なぜリコールを実施するのか

リコールの目的は一つしか存在しません。

製品不良によって起こりうる被害を未然に防ぐことです。競技用の自転車であれば事故を予防することに当たります。

誤解されている意見を耳にしていますけれども、要するにレース中に他人の機材の欠陥によって大勢が負傷する事故に巻き込まれるリスクを許容できるのかという話です。

自分一人が不買すれば回避できるというわけでもありません。

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さっさとリコールしろという話

よく割れるクランクアームの話です。

巷ではガルバニック腐食が生じているなんて言われていますけれども、個人的には極めて懐疑的です。

ここでも過去に何度もアルミ嫌いを公言していますけれども、自転車でガルバニック腐食なんてほとんど聞きません。もし聞く機会があるとしても古い部品の固着ぐらいではないでしょうか。最近のモデルでは見なくなったボトムブラケット下のケーブルガイドのボルトとか。

なにしろ発生条件が電位の異なる2種の金属を電解液に浸すことですので、まず水分があることが必要条件です。

クランクアームが腐食するほど濡れるのであれば、もっと腐食していないとおかしい部分があります。ステンレス鋼のスポークと接触しているアルミニウムニップルです。

このブログではホイールを壊しては自分で補修したり組んでいたりするので、アルミニウムのネガティブな話ばっかり出てくるわけですが、ホイール組みでガルバニック腐食を避けるためにアルミニップルの使用を控えるなんて話は聞いたことがありません。

米国北部の州に住んでいて毎日のように融雪剤の溶けた水のなかを走ってるのでもない限り、聞かない話だと思われます。電位差が少ないから真鍮を選ぶなんて話もまず聞きません。

クランクアームと地面に近い (最近はリムに内蔵される場合も多いので一概にそうとも言い切れないホイールも増えてきましたが) ニップルを考えたとき、水分に長時間触れて腐食しやすいのは果たしてどちらでしょう。

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SRAM 実使用レポート

ロードバイクのコンポーネントと言えば、日本の SHIMANO にイタリアの Campagnolo そして米国の SRAM が3大ブランドとして有名です。

クランクセットなどの部品としては FSA や ROTOR や SR SUNTOUR なども魅力的な商品を提供していますが、ミドルグレード以上の完成車には、ほぼ確実に3大ブランドの何れかのグループセットが用いられます。

なかでも業界トップの SHIMANO は、その性能と信頼性、価格、補修部品の調達性などから圧倒的な支持を得ています。

ロードレースの本場の西欧だろうが、SRAM の拠点の北米だろうが、東南アジアだろうが SHIMANO を選んでおけば間違いないというのは世界中どこでも共通です。

SRAM を選ぶということは、その圧倒的なシェアを誇る SHIMANO の生態系から外れるということです。

12速化が定着した現在、両者のコンポーネント間で共通して用いることができるのはペダルとディスクローターぐらいで、それ以外は変速機からチェーンまで何もかもが専用品になります。

それを維持できるのかという点が SRAM を選択するにあたっての最大の懸念でした。

自転車のコンポーネントは購入して終わりではなく、定期的なメンテナンスと部品交換を必要とします。

ブレーキフルードは酸化すると性能を発揮できなくなりますし、プーリーやベアリングは摩耗します。

自転車のコンポーネントは消耗品のかたまりです。

実績のある SHIMANO であれば、どこの店舗でどの部品を取り寄せてもらえば良いのか、比較的簡単に情報を得られます。

しかし、それらの部品は SRAM のコンポーネントには適合しません。

いくら、3大ブランドの一角として徐々にシェアを拡大している SRAM とは言え、安易に選択したあとで維持し続けることが可能なのかという点については、導入前からずっと不安に感じていました。

結論から述べると、意外となんとかなっているのが正直なところです。

というのも、メーカー純正でなければならない専用品がそれほど多くないためです。

なお、この記事の前提は 12s ディスクブレーキ eTap AXS となります。

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