東海道新幹線において縦・横・高さ3辺の合計が 160cm を超える、いわゆる特大荷物を車内へ持ち込む場合に事前予約が必要とされるようになった昨今、ロードバイクやミニベロなどの自転車を新幹線に持ち込んで遠出することも気軽にできなくなりました。
かと言って飛行機を利用するにも、専用の輪行箱の用意が必要となったり、持ち込む荷物に気をつけないといけなかったりと注意点が無数にあります。
輸送事故によるフレームの破損や廃車などの報告には事欠かないため、どんなに慎重に梱包を行ったとしても最悪の場合に対する覚悟だけは常に必要とされます。
とくにレースで用いられるようなハイエンドの軽量カーボンフレームやホイールの場合、落車程度の衝撃でも割れてしまうことがありますので、飛行機での輪行は廃車の危険と隣り合わせと言っても過言ではありません。
そんなカーボンバイクでも専用の輸送サービスを利用すれば、安全に遠方まで届けることが可能です。発送元の住所を自宅、宛先を滞在先のホテルにしておけば、行き帰りの新幹線や飛行機では手ぶらで移動できますし、到着先で輪行箱や輪行袋の扱いに苦労することもありません。
私は過去に何度も自転車運送サービスを利用したことがありますが、これまでに運送中に機材が破損したことは一度もありません。したがって保険も一度も利用したことがありません。
そう、運送サービスを利用した場合、輪行にはない貨物賠償責任保険を利用することもできるのです。
しかし、自転車のように大きな荷物を送るとなると、送料が気になるところだと思われます。座席予約時に荷物スペースさえ確保してしまえば、無料で運送できるところが輪行のメリットですが、運送サービス利用でも東京から九州まででも片道わずか 6,000 円程度から自転車を輸送することが可能です。
ヤマト便 | CX | 西濃 | |
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東京-旭川 | 6,909 | 6,000 | 9,890 |
東京-尾道 | 5,292 | 5,800 | 8,940 |
東京-熊本 | 6,502 | 6,300 | 11,170 |
東京-沖縄 | 12,812 | 11,000 | 13,110 |
大阪-旭川 | 8,339 | 6,600 | 11,080 |
大阪-青森 | 6,502 | 6,000 | 9,170 |
大阪-長野 | 3,972 | 5,500 | 5,960 |
大阪-沖縄 | 11,371 | 10,700 | 11,790 |
上の表は 2020 年 8 月時点における、自転車を容積換算重量で 100kg とした場合のヤマト運輸(ヤマト便)の利用料金、シクロエクスプレス (CX) の片道基本料金、西濃運輸 (カンガルー自転車便) の自転車配送料をそれぞれ転載したものです(※正確な利用規約や料金は各社の利用案内をご参照ください)。
このうちシクロエクスプレスとカンガルー自転車便は自転車運送の専用サービスで、輪行箱をお持ちでない場合には梱包セットを購入することも可能です。
この梱包ケースですが、私が飛行機輪行に用いているような縦・横・高さの合計が 203cm の飛行機輪行の規約準拠のバイクポーターよりもさらに大型で、フレームとホイールが互いに干渉しないほどの隙間を持たせることが可能です。
フレームとディスクローターを接触させたくない場合でも、これだけスペースがあると両者を完全に分離して収納することが可能です。
梱包セットには図解つきの説明書が付属しますので、スポーツバイクの分解に慣れていない方でも安全に収納できるかと思われます。むしろ航空機の預け入れ手荷物の規約を優先し、収納スペースに一切の余裕がないバイクポーターよりも簡単に収納でき、緩衝材の量的にも安全性が高いと考えられます。
利用を申し込むと発送の前日に発送元の住所に梱包セットが届きますので、そのまま梱包して玄関前に置いておけば集荷に来てもらえます。
注意点としては配達日数や受取時間の指定ができないこと、それから海外には発送できないので使える場面が限られてしまうことです。ただし利用できる場面では積極的に利用するだけの価値があるサービスです。
なによりも機材破損の懸念は払拭されますし、大荷物を抱えて空港や駅まで考えなくても良くなります。自転車を運ばないのであれば、その分だけ着替えやノートパソコンなど、運べるものも増えますので出張などの短期滞在にも便利ですね。
じつは海外から日本にも SAL でロードバイクを送ったことがありますが、その話はいずれまた。