ユニバーサル基板の陥穽

計測するための部品を揃え、ブレッドボード上で動作確認を完了した現在、やることは部品をユニバーサル基板に移植してハンダで固定してしまうことだけです。

ただそれだけのことが非常に難しいのが困ったところ。私が不器用な初心者ということを差し引いても、作業時間は数時間にも及びながら結局うまくいきませんでした。これは普通のハンダ付けとはまた異なる技量が必要とされます。

ハンダ付けは熱で錫や鉛を溶かすことによって接合します。つまり熱を加えて配線を接続しようとすると、それまでに接合していた部分も溶けて剥がれます。

とくにピンヘッダは熱しすぎると傾いて高さが揃わなくなりますのでソケットに差し込みできなくなる可能性があります。

そのため複雑な配線は自然と実装できなくなります。これがユニバーサル基板の取り扱いで一番困った点です。

取り付ける予定でいた部品は I2C のセンサと液晶ディスプレイ、その他のセンサと SD カードモジュールの4点なので、基板を2枚用いて上の基板と下の基板で都合を合わせれば配線を交差させずに実現できるという方針が仇となりました。

既に接合済みの部位に配線を加えるなどの改変を行おうとすると意図せず破壊的変更を加える結果に陥る可能性がありますので、基板の数は増えても個々の基板の構造は単純にすることを心がけたほうが失敗が少ないと思われます。




ここまでやって本気で思いました。ユニバーサル基板を用いて Arduino シールドをきちんと作るのであれば、設計を含めて作業時間は数十時間を見ておいたほうが適当かもしれません。

そうしてようやく完成した成果物の質は作業者の技量に完全に依存します。少なくともプリント基板を用いた既成品よりも分厚く、振動や衝撃に弱く、一点物で再現性に乏しい点は間違いがありません。

こうなると、いろいろ考えてしまいますよね。

いや、でもこれをやると製図と生産委託で最低でも数週間は必要となるので、これぐらいならユニバーサル基板で作成したいところなんですけどね。

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