表現力が高い傾向にあるので、携帯性よりも画質を優先するのであれば一般的には大きい方が良いですが、1インチでも大きなセンサーに分類されますし、用途を選べば十分にきれいな写真が残せます。

焦点距離は短いほうが広く、絞り値は数字が小さいほど明るくなります。絞り値が変動するのは、焦点距離が短いほうが明るく、長い方が暗くなることが一般的です。

EVFは屋外撮影などで重宝します。

実物を触っての主観的に評価では LX100 M2 はファインダーがとても良かったほか、シャッタースピードを変えられるダイアルなどが直感的で使いやすかったです。


パナソニック コンパクトデジタルカメラ ルミックス LX100M2 4/3型センサー搭載 4K動画対応 DC-LX100M2

質感も非常に良好で、これに事故保証プランをつけて壊れるまで使い倒すのも有りだなと本気で思いました。


カメラ・ビデオカメラ 3年 事故保証プラン (落下・水濡れ等にも対応 / 対象製品税込価格 50,000円~54,999円)

より携帯性を重視するのであれば、SONY RX100 M3 も魅力的です。

コンパクトカメラやミラーレスカメラで画質を優先すると、ポケットにギリギリ入らない大きさになってしまうことが多いですが、RX100 は文字通りにポケットに収納できる可搬性が魅力です。

中途半端に小型化すると、ミラーレスカメラと取り回し (運搬方法や使用用途) が同じになって、結局、フルサイズや APS-C にパンケーキレンズで良いとなってしまうので、ここでは思い切って小型化するのも間違いとは思えません。

スマートフォンのカメラでは記録に残す気にすらなりませんけど、1インチセンサーのカメラは落とし所としては悪くない気がしています。

過去のモデルと最新の Mark 6 までが併売されており、個人的に魅力を感じるのは高倍率ズームを搭載した M6 と、明るい標準ズームとして使える M3 です。

とくに M6 はポケットに収まる便利ズーム (24-200mm) として単体で運用しても良いですし、どんなレンズと組み合わせても相性が良いです。

初代と比較すると M3 から焦点距離が変わって広角側が広くなり、M4 以降はセンサーが変わってオートフォーカススピードが上がっています。

M6 でまた焦点距離が変わり、明るさと引き換えにズーム倍率も上がりました。

ファインダーはあまり使いやすくはありませんけれども、この小さい軽量ボディにそこまで機能が付属していること自体が驚きです。使おうと思えば、普通に使えること自体が凄いことです。

最大の長所は α7 シリーズと操作系が同じで、この大きさながら絞り値、露出、シャッタースピードを違和感なく設定できます。


ソニー SONY コンパクトデジタルカメラ サイバーショット Cyber-shot DSC-RX100M6

ファインダーも、可動式液晶も、広角側 24mm も不要ということであれば、Canon G9 X M2 は更に割り切っていて小型軽量です。

ここまで来るとズームレンズの代替というよりも携帯性の追求になっていますけれども、使用用途が明確なので使い勝手が非常に良さそうに思えます。

最終的には 24-70mm F2.8 のズームレンズも後から購入することになるのかもしれませんけど、普段は単焦点レンズしか使用せず、使用頻度も高くなる見込みが薄いのであれば、その代替としてコンパクトカメラを併用するのも悪くない考えかもしれません。

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